「輪っか」のその後を知りたくないですか?
こんにちは。
先日「輪っかがどうやって作られているか考えたことありますか?」という記事を書いたところ、思いがけずたくさんの方にご覧いただけました。
鉄家具の工場のことを知っていただくきっかけになってとても嬉しいです。
先日の記事では、まっすぐな鉄の棒をぐるぐるっと曲げて輪っかになるところまでを紹介しました。
今日は、「輪っか」がその後どのように製品になるかを紹介したいと思います。
前回ぐるぐるっと曲げた輪っかですが、家具の一部に使うために平らで正円に近い形に修正します。
平らな定盤(作業台)の上に置くと、歪んで台との間に隙間が空いているのがわかります。この隙間を無くすために、ハンマーで叩いて平らにしていきます。
ハンマーで叩いて歪みを修正していく職人さん。
叩く場所はどうやってわかるのか…
「(長年の)勘ですか?」と聞いてみると…
「どこが歪んでいるかを見つけたら、どうやったら正円になるかを(頭の中で)イメージして、叩く場所を決めます。」とのこと。
見ているわたしにはさっぱり…ですが、的確に叩くべき場所を捉えては、どんどん歪みを直していきます。すごい…
叩くことによって別の場所がゆがんだり、鉄が伸びてゆがんだりします。
何度も何度も回して寸法を測り、正しい寸法の丸になっているかを確認します。
歪んでいるところは、また叩いてなおして…の繰り返し。
歪みがほぼなおったら、今度はつなぎ目の部分を溶接します。
↑の画像の隙間が空いている部分がつなぎ目。
ちなみに、つなぎ目がわかりやすいように隙間の空いている画像を使いましたが、溶接する時点で隙間はほとんどなくなっています。
輪っかのつなぎ目をまずは仮溶接。
続いて本溶接。隙間を溶接でしっかりと埋めていきます。
溶接された輪っか。「半自動溶接」という溶接方法のため、溶接した部分に盛り上がりができます。
盛り上がった部分を削って滑らかにしていきます。
削って滑らかになった輪っか。
ここにも職人さんの技術が光ります。
塗装する前は、磨いた部分がピカピカで繋ぎ目が見つけられますが、塗装をするとつなぎ目はほとんどわからなくなります。
削りすぎたときはもう一度溶接を盛って、滑らかになるように仕上げます。
さて、ここでまたハンマーを取り出す職人さん。
実は溶接することで熱が加わり、鉄はまた歪んでしまいます。
溶接する前にあんなに歪みをなおしたのに、再び歪みをなおしていきます。
(気が遠くなりそう…。)
何度もハンマーで叩いて歪みをなおして測って叩いて…を繰り返し、ようやく輪っかが完成しました。
ちなみに…これは「部品」なので、ここから製品にするための組み立てが始まります。
歪みをなおす様子(動画)はこちら↓
今回紹介した輪っかは、このスツールの足掛けの部分に使われました。
輪っかづくりに一番時間がかかりませんか?と職人さんに聞いたところ…
「この製品だとそうですね・笑」とのこと。
部品作りも製品づくりの大事な一部。
シンプルな製品にも職人さんの「細やかな手仕事」と「気づかい」が詰まっていることを改めて感じました。
組立の様子はまたいつかご紹介したいと思います。
塗装をして、座面を取り付けるとこんな感じでスツールになります。
輪っかも活躍してますね。
それでは、また。
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*岐阜県関市で自社製品の鉄製家具・雑貨を販売しているお店「テツクリテ」のスタッフのnoteです。商品のことや日常のこと、工場のことなどを気の向くままに綴っています。
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