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「で?」と言われないためのポートフォリオ(前編)

フロントエンドのポジションで採用枠を持っているとほぼ確実にこの問題にぶちあたる「ポートフォリオ」。今回はこのポートフォリオについて自分なりに考えていることを扱います。

ちょっと上から目線になりかけている面もあるかもしれませんが、いち書類選考者の観点ということで、正直に書いています。

この記事は ジンジニア マガジン のマガジンとして書いています。

そもそもポートフォリオって

「書類を運ぶためのケース」という意味らしいですね。昔Windowsに「ブリーフケース」っていう機能があったなあ、と思い出してしまうおじさんです。(未だにアレがなんだったのかよくわかってない)。

特にいわゆるクリエイティブと呼ばれる職種の方が、すぐに自身の実績などを見せるために持ち運ぶもの、というのがもともとのようです。

ちなみにWikipediaにも「曖昧さ回避」のページがあるように、金融等、全く別の意味を持つこともあります。今回ここで扱うポートフォリオは、「自己アピールや商品アピールなどのために、主に実績をまとめた資料のこと」から派生したもの。特に「就職・転職活動」におけるもの、特にそれをWebサイトにして、応募書類として含める「ポートフォリオサイト」という観点で書いてみます。

エンジニアが、作ったものを見せる難しさ

仕事で作ったコードを公開する、というのは著作権の面でかなりグレーな行為だと思います。これは、デザイナーが仕事で作ったものを公開する、というのも近いと思います。このあたりは「職務著作」という言葉があるのですが、会社としっかりと取り決められているところは多くはないように思います。

いわゆる、「ちゃんと仕事でコードを書いてる人」ほど、下記のような意見を持っているのではないでしょうか。

業務以外にもコード書いてる人、OSSなどへコントリビュートされている方については、存分にアピールしていただきたいものですし、そういった方が業務でも成果を出せるのであればそれに越したことはないですが...

そして「趣味で作ったコード」の場合、多くは「自身の困りごと」を解決するためのコードになり、「他の人が読みやすいかどうか」という優先度はどうしても下がってくるはずです。(できる人はそういうコードですらいいコードを書きますよ!ただ、優先度は低いはずです)

ここに、業務で普通にコードを書いている人と、いわゆる実務未経験者のバックグラウンドの違いがありそうです。

どんなアウトプットがあると良いのか

上記のように、GitHubに(言ってみればバックアップ用途で)公開されている趣味コード、というのは、「自身の課題を技術で解決することができる能力」がある ことを見せるのに一役買いそうです。READMEなどをしっかり書くことでそのプロダクトが何か、ということがあると良いでしょうし、そのコードが特定の技術の検証を目的としているものであれば、ブログやQiitaなどにそのプロセスを記載するのが良いでしょう。

つまり
・ソースコード(カタチにする力、質)
・プロセス(考え方、こなせる力)
・プロダクト(アイデア、表現力)

上記のどれを見せたいのか?とよく考える必要があると思います。これらのいずれかがPRされていない場合「で?」となりがちです。

ポートフォリオサイトが「自己紹介サイト」に終わっている場合の多くが、「プロダクト」に寄ったアウトプットに終わっていると私は感じています。その理由は...

「かっこよく見せている」ことが目的

になりがちなのです。かっこよさは、どうしてもプロダクト寄りの評価になってしまうので、そこを評価してほしければもちろん構いません。しかし、エンジニアとしての評価を目指すなら、よりコードを見てもらったり、どういう技術を使っているかがわかるようなサイトになっている方が良いでしょう。テンプレートを使ってかっこよくしている場合は、オリジナリティも減ってしまいます。

もし「かっこいい」ポートフォリオサイトを作りたかったら、 RESUME とかを利用すればいいと思います。(他にもあると思いますが、あまり詳しくないです)

もちろん、フロントエンドでやっていくんだ!という人であれば、そのサイトにイケてるインタラクションを入れていくのは良い考えだと思います。しかし、自分ができるスキルをあれこれ詰め込むとサイトとしての統一感を損なうので、避けたいでしょう。

最近は、それらの「こういう実装ができる」アピールでは、CodePen などがよく使われるようです。

気をつけたい公開方法

ところで、ポートフォリオを企業の方にみてもらうときに、「絶対オススメしない」やり方があります。それは、PDFファイルを「ギガファイル便」に置くことです。ギガファイル便そのものを否定するつもりは全くありません。(他のサイトもこんな感じかもしれません。私が他に使うことのあるFirestorageは、後述の理由から、ちょっと違います)

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上記は2020/09/08時点でのギガファイル便の画面キャプチャです。

問題は何か。それは、「このサイトがその人のポートフォリオに一瞬見えてしまうから」です。商用サービスですし、それなりにカッコいいサイトになっています。サイトの画像等は随時変更されるので、ダウンロードしようとしている人はこれがギガファイル便だ!と気づかないことがあるのです。場合によっては実際に見せたいポートフォリオを評価してもらう前にギガファイル便のサイトを評価されてしまうかもしれません...(その結果が良いのか悪いのかの判断はなんとも...)

「ギガファイル便なので」というように、補足が伝えられる場合は良いですが、エージェントがそのままURLを渡してしまうケースもありますのでご注意ください...

その他

今回の記事では、ポートフォリオの公開にあたり3つの観点について、「見てほしいものを見てもらう」ことを考えてみよう、という内容としてみました。

次回後編では、それらの軸をある程度踏まえつつ、提出されたポートフォリオサイトを採用担当としてどういう視点で見ているかについて書いてみたいと思います。

詳細は未定ですが

・ソースコードの圧縮とGitHubのポートフォリオ自体のコードについて
・GitHub,何をどういう順で見る?
・コンタクトフォームについて
・「実務未経験者」ならではのポートフォリオってなんだろう

あたりを扱いたいなと思っています!

追記:後編書きました!


サポートしてくださるような稀有な方にはサポートしてくださった金額分を奢り返したいと思いますw