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都道府県ニュースで「全国学力・学習状況調査」のタイトルが全国平均点との比較ばかりの現実に、私は悲しくなります。

2022年度の全国学力・学習状況調査の結果が公表されました。
(参)名称として「学力テスト」は正しいものではありません。

今回は各紙がどのように報道するか注目していたので、Googleニュースで片っ端から検索してみました。
例示として、以下にNHKニュース、四国4県のものを並べます。

とても悲しくなりました

学力調査そのもののについては、調査することによる正負の影響、両方あると思います。
私の個人的な意見としては、「負の影響が大きい」と捉え、いまの形での学力調査が「在ること」について否定的ですが、実施される以上、正の影響を最大化すべき、という立場に立ちます。

そんな立場から見て、各都道府県のニュースタイトルに「平均点」との上下を並べることで、その後の地域の公教育が良くなるとは決して思いません。
加えて、たとえば、平均点よりも0.7ポイント上だっただけのものがある教科もある徳島県において、「中学生全教科全国平均上回る」を「タイトル」として付けることは、中身の体温を表していないとすら思います。

こんなタイトルの付け方は、都道府県の平均点競争をすることを煽りませんか。
これで楽しい学びが生まれる契機になりますか。社会を幸せに導きますか。

そもそも自分が子供だったら、常に学力調査の平均点との競争を促される学校で勉強したいですか。

報道を見て、知人の教師がFacebookでこのような投稿をしていました。
※友人のみのクローズ投稿を、本人の許可を得て紹介します。

分かりやすい報道。
「全国学力学習状況調査の結果、○○の教科の平均点が全国平均を下回りました。(報道中略)これは大きな課題です。」
県の教育委員長の発言ですので、全国学テの目的を理解していないはずはない。おそらく報道中略の部分には精度をもった発言もあったはず。そこをうまく切り取って「分かりやすく」単純化する報道。
この影響は、実は計り知れない。一人の子どもの小さな成長を生む静かなやり取りの芽を一気に摘み取ってしまう力をもっていることを知ってほしいのです。

教育新聞の藤井記者が、個人として下記のようなツイートもされています。

私は、お二人の見解に共感・同意するとともに、子供たちすべてがもっている可能性を最大限引き出すことを強く望み、大人が子供たちの可能性の芽をいたずらに摘んでしまう言動に反対します。

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