【監査ガチ勢向け:検査受け方講座 中編】検査に当たった! 何を準備する?
「次の検査の対象にします」という通知。「よりにもよって、このタイミングであのクライアントを当てるか…」と意気消沈。いや、がっかりしている暇はありません。早速準備に取りかかりましょう。
監査法人で30年強、うち17年をパートナーとして勤めた「てりたま」です。
このnoteを開いていただき、ありがとうございます。
3回シリーズの「検査受け方講座」、今回が中編です。
中編 検査に当たった! 何を準備する?←今回
今回は、検査の準備について考えていきましょう。
なお前編と同様、ここではCPAAOBによる検査、JICPAによる品質管理レビュー、監査法人内の内部検査(定期的な検証)を総称して「検査」と呼びます。
検査の通知を受けたら、まずやるべきこと
あなたは検査の通知を受けました。心中はお察しいたします。
まずは次の3つをやりましょう。
監査チームメンバー、主要な内部専門家、その他関係者に連絡
監査チーム内のリーダーとサブリーダーを決定
プロジェクトプラン立案とリソース確保
監査チームメンバー、主要な内部専門家、その他関係者に連絡
真っ先に知らせるべきは監査チームメンバー。
各メンバーは、すでに通常業務で手いっぱいのはず。いかに検査対応するかは追って考えるとして、心づもりをしておいてもらう必要があります。
内部専門家も監査チームメンバーですが、忘れがちなので別出しにしました。
IT専門家の助けは必ず必要です。というよりも、普段から監査チームの一員だと意識していないと困ります。
そのほか、税務、バリュエーション、退職給付、不正対応などの専門家は、対応が必要になるかどうか分かりませんが、連絡はしておきましょう。
所属部門の執行部には連絡が行っていることが多いと思いますが、念のため知らせておきましょう。
後述のリソース確保で協力してもらわないといけません。
もう一つの重要な関係者として、クライアントがあります。
検査の種類により、クライアントに伝えてよい場合とダメな場合がありますが、後者であっても協力が得られる体制は必要です。
監査チーム内のリーダーとサブリーダーを決定
検査準備も、検査中の対応も、監査チームメンバーが一丸となってあたるのですが、誰がリードするかを決めておかないと右往左往してしまいます。
まず、パートナーがリーダーとなるべきです。筆頭パートナーがよいのか、一番若い人がよいのかはケースバイケースですが、誰か一人を決めておきましょう。
何か判断が必要なときに、パートナー全員の意見を個別に聞いて回らないと決められないのでは困ります。
リーダーであるパートナーの下でチームを束ねるのはマネジャーや主査のうち誰なのかも決めておきます。
検査準備はリーダーとサブリーダーの二人を中心に、ほかのメンバーを巻き込んで行います。
プロジェクトプラン立案とリソース確保
検査対応もプロジェクトです。
プロジェクトには、最低限、スケジュール管理とリソース管理が必要。
検査前の準備期間については、タスクを洗い出し、準備期間中に終わるようにスケジュールします。
タスクの洗い出しには、このnote記事も参考にしてくださいね😊
検査がはじまってからのスケジュールを事前に立てることは難しいですが、どのチームメンバーがどのタイミングでスタンバイしておくか、大まかな予定は立てておきましょう。
スケジュールをざっくり作ったら、検査準備と検査中の対応に必要なリソースを確保します。
所属部門の執行部とアサイン担当者に要求を出し、折衝します。
ほかの業務から引きはがしてくることになることが多いと思いますが、そこの責任者に一声かけて、頭を下げておくことも重要。
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