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暗記法の本質


記憶術って受験に応用効かなくない??

世の中には「記憶力世界一が教える最強の記憶術」系の書籍やコンテンツがたくさんある。それ系の超定番の記憶術が「場所法」だ。

場所法を知らない人のために解説すると、場所法っていうのは、親しみのある場所(たとえば自分の家や通学路など)に情報を「配置」していくことで記憶していくという記憶術のことだ。

各場所は、記憶したい情報の「カギ」となるイメージに結びつけられる。これらのイメージは、できるだけ鮮やかでユニーク、時には奇抜あるいは感情的なものであるほど、記憶に残りやすくなると言われる。

場所法を用いた記憶の例を挙げる。仮に、日常の買い物リストを記憶したいとする。そのリストには次のような品目が含まれているとする。

  1. 牛乳

  2. トマト

  3. パン

  4. バナナ

これらを記憶するための場所法のステップは以下の通り。

  1. 場所の選択: 自宅の部屋を選ぶ。

  2. 順路の決定: 入り口から始めて、リビング、キッチン、ダイニング、寝室の順に進むことにする。

  3. イメージの作成:たとえばこんな感じ:

  • 入り口: 巨大な牛がリビングに入ろうとしていて、ドアが小さくて入れません。牛乳を滴らせながらモーモーと鳴いている。

  • リビング: ソファの上に巨大なトマトが転がっていて、座るたびにトマトソースが噴出する。

  • キッチン: オーブンから出てくるパンが膨らんで、キッチン全体をパンで埋め尽くしている光景。

  • ダイニング: 卓上に置かれた皿の上で、卵が跳ねていて、ダンスをしているかのよう。

  • 寝室: ベッドの上でバナナが枕になっており、その柔らかさに頬ずりしている。

うん。たしかに覚えられるかもしれない。

でも、これって覚えることがかなり膨大な受験勉強とか資格勉強に使えるか?この強烈なイメージを世界史の教科書全部に使うことができるか?

この記憶術を間に受けて世界史の暗記をしようと思ったら、君の頭の中の家や通学路が、突飛なイメージに覆われたヤベェ偉人で大混雑のぐちゃぐちゃ渋谷ハロウィン状態にならないか?

受験勉強で頭の中こんなのにしたくない図

記憶力の大会みたいな、意味内容を大して持たないどうでもいい内容を短期的に大量に覚えるのには「場所法」は適していると思う。

しかし、体系だって理解を伴いつつ覚えた上で、それらの知識を活用しなければならない受験勉強では「場所法」は無力だと言える。こんなんほとんど大道芸だろ。

ぼくは記憶術系の達人ではないただの凡人なので、ひょっとすると受験勉強でも使える上手いやり方があるのかもしれないが、それは記憶術の達人に聞いてくれ。僕は僕が本質だと思う暗記法について書く。

勉強系の書籍やブログでよく聞く暗記法

よく見る受験勉強に使える暗記法を列挙すると以下のとおり。

  • 書いて覚える

  • 声に出して覚える

  • 絵にして覚える

  • 人に説明する

  • 赤シートを使って覚える

  • 小テストを解いて復習

  • エビングハウスの忘却曲線に従って復習

書いて覚えるのは無駄だとか、なんだとかあーだこーだいつも議論が巻き起こっている。

正直これらは暗記の本質を突いたものではない。

世の中のいろいろな暗記法はある本質を達成するために、さまざまに形を変えたものにすぎない。

したがって、上記に列挙したような個別の暗記法については、人それぞれ合う合わないが出てくる。ゆえにあちこちでその有効性の議論が起き続ける。

本質さえ押さえれば、あとはそれを自分の生活習慣や、癖に合わせてチューンナップすればよい。

暗記の本質とは何か?

僕の思う暗記の本質に辿り着くまでに時間がかかったが、さっそく紹介しようと思う。

暗記の本質とは……

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