PureBlue&PalePink; アグネス・マーティンとロゼワイン
淡いピンクとスキッとした青の組み合わせは、ほんとうに美しい。
アート&ワインラバーであり、デザイナーの私が最近ひとり楽しんでいる、「お部屋美術館」。
それも、YouTube の無料公開美術館ではなく、かなりアナログなものです。
今夜はAgnes Martin にきていただくことにしました。アグネス・マーティンはカナダ生まれの画家で、その後アメリカに移住し、(本人は「抽象画」と呼んでいますが)一般的にはミニマリズムに括られます。
彼女についてはあまり聞きなれない方も多いかと思いますが、作品はどこかで見ているかもしれません。
&Premiumに連載されている記事にも、彼女を発見しました。
ちなみにこの記事を書かれた方とは、過去たまにお話させていただく機会があったのですが、非常に情熱的で、良い意味で「私的な美術論」というのでしょうか、そんな文章を書かれる方です。
さて、私は彼女の、どこまでも静かで精神性にあふれた作品を見ていると、何かあたたかい、自分の中にある光を感じます。
この夜、画集をパラパラとめくった中でふと目に留まったのがこのページ。
左:Grey Stone (1961), 右:Night sea(1963).
右側、じっと眺めていると、中央に近い線はくっきりと、四方の線は青に飲まれているように見えてきます。
これが印刷(画像)のせいなのか、実際もそうなのかはわかりませんが、ほんとうに水面がたゆたっているようなかすかなリズムを感じます。
実際のサイズは183cm 四方もあります。仮に中央と周辺で差異がなかったとしても、目の前にして完璧に計算されたこの全画面を、きっと均等には受け止められていないでしょう。
この作品を見ながら、Bio c' Bonで買ってきた、驚くほどリーズナブルな淡い色のオーガニックロゼワイン(チリ)を飲んでいました。その優しい色合いからは想像できないほど、豊かな香り。
花の香り芳しく、フルーティ。広がる香りも、あわあわとした色合いも、豊かな酸味がキュッと引き締めています。
ぶどう品種はシラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ。
抜け目ないというか、がっしりした組み合わせに思えますが、この爽やかさはどこから来るのでしょう...。
淡いピンクとスキッとした青。美しいものは、共鳴するものです。
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