#1511 デジタルツールは「ワークシート」ではない
GIGAスクール構想下の授業においては、デジタルツールが使われることが多い。
それは従来までに「紙のワークシート」であったものが、デジタルツールに置き換わったようなものである。
従来は教師が、「ワークシートを配るので、ここに自分の考えを書きましょう」と指示していた。
しかし今では、「このデジタルツールを使うので、ここに自分の考えを書きましょう」と指示するようになった。
変わったのは、自分の考えを記入する場所だけである。
これでは、GIGAスクール構想の「本質」をはき違えていることになる。
ワークシートをデジタルツールに変換するだけではダメなのだ。
ではどうすればよいのか?
1 現在進行形共有を活用する
紙のワークシートとデジタルツールの本質的な違いは、中身を共有・相互参照できるかどうかである。
したがって、デジタルツールを授業で活用するのであれば、子ども同士が互いの考えを共有・相互参照できるようにすることが必要となる。
現在進行形共有を活用し、互いの活動プロセスを参考にしながら、学びを広げたり深めたりしていく。
それがGIGAスクール構想の本質である。
子どもが考えを記入する場所が、紙ではなくデジタル空間になったわけなので、その意味・本質を意識して授業を構想しなければならないのだ。
2 ツールを子どもが選択する
紙のワークシートからデジタルツールに変換したとしても、その活用を強制したのであれば、それは従来までの授業の構造と変わりがない。
教師が意図的にそのデジタルツールの活用を強制しているのであれば、そこに子どもの主体性は存在しないのである。
紙のワークシートを使っていることと同じ構造なのである。
そうではなく、「どのツールを使えばよいのか」「目の前の目標を達成するためのツールはどれか」「課題解決に適したツールはどれか」と子どもが思考する必要があるのだ。
そして子どもが自分に最適なツールを選択し、活用することが重要なのである。
そのためには、活用できるツールの種類を示し、それらの活用を一通り体験させ、最適なものを選択できる力を身に付けさせることが求められる。
そうすれば「教師がデジタルツールの活用を強制すること」から「子どもがツールの活用を選択すること」に構造が変換するのである。
以上、デジタルツールの活用を考えるときに必要なことを2点紹介した。
このことを念頭に置き、デジタルツールの活用を授業構想に取り入れていきたい。
では。
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