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『ぺこぱのネタ』をチームビルディング的視点で分析してみた

私は『ぺこぱ』が好きだ。年末恒例の漫才コンクール『M-1グランプリ2019』で決勝進出を果たした2人組のお笑い芸人。もう、とにかく私はこのぺこぱが大好き(2回目)。何が好きかって、純粋に面白い。そしてボケを全てチームビルディングで大切な要素もりもりで返している・・・というわけで、今日はぺこぱのネタをぺこぱ先生に尊敬の念を持って『チームビルディング的視点』で分析してみたいと思う。

事前情報


これからぺこぱ先生のネタを部分的に丁寧に文字起こししながら、何がどうチームビルディングと関係してくるのか、そして何がチームビルディングで大切なことなのかを解説していきます(芸人さん泣かせですみません、先生)。なので、もしネタバレを避けたい方は先にyoutubeなどで『ぺこぱ m−1』で見るなどしてください。と、その前にぺこぱ先生の紹介を。

ボケ:シュウペイ        
 180cm、70Kg、黒の上下スーツに蝶ネクタイ
 特技 :パーティーに行く、盛り上げる
 見た目:陽気な優しいお兄さん

ツッコまないツッコミ:松陰寺太勇(しょういんじ たいゆう)
 170cm、70Kg、紫色の上下スーツに黒のシャツ(ノーネクタイ)
 特技 :曲づくり
 見た目:ちょっとビジュアル系っぽいメイクと髪型で、いい人そう

・ぺこぱの特徴
 ツッコミがつっこまない

・取りあげるネタ:タクシー運転手のやつ
 タクシー運転手:シュウペイ
 お客さん   :しょういんじ
※「突然なんだけどさぁ、俺タクシー運転手やってみたいなと思って」と言ってネタが始まる。

もっと詳しく知りたいという方はこちらから。


その①人の違いを受け入れる


チームビルディングに必要な3つの要素として、『人x仕組みx関係性』が大切なんですということは以前こちらのnoteでも少し触れましたが、まさに『人の違いを受け入れる』ってこういうことだなぁと思ったのがこちら。

松「運転手さん、新宿駅までお願いします」
シ「かしこまりましたぁ。ちなみになんですけど、新宿駅ってなんですか?」
松「いや、知らねぇ―んだったら教えてあげよう。そうだろう。知識は水だ。独占してはいけない。」

→タクシー運転手は神ではない。知らない人だっているよね。知らないなら知っている人が教えたらよいのだ。

シ「あの、お客さん、お客さんってなんなんですか?」
松「なんなんですか?いやあの、なんなんですかって、あっぼく一応芸人やってます」
シ「へぇー芸人さんなんですね。野菜のナスかと思いました」
松「いや、ナスじゃねぇとは言えない色合いだ。激しいヘタも付いている」(紫の上下スーツに黒のシャツ)

→人は見たいように世界を見ている。この人はナスに見えているという事実。その人の考えを否定せず、まず受け入れることが大切。そして、そう見えているのかもしれないと、相手の視点に立ってみる。もしそうかもしれないなと思ったら素直に思ったことをいう。


シ「うわぁ!キキーっ」
松「びっくりした、どうしたんですか!」
シ「休憩です」
松「いやさっきとった休憩は短かった。そうだろう。日本人は真面目で勤勉だけど、休憩をとらなさすぎだ。だから他の先進国に比べて労働生産性が低いんじゃないのか。働き方改革って、法律でどうこうできる問題なのか。なぁお前はどう思う」
シ「うるさいなぁ」
松「お前よりはうるさい」


→うるさいなぁと言われたら誰だって反撃するようなことを言ってしまいそうになる。「おや、待てよ?うるさいのか?おれ」と、俯瞰して物事を捉えることはとても大切(難しいけど)。「いつもやっているから」などと言って、思考停止にならずに「そもそも」を問える力も答えのない時代と言われる現代には非常に大切になってくる。

その②相手を変えることはできない、変えられるのは自分だけ

チームにおいて、人間関係って大事ですよね。離職の主な原因のほとんどが人間関係にあるとも言われています。人間関係の背後にある2つの心理学として、『初めての選択理論 人間関係をしなやかにするたったひとつのルール 渡辺奈都子著』に書かれているのが、外的コントロール心理学と選択理論心理学。どういうものかというと

◆外的コントロール心理学
・人を自分の期待通りにコントロールしようとする考え方 p.29
・人は外側の刺激でコントロールする 以下p.229
・私は、相手をコントロールできるし、自分も相手にコントロールされてしまう
・私は正しいことを知っている。だから間違っている相手を正してあげなくてはならない

◆選択理論心理学
・人は自分の行動しかコントロールすることはできない p.31
・自分が相手にしたり行ったりすることは、数ある情報のひとつに過ぎず、それに対して、どんな行動や態度を選択するのかは相手次第である p.32
・人は内側から動機づけられている 以下、p229
・私は相手はコントロールできない。コントロールできるのは自分だけ。
・私たちの欲求はそれぞれ異なる。だから歩み寄って調整を図ることが重要になる


で、選択理論の考え方のように『相手を変えることはできない、変えられるのは自分だけ』を感じたのはこちら。

シ「どうもーペコパのシュウペイでーす」と言ってしょういんじの目の前に出てかぶる
松「いや、かぶってるなら俺がよければいい」

→シュウペイはどうしても松陰寺の前に出て自己紹介したかったのだ。変えられるのは自分だとすると、自分がシュウペイの後ろで自己紹介したくないのであれば、何ができるのか。自分が移動することなのである。


シ「ぶぅーん、どぉーん!」といってしょういんじにタクシーがぶつかる
松「いってぇな、ってどこ見て運転してんだよって言えている時点で無事でよかった。そうだろう、無事であることが何より大切なんだ」
シ「ぶぅーん、どーん!」といってしょういんじにタクシーがぶつかる(2回目)
松「いや、2回もぶつかるってことは俺が車道側に立っていたのかもしれない。もう誰かのせいにするのはやめにしよう」

 
→相手を変えることはできない、変えられるのは自分だけ。ネタでもはっきりと松陰寺先生はおっしゃっております。


ツッコまないツッコミトレーニングのススメ


こんな研修はどうだろう。漫才のネタを文字起こしする。問題文はこんな感じ。

Q,今からこのボケに対して『人の違いを受け入れる』『相手を変えることはできない、変えられるのは自分だけ』(選択理論心理学)を意識して、ツッコまないツッコミを記入してください。

この問題を解けることができれば、人の違いを活かす強いチームになりそうな気がしてならない。

ぺこぱ先生、ありがとうございました。

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ちなみに、このまえ1時間半格闘して書けなかったのはこのnoteでした笑



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