白狐を助けた安倍保名
安倍晴明の母親は白狐だったと言われます。
この話が有名になったのは1674年の古浄瑠璃の『しのたづまりぎつね』によるものでしょう。
晴明の父、保名が悪右衛門から狐を救うのですが、その狐は女性に化けて、保名の妻となり、男子を産みました。
しかし、その男子に狐の姿を見られてしまい、信田の森に泣く泣く帰っていくのです。
その男子は父とともに、去った狐の母を探しました。
そして、森を彷徨ったところで、母の狐が現れ、霊力を授けたのです。
その後は天皇の病気を治癒して五位に叙されるなど頭角を表します。
そして、彼は晴明という名をもらうのです。
悪右衛門の兄というのが芦屋道満です。
芦屋道満は一条大橋で保名を殺害しますが、晴明は奇跡の祈祷により父親を蘇生させるのです。
そんな浄瑠璃でありますが、この元ネタは簠簋抄ですから、1600年頃の話です。
晴明の母親が白狐という話はそれほど古い時代から伝わっていたということなのでしょう。
見えない世界というのは古い時代から長い年月をかけて醸成されてきたものです。
それだけに多くのところからある情報を知っていかなければなりません。
とても長い道のりですが、見えない世界というものを知ることで見え方は変わってきます。
皆さまも一緒に頑張りましょう。
これからも良い記事を書いていきます。