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2年前の君に伝えたい。「君が決めた道を信じていい」

5月。
エール生たちも新しい学年へと進級し、
エールの教室もひと段落しています。(定期テストあるけど・・・)

進級、、、といえば、
人生分け目(大袈裟?)の進級が、
高校2年生の「文理選択」です。


エールの高2生は全員が理系を選択。

今回は、そのうちの1人のお話です。

彼は、偏差値65くらいの私立高校に通っており、
選抜コースで入学したので、さらに上の偏差値67くらい。

「歩く日本史」と呼びたいほど、
日本史が得意ですが、希望は「理系」。

高校受験期は数学が足を引っ張っていたので、
理系選択できるようになっただけでもすごい成長ですが、

なんと、
選抜コースでも最上位の
『医師や薬剤師をめざす難関コース』に進級したというんです!

『すごいね』と賞賛する教室のみんな。
キミの実力なら、そのコースも当然だね。

と、認められる中で、

私は、今の彼があるのは、
大学生の学習アドバイザーがずっと信じてくれたからだ、と
2年前のことを思い出します。





彼は、中3の夏に入塾してきました。

お父様からの電話で
「やる気がない」「どうにかならないでしょうか」と
入塾を申し込まれましたが、

はじめて会った時の彼は無表情で、
私たちが話しかけても、何の反応もなく、
付き添いのお母さんも背中を丸めて俯いていました。

そんな彼が
一言だけ話したのは、志望校を聞いた時でした。

県外にある名高い難関校の名を、ポツリと口にしたのです。


「え?」

私たちは思いました。

今からじゃ無理でしょ・・・と。


彼の学校の成績は中くらい。
特に数学が足を引っ張っていました。
難関校合格はもとより、まずは少しでも成績を伸ばした方がいい。
基礎からやり直した方がいいとアドバイスしました。

ところが、
彼はこちらが薦めた問題集ではなく、
いつも教室にある難解な問題集に手を出すのです。
そして、彼が書いた目標設定用紙には
「両親に認められたい」という思いが言葉にあふれていました。


このままでは成績は伸びない。

スタッフがそう思う中、
1人の学習アドバイザー(大学生)が
彼に応えたのです。


「○○高校をめざすんだろ」
「このくらい解けて当然だろ」


と、
今の成績に囚われることなく、
彼が望む未来に標準を当て、難関問題に挑戦させたのです。

教室では
彼と学習アドバイザーが
問題を解き合う声が響くようになりました。

暗かった彼の表情も明るくなり、
スタッフとの日常会話も増えました。


学校の成績だけを見れば、
無謀と言える志望校。

それまで、彼の希望に、
真剣に耳を傾けてくれた人はいなかったかもしれません。

志望校に向かって
誰にも否定されず、
むしろ「そこが君の行くべき道だ」と
叱咤激励されながら挑戦する彼は楽しそうでした。


しかし、塾経営者の私は、そんな様子を見ながらも、
「受かる高校を」と提案すべきか、一瞬、迷ったこともありました。



その迷いを一掃したのは、
彼に寄り添っていた学習アドバイザーの一言だったのです。


それは、11月頃のことでした。
彼が入塾して3ヶ月。そろそろ私立の受験校を決める頃です。

エールの授業が終わると「お話がある」と、
彼のお母さんが教室に入ってきました。

私は小さめの教室に通し、
担当している大学生の学習アドバイザーに
「一緒に話を聞いて」と同席させました。


お母さんは開口一番、こう言いました。

もう少し、難易度の低い問題を解かせて、
もっと基礎学力を高めた方がいいのでは。
と。


難関校を受験するのは悪くない(記念受験でいい)。
受かる高校のために勉強すべきじゃないか。
学校の成績を見ると、基礎学力が足りていないと思う。

と、こんな感じでした。


お母さんの言葉を上手に引き出す私の隣で、
学習アドバイザーは言いました。

「僕は、彼に基礎学力がないとは思いません。
 基礎問題を解かせたら、正解不正解を問うだけで、
 勉強にはならない」

「まだ11月です。
 学校の先生は〝今の〟学力で判断するかもしれなけれど、
 受験まで、あと3ヶ月あります。
 僕は、彼はまだ伸びると思っています」

大学生が、
大人を目の前にして、
これだけはっきりと答えたんです。

そして、
それでも心配そうにするお母さんに対して、
最後にこう言いました。

「もしも、今、受かる高校のための勉強に変えたら、
 彼の受験は、今ここで、終わります。
 それでもいいんですか」


・・・と。


お母さんは
その言葉を聞いて姿勢を正しました。

そして
「わかりました。ありがとうございます。
 先生にお任せします」と深くお辞儀をして、帰っていきました。


私の出番はまったくありませんでした(笑


次の日からも、
学習アドバイザーは、
彼につきっきりで数学の問題を解き合いました。


私立の受験校を決める時、
志望校をそのまま学校に伝えると、
「真面目にやれ!」と叱られたそうです。
そして、絶対に受かる偏差値50以下の高校を勧められました。

またお母さんから連絡がありました。

「学校の先生に志望校を却下されて落ち込んでいる。
 励ましてあげて欲しい」

その一方でお母さんは、
学校にも連絡を取り、先生に
「志望校を受験させて欲しい」と懇願していました。


お母さんも
「受かる高校ではなく、
 行きたい高校に最後まで挑ませてあげたい」

という気持ちになって、

彼を本気で信じて、動いてくれたんです。
お母さんは本当に頼もしく、
私たちを信じてくださったことに今でも感謝しています。


そして、受験本番。
彼は第一志望の県外の難関校と
名古屋市の難関男子校の2校を含めた、4校を受験。

結果は、残念ながら志望校には届かず、
難関男子校も不合格でしたが、
残り2校は合格。
しかも2校とも「選抜コース」での合格でした。





あれから、2年。
今、彼は高校受験で行きたかった京都へ、
大学でその望みを叶えるために、
再び挑戦しています。

今回の文理選択で、
最難関コースに進学できたので、
着実にその一歩を歩んでいると思います。

京都に行くことになっても
エールの先生になって
オンラインで指導してね。

というと、照れ臭そうに笑います。

彼にはもう、
入塾当時の暗い表情はなく、
ご両親との関係も良好です。





大学生の学習アドバイザーが
あの時、彼を信じてくれたこと。

エールを卒業しても、
指導者となって戻ってくれること。


そこには、エールの教室理念があります。

「みんなでめざす、みんなで叶える」


ありがたいことに
大学生にも、彼にも、
理念浸透ができていたからこそ、

奇跡的な成長があったのだと思います。


彼のような子はエールにはたくさんいます(笑

そんな子たちの成長を、誰よりも信じているのが、
エールの真骨頂であり、
私たちに唯一できることなのだと思っています。


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