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「で?」と言われないためのポートフォリオ(後編) 〜実務未経験者を中心に〜

前回、下記のような書き残しをして記事を終えました。

また、何を見せたいかの3つの軸を書きました。今回は未経験者軸をそこに追加します。結論としては「加速度があることをアピールせよ」です。

・ソースコードの圧縮とGitHubのポートフォリオ自体のコードについて
・GitHub,何をどういう順で見る?
・コンタクトフォームについて
・「実務未経験者」ならではのポートフォリオってなんだろう

今回は特に、実務未経験・もしくは2年未満くらいのやや浅い経験をお持ちの方がどのようなアウトプットを作成するのが良いのか。いち採用担当としての見方から書いてみます。

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重要なのは加速度

さて、経験の浅い方のことを ポテンシャル層 と呼ぶところもあるでしょう。(転職意欲が現時点ではない採用潜在層という意味とは異なり、)この場合のポテンシャルとは今は即戦力というのは難しいが採用後に力を発揮する可能性を秘めた存在 のことを指します。

この可能性がある方を採用するということは、今後の伸びしろ があるかどうかが軸であり、ある意味では新卒採用と似ている観点が求められるでしょう。

結果、一例としては下記のような方々が条件に該当しそうです。

・若い方
・学生時代に情報系を専攻していた方
・対象となる業務は未経験だが基礎的な仕事の取り組みはできそうな方
 ・大企業出身、高学歴などもこのあたりの基準を満たす可能性高め

上記は一例ですが、それを満たす方、満たさない方、いずれにせよ伸びしろをアピールすることで採用される可能性はぐっと高まると思います。

ポテンシャルのある方に期待していること、それは下記の図のような状態ではないかと思います。

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入社いただく時点では即戦力のラインには届かないものの、場合によっては既存社員を追い抜いてもらうこと。これが、ポテンシャル採用なのではないかと思っています。大事なのは加速度、つまりこのグラフにおける傾き ではないかと思っています。ちなみに入社後にさらに傾きがあがっているのは、環境要因(先輩に聞いたり既存のコードを理解することでぐっと知識がつく)に対しての私の期待です。まあこれを 実務経験 と呼ぶのかもしれません。

加速度はどう示せるのか

では、この加速度があるよ、ということはどのようにして示せるのか。これは例えば「スクールに半年通った」という事実だけではなく、「スクールに半年通ったら普通の人はこのくらいまでができるようになるが、私はここまでできるようになった」 という内容ではないでしょうか。

先日Twitterで見た経歴書に「毎日10時間勉強しています」と書いてあるものを見かけて、それはそれで「継続して自分をコントロールできるポテンシャルがある」ことはすごいと思うのですが、で、結果、どうなん??10時間やったけど技術書1ページしか進みませんでした、とかでは、効率が悪すぎてこれからの学習も期待できないマイナスイメージ を持たれてしまいますよね。少なくともこれからのエンジニアとしての業務は、働いた時間で評価されるものではない ことがわかっていないなと思ってしまいます。

余談ですが私は面接で「最近勉強したことをわかりやすく説明してください」というよく質問をします。現役エンジニアではない人事に対してものごとを説明する能力は、今後事業側のメンバーへの説明能力として必要になりますし、「勉強した」ということのゴールが「身についたこと」であるならば、その学習内容をしっかり整理して定着させ、自分の言葉で話せるようになって初めて「定着・使える技術」であるからです。

GitHub(など)に公開されている内容と加速度

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GitHubといえば「草」です。(上記は私の草です)

私はGitHubのURLが確認できる場合、概ね以下のことを確認します。細かい評価基準については状況により変化することもありひとまず秘密にしますのでご興味のある方は @tetsunosuke へDMでもください。

・直近の学習と草の量(濃さ、毎日あるか)/ QiitaやZenn等への記事更新
・誰かのレビューなどが入っているか
・.gitignoreが適切に設定されているか(logファイルの中身、.DS_Storeなど不要ファイルがpushされていないか)
・コミットコメントが適切かどうか
・READMEが人に見せるためのものになっているか
・見せたいものがPinnedされてるか(サンプルcloneだけじゃないか)
・独自に書いた部分のボリューム(フレームワーク部分以外のコード)
・強い関心があれば手元に落としてみて動かす

特に直近の学習・草について、誰かのレビュー等によるやりとりは、加速度の証明になると思います。実際に継続的に何かをやっていること、詰まったりできたことのまとめを記録していること、レビューポイントのわかりやすさ、指摘の受け入れ方etc

このような観点で、自身のGitHubを見たときにどう見えるか?を一度客観視されると良いかと思います。

また、Twitterなども公開している場合「面接時に突っ込まれたことをどう捉えてすぐに動いたか」なども見ています。先日面接でお会いした方は、面接後すぐに自身の課題を見直し、メンターサービスに申し込み、その後1ヶ月半ほどで内定をもらっていました。

その他

・ソースコードの圧縮とGitHubのポートフォリオ自体のコードについて
・コンタクトフォームについて

冒頭書いたので、これらについて軽く触れておきます。

コードの圧縮

フロントエンド系をある程度やると、webpackなどでコードをがっつり圧縮しているポートフォリオサイトを多く見かけます。もちろんそれらのことが自身でできる証明にもなりますし、良いことです。一方、GitHubには圧縮前のコードをちゃんと残しておいてほしいです。TypeScriptで書いたのか、元のコードはどれだけわかりやすく書けているかを見たいので...

コンタクトフォームについて

自作のフォームからお問合せを、というポートフォリオサイトを見かけます。これは、私なら、ですが、、ここから何かを送ることはまずないと思います...。連絡してほしいならTwitterアカウントを公開するなどの方が良いと思います。

なおこのフォームですが、多くの場合は自身の技術力のなさを露呈するケースが多いです。ここにフォームが置いてあって行われることは、メールアドレス等のバリデーションがちゃんとできているかのチェック、そのエラー表示の仕方が良い感じになっているか、という評価になることが多いです。多くの場合セキュリティ的な問題をはらんでいてその知識がないことを公開している感じになってしまいます...

おわりに

未経験者のポートフォリオは自身の加速度(伸びしろ)を証明できるもの、というポイントが浮かび上がってきました。

結論として、以下のようなポイントに注意してみると良いのではないかと思います。

・入社がゴールではなくマイルストーンになっていること
 ・今後必要であろう能力の全容が概ね把握できていること
 ・それに対し自身の現状とのギャップとしての課題設定が適切であること
 ・設定した課題に対して熱量があり行動していること
・行動に対しては独りよがりにならない
 ・見せたいものが見せられているかを問い続けること
 ・恐れず人に見てもらいフィードバックを受けること
  ・必要に応じてコミュニティを活用しましょう
  ・カジュアル面談も活用できるかもしれません
 ・新卒のように素直に受け入れつつ、自身の審美眼を磨こう

感想や、この記事を読んでポートフォリオサイトをこういう風に修正してみました!どうですか?というものがもしありましたらお気軽にご連絡(コメント・DM)ください。


サポートしてくださるような稀有な方にはサポートしてくださった金額分を奢り返したいと思いますw