冷コーRADIO Vol.2 「実は名脇役!? 映画やドラマで、アイスコーヒーがある風景は……」
映画の中にコーヒーが登場すると、つい画面に引き込まれてしまう。そんなコーヒーラヴァーは私だけではないはずだ。
『バグダッド・カフェ』の黄色い魔法瓶から注がれる一杯、『ベイビー・ドライバー』で主人公が軽快な足取りで運ぶテイクアウトのカップ、『マイ・ブルーベリー・ナイツ』でヒロインの失恋を癒すブルーベリーパイと熱々のコーヒー……。
数々の名作で、コーヒーは主人公の傍らに存在し、彼らの心の内を映し出す鏡のような役割を果たしている。時には、物語の展開を大きく動かすきっかけにもなる。
欧米では、日本のようにアイスコーヒーが日常的に飲まれることはない。そのため、映画にアイスコーヒーが登場する数は、ホットコーヒーに比べると圧倒的に少ない。しかし意外なことに、誰もが知る名作の中に、アイスコーヒーを見つけることができる。
1953年の『ローマの休日』だ。オードリー・ヘプバーン演じるアン王女の相手役、グレゴリー・ペック演じるジョーがカフェで注文する「コールドコーヒー」は、私たちがイメージするような氷たっぷりのアイスコーヒーとは少し違う。ホットコーヒーを冷ましただけのもので、白いソーサーの上に載った小ぶりなグラスに注がれている。
オープンテラスでシャンパンを飲んだり、初めてタバコを吸ったりと、無邪気なアンの姿とは対照的に、ジョーのコールドコーヒーはどこか大人で落ち着いた印象。シャンパンとコールドコーヒーは、二人のまだぎこちない距離感を表しているようにも思える。
アイスコーヒーをめぐる文化的な背景もあり、欧米作品でアイスコーヒーが登場する機会は多くない。コーヒーが出てくるだけで気分は高揚するが、アイスコーヒー好きとしては少し寂しい。しかし、「コーヒー=アイスコーヒー」と言えるくらい、頻繁にアイスコーヒーが画面に登場する世界がある。韓国ドラマだ。