今年も、関市のちいさな鉄家具メーカーがミラノ・フォーリサローネ(ミラノデザインウィーク2024)に出展します。
2024年4月に開催されるミラノ・フォーリサローネ(ミラノデザインウィーク2024)に杉山製作所がギャラリーを借りて出展することになりました。
昨年に引き続き2度目の出展です。
出展の経緯や見どころ、前回の出展の振り返りなど、杉山製作所の代表・社長の島田にインタビューしてみました。
はじめての出展についてはこちらの記事で▼
ミラノ・フォーリサローネ2023出展の振り返り
出展して、どんな成果があったの?
おそらくみなさんが一番気になるところではないでしょうか?
2回目も出すということは、それなりに得るものがあったということでは!?
まずはその辺りから話を聞いてみました。
ー昨年出展をしてみて、なにか変化はありますか?
島)自分たちが思うより、来ていただいたお客さまからとても評価していただきました。「美しい」ということをたくさんの人に言ってもらえたことが1つの成果だと思っています。
鉄のものづくりっていうところが私たちの原点で、できあがったものの美しさから、職人の技術がすごいということを感じ取ってもらえて、そこを評価してもらえたのが1番の成果でした。
たくさんではないけれど、実際に受注もいただきました。
購入していただいたお客さまからは、プラスの評価もマイナスの評価も受け取りました。
そうやって評価していただけたことにより、きちんとブラッシュアップして次に生かせるという流れが作れたことも、(出展して)すごくよかったなと思っています。
ー社内的には変化はありますか?
島)社内的には…何が明確に変わったんだろうてなると…
なかなか…みんな思ったことを表現するタイプではないので、わかりづらいです(笑)
でも、出展してきちんと評価されたということが、職人さんの仕事に対しての自信につながっているかなと思います。
新しい商品開発をするときなど、以前よりさらに前向きに取り組んでいるように感じます。
もうひとつすごく良かったことが、海外の家具のデザイナーさんが技術をとても評価してくださって、杉山製作所の製品をデザインしたいと言ってくれたことです。その中でもスペインのデザイナーさんが実際に会社まで来てくださって。職人さんたちがデザイナーさんにとても積極的に技術を見せたり体験してもらったりしていたのですが、その時に職人さんたちも、本当に技術を良いと思ってくれてると実感できたんじゃないかと思います。
ー国内の方々の印象にも残ったように思いますが
島)同じようなメーカーさんやお客さまにも「サローネに出展してたんですね」と言っていただきました。
どうやって出したの!?という質問もありました(笑)
(↑これについては、また後日記事にしたいと思います。)
そういったことも含め、1回目としては、まずは知ってもらうという意味では、地道ではあるけれどもいろんな方に知ってもらえたんじゃないかと思います。
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2024年の出展テーマは?
ー2年続けての出展ということで、
昨年のテーマと今年のテーマの違いを教えてください
島)昨年は…「構造美」というテーマでした。
今年は「線美」。線の美しさをテーマにしました。
お客さまに、製品のラインの綺麗さを昨年とても評価していただきました。
私たちが見せたい部分とお客さまが実際に感じてくれることが一致したと思います。
そこで今回は、構造ではなく、ひとつひとつの製品の「線の美しさ」を見ていただきたいです。
見ていただきたい技術は同じなので、どこに焦点をあてて見せるかということを考えたときに「線」というところをテーマにしようという流れになりました。
昨年はラウンジチェアを中心に展示しましたが、お客さまから「チェアを見たい」という要望がありました。そこで今回はいろいろな種類の「線の綺麗さ」を見てもらおうということで、「ラウンジチェア・チェア・カウンターチェア」といった3種類ずつの7つのデザインのシリーズで、ご覧いただこうと思います。
展示の量としては昨年の3倍くらいになります。
ーかなり増えますね!?とはいえ杉山製作所にはもっとたくさんの種類の椅子があります。その中からどういった製品が選ばれたのでしょうか?
島)線美がテーマなので、「何の線が綺麗なのか?」というのをシリーズごとに決めて、見せ方や展示する製品を決めました。
今回は「Crank arm chair」と「TSUZUMI Poltrona」という、2種類の新作も展示します。
TASUZUMIに関しては、前回の出展が製品のブラッシュアップに活かされています。もともとは日本向けの低いデザインでしたが、海外の方にはもう少し高い方がいいねという意見をいただきました。
他にもお客さまの意見によりブラッシュアップされた製品があります。
全体には海外の方向けにSH(座高)を高くしてあります。日本の方とは体型が違うのでコンパクトな椅子はあまり向かないし、座が低めのものも向かないなということで、少しづつ見直しをしました。
ー前回より展示製品が増えるということが1つの見どころではありますが、他に特に注目してほしいところはありますか?
島)カウンターチェアやチェアなどラウンジチェア以外のラインナップが増えるので、それぞれ体験してほしいなというところでしょうか。
あとは、ギャラリーではなかなか実際の空間(住宅や店舗など)に入った様子をご覧いただくのが難しいので、今回は映像や画像で実際にいろいろな空間に納入された事例をご覧いただきたいと思っています。
工場でのモノづくりの映像なども用意しているので、製品がどんなふうに作られ、どんな場所でどんな風に使われるかも合わせて会場で見られるような展示にします。
同じものがたくさん並んだ時に美しく見えるというのも、鉄の椅子の良いところなので、そういう部分は映像や画像で見せて、実際に体感できる座り心地や質感に加えて、さらに鉄の椅子の魅力を伝えられたらと思います。
ー今回の展示会の目標や目的などはありますか?
島)前回と同じギャラリーさんで展示をさせていただくのですが、毎回いろんなことを大きく変えるのではなく、杉山製作所のスタンスを同じ場所で見てもらいたいという想いがあります。
できれば昨年お越しいただいた方にも、もう一度同じ場所に来ていただけるといいなと思います。
そうして何度も来ていただくことで、「やっぱりいいな、欲しいな」という思いに繋がると思うんです。
1回出展しただけでは、まだまだ(杉山製作所のことを)知らない人がほとんどなので、いろいろなことを伝えるのではなく、杉山製作所の本質を1回目の出展と同じようにきちんと伝えたいです。
もうひとつはパートナーを見つけることです。
昨年はいろんなことがわからないまま、とりあえず見てもらいましたが、今回はきちんと(製品を取り扱っていただける)パートナー探しを積極的にしたいと思います。
パートナーになるにはお客さまとの信頼関係を築くことが大事なので、どんどん製品を変えていくのではなく、同じものをきちんと定番として作り続けていることが、小さな企業にとっては信頼に繋がると考えています。
ー来場されるみなさんにメッセージをお願いします
島)会場に来てくれるかたに!?
ひとつは…レセプションパーティーをやるので参加してほしいです。
4月19日の17時~です。
そのときは、ドリンクや軽食を楽しみながらゆっくりとお話していただけます。弊社のデザイナーだけでなく、日本からいろんな業界の方も参加されます。のんびり滞在することでいろいろな会話が生まれて楽しめると思うのでぜひお越しいただきたいです。
もうひとつ、4月15日の午後は椅子のデザイナーの村澤一晃さんと弊社のデザイナーの村上が滞在するので、デザイナーさんにいろいろ質問して交流していただきたいです。
ーありがとうございます!
ミラノ・フォーリサローネ(ミラノデザインウィーク2024)の出展は2024年4月15日~20日まで。
現地に訪れる予定の方は、ぜひ杉山製作所の展示にもお立ち寄りください。
The Beauty of Lines(線美)
SUGIYAMA, Japanese Minimalist Solid Iron Furniture
会期・時間:2024年4⽉15⽇(⽉)〜20⽇(⼟)
カクテル :4⽉19⽇(⾦)17:00〜20:00
会場 :Galleria Antonio Battaglia(ガッレリア・アントニオ・バッタリア) HP http://www.galleriaantoniobattaglia.com
所在地 :Via Ciovasso 5-20121, Milano(ミラノ市街チョヴァッソ通り) Google Map https://maps.app.goo.gl/GJAxLUkTZqfzTv717
▷プレスリリース
▷ミラノデザインウィーク〈4月16日(火)〜4月21日(日)〉のイタリア・ミラノ市内で開催される展示情報をまとめた「MILAN DESIGN WEEK 2024 MAP by MIRU DESIGN」
杉山製作所は【147】です
MILAN DESIGN WEEK 2024 MAP -
おまけ・出展こぼればなし。
昨年出展してみて、SNSなどでもいろいろな方からたくさんのメッセージや質問をいただきました。
そこで少しだけ、出展のこぼれ話を社長に聞いてみました。
ー昨年出展してみて、展示のことに関わらず何か良かったことや大変だったことはありますか?
島)出展する側なので、他の出展者さんの展示を見に行くことは全然できません…。残念ながら…。
東京で展示会に出しているのと同じように、毎日会場に行って接客をして、宿に帰って…の繰り返しです(笑)
展示を見るために訪れるのとはまったく違う生活スタイルです。
現地で1週間暮らすことになり、毎日朝昼晩とギャラリーのオーナーさんと顔を合わせるので、とても親しくなりました。
もともとオーナーさんがアートなどがお好きな方なので、杉山製作所の製品もとても気に入ってくださって、友人などを連れてきて展示の紹介をしてくれました。
お互いカタコトの英語で話すので逆に聞き取りやすくて(笑)
深い話は全然できないけど、ずっと一緒にいるからだんだん心が通じるようになっていきました。近所のおいしいお店を教えてくれたり。
ギャラリーを借りている立場なので、普通なら会期が終わったら綺麗に片づけて返して終わり…だと思うのですが、最終日にオーナー夫妻が片付けが終わったギャラリーで打ち上げのようなパーティーを開いてくれました。
それにはとても驚いたし嬉しかったです。
そんな素敵な出来事もあり、とても感動しました。帰りがけにもおみやげもいただいてしまって。
来年もぜひ!と言っていただけたこともあり、また来年も同じギャラリーでお願いしようと決めました。
お互い好きになっちゃった!みたいな(笑)
ーそんな出来事があったんですね!今年もお会いするのが楽しみですね。
島)そうですね。日本のお菓子をたくさんおみやげに持っていこうと思います。海外にはない駄菓子とかスナック菓子みたいなものってすごく喜んでもらえるんです。あられとか柿ピーとか小袋に入ってるの。めっちゃおいしいってたくさん食べてらっしゃいました。
(海外におみやげを持っていかれる方、ぜひ参考に!)
ー現地での食事は楽しめましたか?
島)滞在していた場所にミニキッチンがついていて、半分以上は自炊をしていました。いまユーロが高すぎて毎日外食していたら食費が大変なことになるので(笑)
毎日、宿への帰り道にスーパーによって食材を買うのを楽しんでました。日ごろ見たことがない食材がたくさん並んでいるのが楽しくて。
いろんなパスタソースとか売ってるけど、どれも多分おいしいです。
何を買っても大体おいしいです。高いものを買わなくても。
普段食べない食材も楽しめて、食事はとても良かったです。
こぼれ話はいろいろあるので、また別の記事で紹介したいと思います。
ここまでお付き合いありがとうございました!
次回、出展への道のり編(仮)もお楽しみに。
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もし実際に現地へ行かれる方がいたら、杉山製作所の展示ギャラリーにもお立ち寄りくださいね!!
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それでは、また。
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*岐阜県関市で自社製品の鉄製家具を販売しているお店「鉄家具と暮らす」のスタッフnoteです。商品のことや日常のこと、工場のことなどを気の向くままに綴っています。
日常に鉄家具を。「鉄家具と暮らす」をコンセプトにしています。
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