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7/31発売『蹴日本紀行 47都道府県フットボールのある風景』より先行公開 【和歌山県】フットボール成分薄めでも「プラスアルファ」に事欠かない

 昨年11月よりnoteにて展開し、OWL magazineでも掲載していた「フットボールの白地図。かねてより予告していたとおり、写真集『蹴日本紀行 47都道府県フットボールのある風景』として、7月31日に発売されることとなった。
 そこで今月は3回にわたって、その世界観をOWL magazineの読者の皆さんに共有していくことにしたい。2回目となる今回は、まず本書の「もくじ」からご覧いただくことにしょう。

210709_蹴日本紀行(最終PDF)

 サッカーファンにはご存じのとおり、JFAでは47都道府県を9つの地域に分けている。本書もそれに準じながら、北海道と東北、関東、北信越と東海、関西、中国と四国、そして九州と6つのブロックにまとめられている(それぞれのブロックの間にコラムが差し込まれている)。

 本書の特徴は、日本のフットボールの世界観を「Jクラブ」ではなく「47都道府県」という切り口から提示していることだ。つまり、Jクラブが複数ある県もJクラブがない県も、等しく扱っているのである。そうした観点から各ブロックを俯瞰した時、Jクラブ空白県が最も多い地域が、実は関西であるという意外な事実に気づかされる。

 現在、Jクラブがないのは7県(福井、三重、滋賀、和歌山、奈良、島根、高知)。このうち3県が関西にあり、関西6府県のうち半分がJクラブ不在ということになる。もっとも私自身は、Jクラブの有無が県の価値に影響するとは考えていない。執筆者としては、Jクラブがある県もない県も等しく1800文字の中で、それぞれの「フットボールのある風景」を魅力的に描ききったつもりだ。

 では、Jクラブ空白県について、本書はどのように描いているのだろうか。そのわかりやすいサンプルとして、今回ピックアップしたのが、27番目に登場する和歌山県である。この県の場合、最も高いカテゴリーで戦っているのが、関西リーグ1部のアルテリーヴォ和歌山。全国リーグを戦うクラブがないため、県外のフットボールファンには、なかなかイメージしづらい土地である。

 実際のところ和歌山は、フットボール成分薄めの県である。それでいて、遠征好きなフットボールファンが喜びそうな「プラスアルファ」には事欠かない。本稿では、知られざる和歌山の「フットボールのある風景」と意外な魅力について、コンパクトかつわかりやすい紹介を試みている。

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【以下、OWL magazine読者のみに公開】
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