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CMOS vs CCD vs Foveon いろんなセンサーのデジタルカメラで桜を撮る。

CMOS:SIGMA fp/Leica summicron R50mm
CCD:PENTAX 645D/PENTAX-D FA645 55mmF2.8AL
Foveon:SIGMA dp2 merrill

はじめからなんだが、この比較には意味はない。
発売時期もバラバラ、レンズはだいたい35mm換算で50mm辺りだが特に基準はなく、しかもJPEGオンリーである。
そして感想はいつもの通り、CMOSは撮りやすく、CCDは極端な仕上がり、Foveonは・・・相変わらずである。


SIGMA fp

CMOSの良さはとにかく撮りやすい。
ISOは気にしなくても良いし、手持ちでも十分、JPEG撮って出し派の僕からするとSIGMAのカラーモードはそれだけで写真を完成させてくれる。
そもそも昨今のデジタルカメラは99%CMOSなので、感想と言っても特にないといったところ。


PENTAX 645D

10年以上前の鈍器のようなでかいカメラ。
4000万画素の中判デジタルカメラ、今や絶滅したKodak製のCCDセンサーを積んでいる。
この重くてでかい(2kgは遥かに超えるよ)カメラは、CCDセンサーの生き残りなのである。
CCDの特徴と言えば、この色合い。
「これこそCCDの色」なんて言われているが、単に当時の技術的な問題だったりする。
が、緑の蛍光ペンみたいな色や強いコントラスト、それでいてボケの滲み具合がたまらんというのはこのカメラを買ったが故のやせ我慢か?
でも、個人的に立体感はすごいと思うの。フィルムライク?


SIGMA dp2 merrill

Foveonという変態センサーは、写真という結果のためにすべてをかなぐり捨てた決戦兵器。
当たればデカイがまず当たらないという癖の強いカメラであり、かれこれ2年以上使っているが未だにコツが掴めない。
しかしこのカリカリシャープな絵、等倍にしてもカリカリが潰れずにカリカリなのである。
この唯一無二の描写のために、Foveonセンサーを偏愛している狂人・・・愛好家も少なくない。


この3台のカメラを無理やり比較するとすれば、まずはCMOSの使いやすさが際立つ。
CCDもFoveonも、ISO400辺りが限界で、それ以上になると極端に画質が落ちる。
故に手ブレ補正の概念すら無いこの古いカメラたちは、多少天気が悪いくらいで三脚必須となる。
さらに明暗差の激しい景色だと白飛び黒潰れのオンパレード、そして突飛な色を吐き出したり、バッテリーがすぐ死んだり・・・枚挙に暇がない使いづらさである。
フィルムを知らないスマホ世代の子どもたちにとっては、老害を超えたオーパーツである。

しかし、CCDやFoveonでしか出せない雰囲気というものは確かにある。
スペック化しづらいこの雰囲気は、まさに自ら撮影し、写真にしてみなければわからない世界。
だからこそ、このカメラでなければ撮れない写真はある。
なぜなら、645Dもdp2も、景色を選ぶのだから。
CMOSのカメラのように気軽に撮れないからこそ、撮影者はこのカメラの代弁者として世界と相対すのである。


SIGMA fp


PENTAX 645D


SIGMA dp2 merrill


SIGMA fp


PENTAX 645D


SIGMA dp2 merrill

以上はすべてJPEGであるが、CMOSは撮影時に「結果」を確認しながら撮影できるのでイメージが付きやすい。
CCDとFoveonは色がめちゃくちゃになったり、明暗差が露骨になるので、基本的にRAW現像必須となる。
そもそもCCDもFoveonも、撮影結果を確認するだけでかなり待たされることになる。再生ボタンを押しても10秒ほど待つという事態を理解できない若い世代もいることだろう。
古いカメラなので背面液晶もガラケーみたいで細かいところはわかりにくい。
RAW現像もそれはそれは面倒くさい(特にFoveonは専用ソフト=激重が必要)のだが、その重いデータのおかげで情報はかなり残されている。

しかし、最近のCMOSであれば画素数は1億を超えていたりするわけで、正直大差はない。
なのでCCDだから、Foveonだから、という必然性みたいなものはないと思う。
最新のカメラであれば、AIを使うまでもなくたいていのことは演出することができるだろう。
よって、この比較の趣旨は「この面倒くさいカメラを使っているからこそ感じられるもの」というオカルト臭い現象が本当にあるのか?ということである。
それはあるのだ。
結果のイメージがカメラの個性と合わさることで、手段を変えていく。
手段はカメラを持つ手から伝わるアフォーダンスにより、世界と対峙する自己をも変えてしまうのである。
そういうわけで、いろんな癖の強いカメラを手にすることは良いことなのである。
そう、これはカメラを必要以上に持っている人間の言い訳であり、写真の面白さの醍醐味なのである。


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