「イルミネーションと父」について
いわゆる婿入り道具なのかもしれない。
僕が生まれたときからずっとあるクリスマスツリー。
枝もボロボロだし、オーナメントもボロボロ。
でも、イルミネーションだけはキラキラしてる。
なぜかというと。
父が買ってくれたからだ。
なんでかはわからない。
大阪で一人暮らしをしていた数年前のクリスマス前。
「ビカビカの方がえぇじゃろう。こうちゃるわ。」と、近くのホームセンターで買ってくれたLEDイルミネーション。
母と父と僕の3人で、部屋の電気を消し、小さなクリスマスツリーに似合わない明るいイルミネーション具合に笑ったのを思い出す。
父は、覚えているだろうか。
脳梗塞で倒れてから8年。
会うたびに弱っていく。
弱くなっていく。
そんなに小さかったかな。
そんなに細かったかな。
そんなに震えてたかな。
そんなに悲しそうな顔してたかな。
親孝行はできたかな。
恩返しはできたかな。
感謝は伝えられたかな。
もうすぐ僕が生まれた時の父の年齢を迎える。
その偉大さに改めて気づく。
今年も相変わらずキラキラと輝くクリスマスツリーに、願う。
お願い、長生きして。
孫の顔、見せたいんよ。
いただいたサポートは楽器関係、創作活動に使います。決してアルコールには使いません。でもアルコールが音楽や文章に必要と判断される場合はその一滴を力に変えます。よろしくお願いします。