参政党のこと

 参政党に群がっていたYouTuberたちの態度ががらっと変はってきましたね。
 配信者として中立の立場から、・・・
 
 今後の推移を見守っていきたい、・・・
 
 「参政党現象」なるものが起きて、YouTuberが群がったとき、こいつら、参政党の人気がかげりだしたら、今度は、批判することで再生回数を稼ぐんだらうなと思ってた。


 

 民主制のもとでは、直接民主制でなければ、代議士制となる。
 民主主義による政治は代議士によって行はれる。

利害集団→党の結成→党から候補者→代議士の誕生→議会での議論に参加

かういふ流れが、根本構造だと思ひます。

 では、利害集団とは何かといふと、一番分かりやすいのは、労働組合だと思ひます。メンバーの利害が、かなり単純に一致してゐる集団だからです。
 労働組合のメンバーにもそれぞれの要求はあるでせうが、
仕事の時間が少ないほどいい
給料は高いほどいい
 といふことでは利害が一致してゐると思ひます。

 参政党の党員の利害とはなんでせうか?
 いつもやかましく批判されるのは、「先進国の中で日本だけが、この二十年間、まったく給料が上がってゐない」といふことですから、

経済成長させること、成長経済を維持させること

 それは党員が一致して持つ利害だらうと思ひます。


 それ以外には、何があるのでせうか?

 神谷宗幣氏は、日本を日本らしくしたいと願ってゐるやうです。
 それは、利害を超えた「理念」であると思ひます。
 民主主義の政治に「理念」を持ち込むのは危険だし、本来、原理的に不可能です。

 民主主義は利害の調整の社会的技術です。イズムではなくシステムだと思ひます。共産主義や民族主義などの理念とは性質が違ふ。
 民主主義を採用する社会での政治は、理想の社会をつくる宗教活動ではない。そんな宗教活動めいた熱狂を政治に持ち込んではいけないといふことで、キリスト教でさんざん殺し合った西洋が古代のアテネから掘り出したのが民主制だったのです。
 
 

 かつては、人々を貧困や不平等から救ひだすことが政治の目標と重なってゐました。
 重ねることができるほど、経済的に貧しく、科学技術がゆきわたっていなかったからです。
 所得倍増計画とか日本列島改造計画とかが、「国民の幸福」を実現する政治だと言って言へないことはなかった。
 そのころは、貧困から抜け出すことが、経済的に豊かになることが、一億総中流階級化することが、「幸福」と繋がってゐると信じられたからです。

 今は、得るものは得てしまった。
 だから、「政治家には哲学が必要だ」などと言ふ人が出て来た。
 これは恐ろしい話だと思ひます。
 鉄道を敷いてほしい、水道管を設置してほしい、電気が使へるやうにしてほしい、人々がさういふ願ひを持ってゐたときは、政治家はとにかく、この国をどんな方法であれ「経済的に豊かにする」ことを目指せば、立派な政治家だったと振り返ってもらへた。

 今は、政治が担えるやうな要求ではないものが、政治に求められてゐます。
 参政党の神谷宗幣氏がやらうとしてゐるのは、世直し運動です。
 「かうあらねばならないことをかうあらせる」といふ・日本キリスト教婦人矯風会ふうの精神運動であって、これを政治で扱へる利害関係にすることは、無理です。

日本キリスト教婦人矯風会
信仰に基づき一夫一婦制の平和な家庭をつくり、酒害を排除する運動

 

 参政党は、宗教みたいだと言はれますが、そのとほりだと思ひます。
 神谷宗幣氏は教祖です。
 わたしは決して否定して言ってゐるのではありません。
 参政党は、神谷宗幣氏に賛成する党として、これからも、活動してほしいです。強いリーダーシップでも独裁でも、どーでもええこと。いやがる党員を監禁して薬物で洗脳してゐるわけではない。みんな神谷氏を敬愛して集まってゐる。なにがなんでも神谷氏を信じてついていかうと思ってゐる。
 それでいいと思ひます。なにがあかんの?
 参政党は、とにかく神谷氏が中心で、神谷氏が本質です。

 ただ、そんな精神運動の集団が政治の世界に入り込もうとすればするほど、教祖である(決してわるい意味で言ってゐるのではありません)神谷宗幣氏の心は傷つき、疲弊してゆくと思ひます。
 神谷宗幣氏には、やはり、教育に戻ってもらひたいです。
 簡単に教祖になれてしまへるくらゐの、偉大な教育者だからです。

 教育といへば子供のことかといふと、そんなことはありません。
 神谷宗幣氏は、大人を教育できる人です。
 実際、一度は政治から出て、教育活動に入った。

 さうしてゐると、人がまはりに集まってしまった。
 すると、群れた信者たちの中から、先生は「口だけで何もしないのか」と言ふ人が出て来た。
 そして、党を作るといふところまでいってしまった。

 「戦後めちゃくちゃにされた日本」
 それを元に戻す、或ひは、新しく日本らしい日本にしてゆく
 こんな理念を、どんな箱もの政策と結びつけることができるのでせうか?

 れいわ新選組の山本太郎氏のやうに、「弱者を救ふ」といふことを理念にすれば、さまざまな政治的な要求につなげることができます。さっそく「救済センター」の建設、そして職員の配置などといったふうに、簡単に、具体的な政策にできます。多くの人が喜びます。

 けれども、神谷宗幣氏はこんな人なので、山本太郎氏みたいな慈悲深い善人にはなれない。↓

 ↑かういふ動画を見ると、神谷宗幣氏はつくづく偉い人だと思ふ。
 そして、こんな人は絶対に政治には向いてない。
 この人は、教育者だ。

 政治家になるんだったら、たとへば、石原慎太郎氏みたいでないと無理。

 
 


 

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