#182 EBPM
最近、EBPMという言葉をよく目にする。
「エビデンスに基づく教育立案」というものである。
簡単に言うと、「教育立案をするときは、自分の経験則や思いつきだけでなく、データやエビデンスに基づいていなければならない」ということである。
それは一理ある。
なぜなら教育は不特定多数の子どもに影響を及ぼし、将来の人材を育てる分野であり、失敗は許されないからである。
そのためには、有効に働くことが立証されたデータやエビデンスが必要になる。
しかし、である。
「教育」という分野は「人」から「人」への働きかけであるため、データに反映されない様々な要因が介在している。
例えば、子どもたちの地域性であったり、教師の性格や人柄など。
ありとあらゆる人間に関する要素が「教育」には介在しているため、1つの成功例をとっても、本当にそれが有効なのかは偶然である場合がある。
たまたまその地域の子どもが対象で、その教師の行う教育活動が成功しただけであって、他の子どもや教師の場合にも有効かどうかは分からない。
科学や医学と違って、教育は「人間」が介在するため、データやエビデンスがどこまで信頼性があるのかは分からないのである。
そこで教師に求められるのは、様々な事例・データを集め、教育の「原理原則」を導き出すことである。
「原理原則」なら、どんな子どもにも通用し、どんな教師でも生かすことができるのである。
しかし、それを見つけるのは大変である。
上の記事でも書いたように、たくさん学ばなければならない。
データ・エビデンスに基づく教育立案は重要なことである。
ただ、それだけを追究しても頭でっかちになってしまう。
教師はたくさんの本、実践、同僚から学び、自分で教育の「原理原則」を導き出していかなければならない。
そうすれば、データやエビデンスにも負けない、最強の教育実践を進めていくことができるのである。
では。
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