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毎日のごはんの準備をなくすとみんな幸せ

毎日の食事の支度はとても重労働です。

『今夜は何を作ろうか』『栄養のある食事にしたい』など料理を作る前から『考える家事』があり、ここから既に食事の支度が始まっています。
子育て中のご家庭では事態が更に深刻化します。(少し大げさな表現ですが)

小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、数時間おきの授乳やオムツの交換、お風呂に入れたり、ご飯を食べさせたり体調が悪く熱を出して病院に駆け込むこともあるでしょう。

夜になると寝かしつけて、ようやく寝たと思ったら夜泣きで起きてまた寝かしつけ。睡眠も十分に取れず大変な思いをされていることかと思います。

そんな中で毎日献立を考え、買い出しに行き、重たい食材を持って帰り、適材適所にまずは片付けて、それから調理して配膳してお子さんに食べさせて、残りものを冷蔵庫に片付けてから大量の洗い物。

これを毎日実行されているお母さん、お父さんは本当に大変だと思います。
(実は私もサービス立ち上げ当初(2022年時点)、0才児と1才児の子育て真っ最中です。)

ある時ふと思いました。

「そもそも、毎日ご飯作らないといけないのだろうか?」
「時間や気持ちに余裕がある時にまとめて作ればいいのではないか?」

まとめて何品もおかずを作っておくには時間もかかるし体力も気力も必要です。仕事が休みの日は保育園や学校も休みになり小さなお子さんが家にいるため料理する時間がなかなか取れない。

そこで考えました。

「お惣菜をまとめて作り、多くのご家庭に届けられないだろうか?」
「すぐ食べられるおかずがいつも冷蔵庫にあると喜ばれるのではないか?」

同時に課題も思い当たりました。

「何日も日持ちするお惣菜は作れるのか?」
「そもそも作り置きしたお惣菜は美味しいのか?」
「衛生的に問題ないのか?味は変わらないのか?」

ここから調査がはじまりました。

保存料などを使わずに美味しさを保ち、お惣菜を日持ちさせる方法はないだろうか・・・

これがありました。

1968年にスウェーデンの国立病院で開発され、その後フランスの病院・老人ホームで使用されるようになりイギリスの保健省が衛生・安全面のガイドラインで「料理は90分以内に芯温3℃以下まで冷却する。賞味期限は生産と消費を含めて5日間とする」と制定された 「クックチルシステム」という手法です。クックチルは「料理(Cook) + 冷やす(Chill)」という2つの単語を合わせた言葉です。

クックチルは栄養管理のスタッフが食品保存にもっとも適した温度帯(マイナス1℃)を発見したところから始まります。その後、ドイツでスチームコンベクションオーブンが開発され、ブラストチラーという急速冷却機を用いたブラストチラー方式のクックチルシステムが生まれたと言われています。

クックチルは日本国内でも学校給食、病院や福祉施設などで多く導入されています。冷却したお惣菜を冷蔵の状態のままお客様のお宅までお届けし、冷蔵庫で保管して頂き、喫食時にレンジで温めていただく。そうすれば、数日分のお惣菜の中からその日食べたいものを選ぶこともできますし、翌日のお弁当のおかずにもご利用頂くことができます。

この方法であれば、保存料や添加物などを使うことなく最大5日分のお惣菜をまとめてお届けできます。美味しさに関しては、調理後すぐに冷却することで香りや風味が飛びにくく、美味しさが閉じ込められて美味しくなるいった特徴もあります。

調理したての料理はいい香りがして、美味しそうに湯気が立ち上って見ているだけで食欲をそそるものですがあれは香りや水分が料理の中から外へ「逃げている」のです。ここを逃さないようにクックチルの仕組みを使って料理の中に閉じ込めます。

私たちはクックチルを使ったお惣菜を各ご家庭までお届けし、「毎日のごはんの準備」という重労働から一人でも多くの方を解放したいと思っています。この重労働から解放されたら気持ちや時間のゆとりが生まれ、その分お子さんやご家族と大切な時間を過ごしていただけたらと思っています。

働くお母さんやお父さんが「毎日のごはんの準備」から解放されるとお子さんにも優しくなれてほんの少しみんなが幸せになれる気がします。

手料理ストック 松竹延浩