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Xデーに失明する男のイマココ

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進行性の視覚障害があるため、いつか失明するという中で生活している僕の日々を綴っています。
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2022年9月の記事一覧

障害受容なんてありえない

障害受容という言葉がどうも好きになれない。好きになる必要もないけれど、この言葉を需要できない。

瞬間的にイラッとして白状を自ら追ってしまったことが何度かある。最後にやってしまったのは5年くらい前だろうか。あれほどむなしいものはない。たとえ折れてしまっても、それがないと歩けない。折れてしまったのではなく、追ってしまった杖で歩かなければならない。思い出したくもない。

人は何かを受容するということを

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なんでも倍速にすればいいってもんじゃない

僕は、休憩時間とか家事をするときとか、寝る前の時間とかに好きなコンテンツを耳で楽しんでいる。例えば、オードリーのオールナイトニッポンとか、ほぼ日の学校とか、松本人志の酒のつまみになる話とか。あと、オーディオブックを色々と。

視覚障害者の使うiPhoneやパソコンの画面読み上げの速度は早い。僕の場合も類にもれない。健常者からすると早くて聞き取れないと言われる。でも、当人から吸うと遅くするとたるくて

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どうしよう...読み上げ音声を聞くことに飽きてしまった

目が見えなくても、iPhoneにもパソコンにも音声読み上げ機能がある。だから、記事を読めるし、アプリの操作もできるし、こうして文章も書ける。耳が目の代わりになってくれる。

仕事も調べ物も読み上げ音声で成り立っている。読書は、購入したオーディオブックもあれば、ボランティアによる朗読図書もある。家事をしながら、読書をしたり、YouTubeを聞き流したりする。それが当たり前で、僕の日常。二倍速の音声で

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月光浴

月がきれいですね。一昨日、昨日、今日と、夜に月を眺めています。僕の目にはぼやけて見えています。形はよくわかりません。だんだんと満月に近づいているところのようですね。外灯のように明るく見えます。

見ていて心が癒やされるとは簡単に言えない。でも、なんだか気持ちいいなと感じます。何かを浴びている感じがします。

こんなとき、時間の感覚があいまいになります。今この瞬間がすごく深井谷のように感じるときがあ

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背伸びをしないでやってみる

ありのままという言葉がぴったりくるのは赤ちゃんだけだと思う。ありのままで生きる!なんてことは僕にはできないけれど、背伸びをしないってことだったら少しはできそうな気がする。
よく読まれる文章は、面白いかためになるかのどちらかだ。でも、最初からそれを狙って書こうとすると、自分から自分への厳しいフィードバックにさらされた挙げ句、何もかけないでその日が終わってしまうなんてことがよくある。
今はひとり一人に

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