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#304 暗記・発表中心の英語授業からの脱却

英語のやり取りを指導する際、AとBのモデル会話を示し、子どもにも対話をさせることがある。

しかしこの指導だと、AとBの対話の順番が決まっているので、子どもはただ順番と英語表現を暗記することになってしまう。

これは、実際の対話では不自然である。

人と人が対話をする際、対話の順番や使う表現など決まっていない。

その場の文脈や相手の発話内容により、即興的にやり取りをするはずである。

つまり「考えながら話す」はずである。

しかし、冒頭で述べたようなやり取りを指導すると、「考えながら話す」のではなく、「暗記したものを話す」ことになってしまう。

これでは、子どもの「思考力・判断力・表現力」を培うことはできない。

「AとBの話す順番が決まっているモデル対話」を提示してはいけないのである。

ではどうするか。

まずは、定着すべき英語表現を繰り返し使わせる必要がある。

十分に聞いて慣れ親しんだ英語表現を、ゲーム的な活動を通して、話すようにさせる。

それを繰り返すことで、自然に口から出せるようにする。

そして、スモールトークを繰り返す。

スモールトークでは、モデル文を提示することはせず、即興性を大切にさせる。

そして「言いたいけど言えなかった表現」を中間評価として、全体で確認する。

その際、教師から英語表現をすぐに教えずに、子どもたちに考えさせるようにする。

これが既習表現の想起につながる。

そしてその表現を意識して使えるように、2回目のスモールトークをするのだ。

この繰り返しである。

繰り返すことで、徐々に「考えながら話す」能力が身についていく。

これは、暗記中心の英語授業では得られない力である。

ぜひ即興的に「考えながら話す」場を設定していきたい。

その繰り返しでしか、英語での自然な対話ができる子どもは育たないのである。

では。

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