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八咫烏を求めて熊野路へ〜フットボールの白地図 by OWL Magazine 【第8回】 和歌山県

<和歌山県>
・総面積
 約4724平方
・総人口 約91万人
・都道府県庁所在地 和歌山市
・隣接する都道府県 三重県、大阪府、奈良県
・主なサッカークラブ アルテリーヴォ和歌山
・主な出身サッカー選手 森下仁志、駒野友一、酒本憲幸

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「フットボールの白地図」を塗りつぶしていくプロジェクト。前回はJクラブはないけれど、上を目指すクラブが群雄割拠している三重県を取り上げた。今回はOWL Magazineへの転載という形で、和歌山県を取り上げる。この県を取り上げるのは、いささかチャレンジングだと個人的には思っている。

 前回の三重県同様、和歌山県もまたJクラブ空白県となっている。現時点でJクラブがない県は8つあるが、全国リーグに参戦するクラブがない県は2つしかない。すなわち、福井県と和歌山県である。ゆえにJリーグやJFLのファンにとって、和歌山とは「未知の県」というイメージが強いのではないだろうか。

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 私が初めて和歌山を訪れたのは、2014年に全社(全国社会人サッカー選手権大会)の和歌山大会を取材した時のことであった。この大会は、国体開催の前年に行われるリハーサル大会の意味合いもあるため、会場が広範囲に点在していることが多い。和歌山大会の会場は、橋本市、紀の川市、新宮市、上富田町、串本町。あまりにも移動が難しかったので、上富田町での試合のみをチョイスした。

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 私にとって、なかなか訪れる機会のない和歌山県は、水彩絵具の色が薄く塗られた状態のままとなっている。「フットボールの白地図」で取り上げるにあたり、フットボールだけでこの県にアプローチするのは難しい。そこで、ふと思い浮かんだのが熊野路。そう、神武天皇を大和国の橿原まで先導した、八咫烏(やたがらす)ゆかりの地である。

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 JR新宮駅前からバスに揺られながら、鬱蒼とした山道とキラキラ光る熊野川を愉しむこと1時間20分。JFAのエンブレムのモティーフとなった、八咫烏が祀られている熊野本宮大社に到着する。仏教、密教、そして修験道の聖地とされる熊野は、かつては「阿弥陀如来が住まう場所」とされていたという。ここから158段の石段を登るにつれて、神の領域に近づいていることを実感する。

【以下、OWL magazine読者のみに公開】
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