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【特集】次世代教員養成プログラム「TEST」 運営事務局 コーディネーター鈴木さん×岩田さん対談インタビュー

こんにちは! 次世代教員養成プログラム「TEST」編集部です。

今回も見てくださっている方はありがとうございます!

この記事で「TEST」のこと初めて知ったという方は、「TEST」についての詳しい説明をまとめているのでぜひ御覧ください!

さて、第二回は、「TEST」コーディネーターである鈴木さんと、岩田さんとの対談記事です。

今回は、前回の記事からさらに掘り下げたい部分をまとめました。私自身、次世代教育プログラム「TEST」の詳細すべてを完璧に把握できているわけではありませんので、これを読んでくれている皆さんと同じ目線で進んでいければいいなと思っています。

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大学生の選考・面接・研修とワークショップの提供について

前回、お聞きしたこの部分。選考やその後のフローについてもう少し詳しくお聞きしたいので、よろしくお願いします。

鈴木

募集は僕やlightful代表の田中のTwitterホームページなどでの告知です。今回、応募人数が多かったのは、やはり「生の学校現場で学びたい」というニーズがあるからなんだなと感じました。

実際に学校に入ることができる機会というのは学生にとってとても魅力的であるということなのではないでしょうか。

面接は、応募してくれた学生をSlackグループに募って、そこから1対1、または運営側2対1での面接を個々にやっていきました。面接内容としては、志望動機やスケジュール等の時間的制約や、今回は埼玉県戸田市ということで距離的制約の確認が主ですね。応募してくれた学生というのは熱意がありみなさんとても魅力的でした。そのため、話してみて信頼できると感じた人、時間と距離の問題がクリアできる人であれば参加をお願いするという形にしました。

なるほど。学生や社会にとってのニーズがあるから応募者も多く、行動に移れている人は熱意のある方が多かったということですね。研修とワークショップについてもお聞かせください。

鈴木

研修とワークショップは僕と岩田さんの二人で行っています。

岩田

事前にいろいろな方のお話をお伺いしたのが講義研修です。例えば、戸ヶ崎教育長のお話を聞いたり、今回担当してくださっている指導主事の新井さんの話を聞いたりするのが研修でした。「教育研修」だと広いので、特に「埼玉県戸田市の学校教育」という点に絞って行っていただきました。

さらにワークショップでは、「学校の先生って何?」というところに焦点を絞って行いました。学校での仕事内容や役割、困っていることや働き方などを元学校の先生に伺いました。

鈴木

このワークショップでは、「TEST」というものが、学校現場について知り、新たな気付きを得ることのできる機会であって欲しいと僕自身思っています。僕たちはワークショップに対して、学生同士、対話等を通じて他の人の教育観に触れる機会を作りたいと考えています。大学では普段関わらない仲間たちと対話を重ねていくことで、今までは考えもしなかった発見があって欲しいと願っています。例えば新しい学びが生まれたり、他の人の話を聞いて気づきを得たり…創発が生まれる体験を作っていきたいと考えています。

研修もワークショップも、教育に関わる人たちとの出会いであり、新しい価値観や考え方、学びをもう一度見直す場所だったんですね。

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大学生が学校に入ったときのサポートについて

次に大学生が学校に入ったときのサポートについて、詳しく教えて下さい。前回、毎週「振り返りのフィードバックやメンタルサポートが運営の役目」と仰っていましたが、具体的にどのようなサポートを学生に対して行っているのかを知りたいです。

岩田

大きく分けて僕らの役割やサポートは、実地のサポートと、間接のサポートの2つがあります。

どういうことかと言うと、実地のサポートは、実際に学校に出向いて、TA生が活動している様子を見たりする言わば仲介業者のようなイメージです。教育実習であれば、大学が仲介してくれます。ボランティアであれば教育委員会に電話するか、母校に出向くなど、本人が直接学校現場の方へ交渉をしにいく必要があると思います。個人でやる場合には勇気がいると思うので、その仲介を僕らがしています。これが実地のサポートです。

間接のサポートというのは、学校での学びや経験に対するフィードバックですね。自分で内省をするにしても、振り返る材料や壁打ちの相手がいないと最初は難しいと思うので。僕らが問い返しなどをして甲乙的な役割で、TA生たちにフィードバックしています。学生さんの日々の学校での様子などを聞いたり、学校の先生の立ち回りを聞いたりして気づきを得てもらうということが間接のサポートとなります。

鈴木

メンタルサポートについては、先程岩田さんが仰っていた間接的なサポート、つまり週1のミーティングとかで、不安や指導などの悩みについて僕たちが提案をするということを行っています。岩田さんがいてくださるときは、学校教員としての経験からアドバイスをしてくださったりもします。学生には、共有した提案やアドバイスを実地で生かしてもらう。その結果についてまたミーティングで話し合い、フィードバックを返す。これは良いサイクルができているなと感じています。

しかも、週1というとても短い期間内での対話が行われているため、とてもTA生たちにとって良いサポートになっていると実感しています。TEST運営として外せないサポート内容の1つです。

岩田

学校に入ったときって、どうしても自分では解決できないけど、学校の先生にも聞けない小さな悩みを結構持って帰ってくるんですよ。学生って。そういうのを、僕達運営も含め年齢が近い人に相談するということで、横のつながりを作り、相談しあうというのもサポートに入ると思いました。

僕は実際に教員経験があるのですが、初任のときにこんなこと聞いて良いのかなって思うような小さな悩みってすごい聞きにくかったんですよね。そういうのをある種の同期として他のTA生や僕たち運営に相談できるってかなり精神的なサポートになっているんじゃないかなと考えています。

鈴木

ベテランの先生方よりも、若い先生方や僕たちのほうが相談しやすいことってありますもんね。

現地に行って様子を見たり、その学校を知ってTESTにどう活かすかを考えること。ミーティングの中で、学生たちに日々の活動について振り返ってもらって、もう一度自分たちの関わり方について深めてもらうこと。短いサイクルで学生たちへ気づきを与え、ステップアップをサポートする。学校の先生に聞きづらい小さな悩みの解決策の提案。これらが学生たちへ行っているサポートだったんですね。

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TESTを実際に行ってみてお二人の感想や意見

実際にTESTを行ってみて、様々な経験や出来事があったかと思います。初めての試みでもあるし、改善点も多く出てきています。その中で、お二人にとってプラスになるような出来事はありましたか?

岩田

「TEST」は学校外の人が入るということで、すごい慎重な学校さんもいます。外部の人間を学校現場に入れるので不安なのは当たり前ですが。最初はサポーターの先生周りだけの仕事だったTA生が、「TEST」を行っていくうちに、教員免許取得予定の科目周りを担当させて貰えたり、TA生の活動を通して学校さんからの信頼を得る事ができた時はとても嬉しかったです。そこに至るまでには相当TA生さんたちの頑張りがあったと思うので、感謝しています。

鈴木

僕のいいなと思っているところは、TA生さんが長期的に「TEST」に関わってくれるので、彼らのステップアップを見たり感じ取れたり、児童や生徒の対応の変化を、教育実習よりも長期的なスパンで見ることができるところがとても魅力的だなと感じています。だから、運営側の僕らも嬉しいんです。

岩田

コロナで無くなってしまったのですが、授業を任されていたTA生もいました。そういうこともあるので、僕らもTA生のことがわかるし、TA生にとっても子どもたちのことをよく知った上で仕事ができるし、丁寧な授業が組み立てられると思います。

教育実習って、学校にもよるけど一定の期間で進むべき授業数や研究授業、提出すべき指導案数が決まっています。僕らは教員免許が発行できるわけではないけれど、決まっていない枠組みの中で、学校に関われるということが、メリットなのではないかなと思いました。

鈴木

僕もいわたつさんもポジティブな印象がほとんどです。親の宝であり、未来を担う子ども達に接するということは、ある程度の責任がTA生達にもあるということを感じてもらわなければいけないなと思っています。

ポジティブに捉えられるということは、それだけ良いサイクルがTESTを通じてできているということですね。

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戸田市の取り組みや「TEST」を通じて、これから学校はどう変わっていくと感じたか

鈴木

僕は、即戦力になる学生を育成できるように、より長期的に学生を受け入れる学校が出てくるかなと感じました。なぜなら、教育実習という短い期間の中でそのまま教員になる学生や、教育実習は教育学部でも2回しかないため、学校や子どもに直に触れる機会が少ない。かつ、教員志望者数が減少してきているという状況を鑑みると、学校側もすぐに仕事ができる人材を欲しているのではないかと考えています。そうすると、この「TEST」の取り組みというのは、長期的に学校や子どもと関わるということができるので、即戦力になる教員という点に親和性を感じています。そこから「TEST」の可能性というものを見出しています。

岩田

僕は2つあると思っています。

1つ目は、先進的な学校というのは、中の先生たちがものすごく頑張っていらっしゃると思っています。例えば、GIGAスクールの一環としてタブレットやChrome bookが配られていますが、それだけ見たらとても素晴らしい、先進的だと第三者は考えるでしょう。しかし、それをどう扱っていくのかという点でそれぞれの学校の先生方はとても工夫と苦労をなされていると思います。

また、ちいさなアイデアで授業が転換することって結構あるんですよ。例えば、iPadのKeynoteっていう付属のアプリでアニメーションをつけたり、図画工作で完成までの動画を編集して授業に使ったり。

今回の「TEST」で外からの光がちょっと入ったみたいに、学校の外の人の小さなアイデアも取り入れる機会が増えるんじゃないかなと思いました。それで学校が変わるかは別として、そういうことがより習慣になっていくんじゃないかなと感じました。

2つ目は、この「TEST」ってすごく面白いなと思っているんですよ。lightful代表でもあり、TA生でもある田中さんは、教員免許取得見込みの無い学生さんです。教員の過程にもいない方なんだけれど、「TEST」のTA生として参加できる。普通教育実習だったら、教員として見込みのある学生や念押しが入る。でもそこをなくす事ができているのが今回の「TEST」だったと思っています。

今は複業先生とかもいるように、他の仕事をしてるんだけど、先生のような体験がしたい・先生として働きたいみたい思いで入ってくる学生さんがいてもいいと思ってて。今回は、教育の学生が中心になって入ってきたけど、将来的には学校というものの専門性に異なるキャリアを目指す「教育に関心のある何者か」が入ってきて、また新しい光になっていけるような取り組みにも繋がるのではないかと思いました。

戸田の学校とエプソンとか、その学校となにか、のようなB to Bの関係はあるんですよね。そこから、B to Cのような顧客、つまり一人一人をつなげるのが今回の「TEST」でした。これからは教育学生以外や学校と地域だけじゃないもっともっと広い世界に繋がっていきそうな感じがしましたね。教員免許取得過程にいなくとも、「学校に関わっている間は全力で力を貸す覚悟があります」という意思を示すことができれば問題ないと私は思うので。学校も教員免許の取得が見込めない人は来るな!みたいなイメージではないということを、理解してほしいです。

鈴木

僕ら運営側は、それが通るように、しっかり下支えしていければいけないなと思います。

岩田

もちろん、誰でもいいわけじゃなくて、今回の田中さんのような教育に関心のある人なら今後の展開が見込めるのではないかなと考えています。

鈴木

そこはちゃんと、採用の段階で運営がしっかり線引きができるよう取り組んでいけたらなと思います。

将来的には教育に関心があり、教育者を目指す方々も参加してくれるようになれば、多様性や様々な価値観が提供できる素晴らしい学校が生まれそうですね。とても楽しみです。

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まとめ

前回「もっと聞きたい!」と感じた部分の深堀りができてスッキリしました。

コーディネーターのお二人のTA生へのサポート内容や、TESTを通じた嬉しい出来事。

さらに、将来的な「TEST」の理想像は、とてもわくわくする内容でした。

この先の教育現場はどのように変化するのか。教育に関わる者として、私自身とても興味があります。

より良い未来を築けるようにみんなで協力していきたいですね!

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教育に関わる全ての人にとって、プラスのサイクルを生み出せる場。

それが、次世代教員養成プログラム「TEST」です。

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未来の先生、児童、生徒、学校現場に関わる
誰もが、いきいきと輝ける未来。
次の世界を、ここにいるみんなで変えに行こう。

私たちは、今ある学校教育の現場を最大限に尊重しながら、そこに新たな光を灯すきっかけを生み出すことが使命だと考えています。

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以上が、今回のnoteになります。

いかがでしたでしょうか。
今回の記事を通して、次世代教員養成プログラム「TEST」に少しでも興味を持ってくださる方が増えたら、我々も嬉しく思います。

また、次世代教員養成プログラム「TEST」では、わたしたちの活動を応援してくださるスポンサー・サポーターの皆さま方の支援と寄付を募っています。

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以上、「TEST」編集部でした!




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