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Foveonセンサーで撮ったモノクロ写真をSIGMA Photo Proで現像

Foveonセンサー搭載の健康優良不良カメラ「SIGMA dp2 merrill」で撮ったモノクロ写真をSIGMA Photo Proで現像してみた。
Foveonで撮ったRAWデータ(X3Fファイル)は、重い。
10年以上前のコンデジで、50MBというデータサイズ。
FoveonはそもそもRAW現像必須と言われているくらいJPEGが使えないことで有名だが、それはとどのつまりカラー写真である。
色がぶっ飛んでいる。
葉っぱがミュータント・タートルズのような色をしていたり、花が蛍光色でランランとしていたり・・・
そんなことなのでRAW現像してみると、これがまた重い。
最新M1チップのMacBook Airでも重いボディーブローを浴びせ続けられる。
さらにカラー写真のRAW現像は重い割になんかしっくりこない色合いになるので、正直なところ僕のSIGMA Photo Proでの現像はモノクロオンリーである。


そんな苦行の末にたどり着くのが、この解像度!立体感!空気感!
隅々まで写りまくっている恐ろしいデータ量なのだ。道理で重いわけだ。


ちなみにJPEGだとこんな感じ。
モノクロだとJPEGでも使えるが、今回は鳥取砂丘という景観に合わせて、そしてFoveonらしさをより毒々しくさせるためにとにかくゴリゴリにしてみました。


僕がFoveonのモノクロが好きな理由は、アンセル・アダムスみたいなゴリゴリの風景写真が好きなのと、それでいてプロヴォーク時代の森山大道や中平卓馬も良くて、さらにモノクロ写真の究極系がジョセフ・クーデルカだと思っていることも加わり、要するにゴリゴリのコントラストと白と黒の濃淡の粘っこさを本能で欲しているからなのだ。
これはFoveonでないとならぬというわけではないが、Foveonが僕にとって最短距離なのである。
モノクロフィルムを自家現像でこねくり回したい気持ちもあるのだが、残念なことに貧窮サラリーマンかつ健康的な面倒くさがりなのである。


Foveonのモノクロはそんな我儘さんにはおすすめ!
Foveonカメラで撮っていると、自分の目がFoveonモードになる。
このカメラ、強烈な写真と引き換えに撮影のしやすさという日本企業が最も力を入れそうな分野を吐き捨てている。
故に撮れないもんは撮れないという、頑固な寿司屋の大将だと思って接して欲しい。
だから「いいね!」と思ってさっと取り出して撮るみたいなスマホ気分ではなく、「先生!出番です!」「・・・おぅ」みたいな感覚でいてほしい。
Foveonは何でも撮れるわけではないが、Foveonでしか撮れない世界がある。
そこにシンパシーを感じるのであれば、おすすめなカメラなのだ。
謂わばFoveonでなくてはだめ・・・ではなく、Foveonと気が合う輩を求めるのである。
世界は多様であり、人間の業は深い、それがFoveonであり写真なのだ。


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