東京都墨田区 飛木稲荷神社

押上駅から歩いて5分ほど(ぼくは歩くのがかなり早いので目安にはならないが)の場所にある神社。
以前にも一度参拝したことがあるけれど、近場に寄ったので再訪。
朝晩は寒いけれど、昼間は春の香りが何処からとなく漂ってきた。
太陽の表情や、風の吹き方が、冬からイメージするものとは明らかに違う。

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まだまだ下町の香りが漂う墨田区の住宅街、スカイツリーを見上げる場所に鎮座されていて、とても雰囲気がよい。
オカルト的な物言いは好きじゃないけれど、ここの神様はきっと穏やかなんだろうなと感じる。

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お参りをして御朱印を頂くと巫女の方から、大戦時に身を挺して街への延焼を防ぎ、自らは焼け焦げながらも見事に再生して、未だにこちらから人々を見守っている身代わりイチョウと、イチョウの中に見える狐のシルエットのお話をして頂けた。

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自分を祈り崇める人々を助けるために、神様が身を挺してくれたり、ミサキガミの狐たちが川の水を汲んで懸命に消火活動をしてくれたりした姿を想像し、ほんの少し前までは日本中にリアリティをもった神様が存在していて、それは暮らしにある程度密着していたんだなと思い、羨ましくなる。
神様がいた時代は人間も寂しくなかっただろう。
超越者が確固として存在していたのなら、ぼくたちは霊長だなんて名乗る必要はなく、人間と人間以外の動物との境界もぼんやりしていただろう。
神様がいなくなり手に入れた様々な技術はもう手放せないし、それがない不便な生活になんて戻りたくないから、そうした時代よ再びみたいな願いは抱かないけれど。

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御朱印も可愛く美しいデザインでした。
狐もイチョウもしっかりと描かれていて、黒と朱と金のバランスが素晴らしい。
オリジナルの御朱印帳も良さそうだったので、次回訪れたときには分けて頂こうと思います。

休みの日には独り満ちたりて散歩をしよう。
神様に会いに行こう。

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