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「老い」について

高校生のときによく聴いてたアーティストが先日、テレビに出ていた。
当時の姿しか知らなかった僕は、テレビ画面のその姿を見て時間の流れを痛感した。

顔面に刻まれたシワを見て、老けたなぁ、と思ったけれど、その言葉が丸ごと自分に返ってくる。

テレビ画面の彼は、当時と同じかそれ以上の熱量で動き、その喉から飛び出すメッセージは僕に鋭く突き刺さる。

変わってねぇな、と思ったけれど、変わってるんだよな。
変わり続けているからこそ、そのままでいられる。
変わってないのは僕の方だ。

変われ変えろ、変わりたい変えたい、よく聞くし、僕もかつて強烈にそう思ったこともあるけれど、それだけの熱量は今はない。
できることなら変わらないでいたい。つまり変化が怖い。

老けたなぁ、と思う。

いつも通りの毎日がつまらないと、スーツとネクタイをバカにしていた僕は、毎日同じ時間に起き、毎日同じ時間の電車に乗り、毎日同じ場所へ通勤している。

けれど不思議と不満足感はなくて、この毎日が愛おしいと思える。
毎日いつも通りだけれど、妻がいて家族がいて友人がいて、それがいつも通りならば、こんな幸せなことはないと思える。

改めて、老けたなぁ、と思う。

テレビ画面の彼のように、僕の人生にもかっこいいシワを刻んでいきたいと思う。

いただいたサポートは楽器関係、創作活動に使います。決してアルコールには使いません。でもアルコールが音楽や文章に必要と判断される場合はその一滴を力に変えます。よろしくお願いします。