もちより商品開発プロジェクト
「もちより商品開発プロジェクト」
ゆかいなネーミングではないでしょうか!?
わたしの働いている杉山製作所には、考える人、つくる人、売る人、検査する人、包む人、管理するひと…などなどいろんな役割の人が働いています。
みんなのコミュニケーションから生まれる
みんなの情報から生まれる
話し合いの中で商品企画が始まる
そんな商品開発をしてみよう!という取り組みが「もちより商品開発プロジェクト」です。
いろいろな役割のスタッフを4つのグループに分けて、約2年ほどかけて商品開発を行いました。
はじめの頃はアイデアを持ち寄ることすら難しく、スムーズに話し合いが進むグループもあれば決別(!)しそうになるグループも。
切り口がユニークなグループもあれば、試作をいきなり作ってくるグループ、ひたすらいろんなサンプルを作って研究し続けるグループもあり、それぞれのグループの個性あふれる商品開発になりました。
案がまとまらず、紆余曲折を経てギリギリでミラクルアイデアにまとまったり急激な進化を遂げたりして、どのグループもどうにか最終形態までたどり着くことができました。
そうして完成した(まだ完成してない!?)商品たちを、今回社内で行われる「Factory展」という展示会で展示・販売します。
どのグループも、楽しいアイデアや素晴らしい技術が詰まった商品を作ったので1点1点ゆっくりとご覧ください。
それぞれの商品の感想もいただけると今後の開発の励みになります。
すべて1点物の商品たちは、現品を購入していただけます。
気に入った方はぜひ!!
ということで、各グループの商品たちをささっと紹介したいと思います。
(もし気になる商品がありましたら教えてくださいね!!)
鉄と鉄がぶつかる「音」を楽しむ tetsu.bell(テツベル)
鉄と鉄がぶつかって鳴る「音」に注目したグループ。
材料の太さや形によって音が変わるのか!?などなどいろいろなサンプルを作って実験を重ねた末に、最後はシンプルに音を楽しめるものを作りました。
比較的進行が速かったので、できたものをどうやって飾るか、パッケージはどうするかなどなどわりと最終形態まで持っていくことができました。
音への着目と三角や五角形などのユニークな形は職人さんのアイデアです。
お越しの際は実際に鳴らして楽しんでみてくださいね。
なかなか心地よい音がします。
鉄の表情の変化に着目した「天然鉄」
「天然鉄」とは簡単に説明すると鉄を熱して一気に冷ますことで自然と生まれる表情のことで、今までにない新しい仕上げです。
このグループはこの仕上げに着目して、「天然鉄」の表情を生かした商品を考えました。
ちなみに「天然鉄」という呼び方も話し合いの中で生まれました。
1つとして同じものはできない。
鉄を熱してさますことで自然に生まれる鉄の表情。
美しい模様のようなこの表情を生かして、2種類のディスプレイトレイを作りました。
この形に至るまでにいろいろな試作をし、最後は「自然の形」をモチーフにしてpuddle(水たまり)という商品になりました。
どのかたちもユニークで、置いておくだけでなんだかかわいらしく、ほっこりします。
もう一種類、スクエアという四角いトレーもあります。
鉄が天板を突き抜けているユニークな構造。
こういったアイデアもつくる人、設計する人などのアイデアが重なって形になっています。
机の上に置くと良い雰囲気のトレー。お気に入りの小物を飾ってください。
平鉄とにかくねじってみた。
「ねじる」をとにかく追求して作ったブラケット。
いろいろな太さや幅の平鉄をたくさんねじっているうちに、「ねじる」を最大限にいかした造形にたどり着きました。
ねじることで方向性が変わり、機能も変化します。
「置く」「引っかける」「マグネットがくっつく」の3つの機能を持ったブラケットになりました。壁への施工方法も一工夫してあるので、実際の商品で観察してみてください。
メンバーそれぞれがアイデアをかたちに。
1つのアイデアをみんなで形にしたグループもあれば、メンバーそれぞれのアイデアをすべて形にしたグループもあります。
各々のアイデアにアドバイスをしたり、できない部分は補い合ったりして商品にしました。
作ることはできるけど、図面はかけない。
どうにか形にはできたけど、なんだかあか抜けない。
などなど、それぞれの立場に得意な事・不得意な事があります。
アイデアを持ち寄ったらそれぞれの得意なところを生かして形にできるのが「もちよりプロジェクト」の良いところでもあります。
本やリモコン・スマホなどソファサイドにちょっと置いておきたい物を収納できる棚のようなテーブルのようなもの。
揺れるけど倒れない。揺れてもいい。というみんなの意見を元に何度か形をブラッシュアップして、ゆらゆら揺れるのを楽しめる棚になりました。
好きな本(コミックなど)を並べる本棚が欲しいというアイデアから生まれたブックシェルフは、折り曲げた鉄板をアンバランスに重ねた愉快な形状です。溶接の仕方や見え方など、みんなで意見を出し合って最終的な形や収まりが決まりました。
薄い鉄板で本を支えるキューブ型の形状は最初のアイデアを最後まで活かしました。
持ち運べるサイドテーブルというアイデアはそのままに、いかにスッキリシンプルな形にするかを追求して何度も試作しました。
溶接を目立たせない方法や、コンパクトだけど安定するベースの形状など、細かい部分に話し合いの中で生まれたアイデアが詰まっています。
シンプルだからカラーのバリエーションも楽しめそうということで、4色展開に。
一見倒れそうに見えるかもしれませんが、しっかり重量があるので、持ち上げてみてくださいね。
いつもは無垢(中身が詰まっている)鉄の棒を叩いているけど、パイプを叩いてみたらどうなるだろう?という作り手さんの挑戦から生まれたドアハンドル。パイプにすることでより表面の凹凸がはっきりと表現され、握ってみたくなる意匠に。重さがネックだったドアハンドルもパイプにすることで軽くなり、使いやすくなりました。
こうして出そろった商品を見てみると、アイデアや方向性は違うものの、どれも「鉄が持つ特性・鉄の良さ」を生かした商品になっています。
普段やっている業務は違っても、それぞれが鉄のことを考え鉄と触れ合っているかたこそ出てきたアイデアばかりだと思います。
そしてそこに、いろいろな立場からの視点が加わって、最終的にどれもユニークな商品になりました。
「もちより商品開発プロジェクト」を見るみなさんにも楽しんでいただけますように!
展示をみて「これってどうしてこうなったんだろう?」と思ったら、ぜひスタッフに質問してみてくださいね。
展示は杉山製作所ショールームにて11月1日~11月30日まで行っています。もし気に入った商品がありましたら購入もしていただけます!
それでは、また。
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*岐阜県関市で自社製品の鉄製家具を販売しているお店「鉄家具と暮らす」のスタッフnoteです。商品のことや日常のこと、工場のことなどを気の向くままに綴っています。
日常に鉄家具を。「鉄家具と暮らす」をコンセプトにしています。
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