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女性の素晴らしさは「男性と同じようにできること」じゃない。


とあるドラマで、こんな話がありました。
男性しか生まれないという星で、女性が生まれてしまい、
その子の性転換手術をするかどうかをめぐって議論があるのですが、

「女性であることの素晴らしさ」についての言及、
つまりこの物語の主なメッセージですが、

このドラマの中での主張としては
女性であっても男性と同じように社会で成功できる、
ときには体で戦っても勝つこともある、
というような内容でした。


私はこれに疑問を抱きました。

女性であることの素晴らしさとは、本当に
「男性と同じようにできること」なのでしょうか?


女性であることの素晴らしさについて言及しているのに、
もともと男性が得意としている、社会での成功や体の強さ、
いまだに「男性の土壌」だけで話が進められていると感じたのです。

女性が男性と同じように扱われるようになったことは、
いいことです。
少なくともいいことのほうが多いように思います。
また、それぞれの家庭内での役割が柔軟になったのも、
喜ばしいことだと思います。

しかし、本来「女性も、男性と同じようにできる」と主張することが、

本来の女性らしくあること、
今までの、従来の女性の在り方を否定するものであってはならないと思うのです。

例えば、男性に稼ぎの主を任せることがやむを得ない場合や、力では負けること、
生理やホルモンのリズムによって、毎日同じぶんだけ仕事をするのには向いていないということは、多くの女性にとって、目を逸らすことができない事実だったりします。

誤解を恐れずに言いますが、男性のようにリズムにのらない一定の働き方をするには、もともとハンデがあるのです。
そのハンデを乗り越えて活躍している女性ももちろんたくさんいますが、
必ずしもそこを目指す必要はないということを言いたいのです。
そもそも、男性と同じことをできなくていいのです。

男性にも弱みはあって、女性と同じようにはできないところが、
本当はたくさんあるのです。

そういう「違い」を無視して、「女でも男と同じようにできる」と主張するのはわかりやすくていいかもしれませんが、
女性を「対等」に扱うことはできるようになったものの、

それは「男性として」女性が劣らないことを証明しようとしているということであって、

「女性として」同じくらいに素晴らしい存在だとは認められていないということです。

男性が、「女性と同じようにできる」ことは、
女性が、男性と同じようにできることよりも、まだ、あまり褒め称えられてはいないようにかんじます。もちろん、「主夫」という言葉も一般的になり、全くとはいえませんが。

男性と同じように経済的にも自立していることが「良い」とされ、同じようにフルタイムで働くことが良いとされているのは事実です。

生理や女性の体特有のことで会社に迷惑をかけにくかったり、
専業主婦で働かないのは、なんか「ダメ」みたいな風潮もあるようにかんじます。

そうやって、男性と同じようにできるように頑張らないと、女性はまだまだ大切に扱ってもらえていないのが現状ではないでしょうか。

つまり、現代の「男女平等」というのは、

「女性が男性と同じようにできる」という前提のもとで
語られている可能性があるということを思ったわけです。

昔の「男尊女卑」では、もっと悪かったわけですが、
残念ながら、今はまだ完全には、女性が
本当の意味で違いを認められ、尊重されることが
できていないのではないかと思うのです。

多くの場合、女性の女性らしい部分、特有のリズムがあることや、家のことをするのが得意ということや、自然と調和して生きること、リズムに乗って生きることは女性のほうが得意なことが多いです。

そういう、現実的な「利益」以外の部分の素晴らしさ、
女性ならではの素晴らしさをまずは女性が認めること、
そして男性にもそれをわかってもらう努力をすることが大切かもしれません。


そして、これは大事なことですが、
今述べたことが全ての人に当てはまるわけではありません。

女性の中にも、男性性が強い人がいます。そういう人は、男性の中にまじって戦うことの方が居心地が良いと思えるかもしれません。
そして、男性の中にも、女性性が強い人がいます。家のことをしたり、おしゃれをしたり、家族を支えることに生きがいを感じるかもしれません。

誰の中にもある、女性らしい(本来の女性が得意としてきた分野)部分も、男性らしい部分も、どちらの素晴らしさも認識することができたなら、

「男はこうあるべき」「女はこうあるべき」や、「男女は同じであるべき」
という考えに囚われず、

自分らしくて、自分が得意とする生き方を、
お互いに大切にしあえる社会に
なっていくのではないでしょうか。

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