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アート独り言。(残しておきたい大切なこと)

2019年。

「本日閉店」

友人との撮影の帰り、お腹すいたから何か食べようと回転寿司に入る。
ちょうど食事時、何組か待っていたけど移動も面倒なのでそのままレジのすぐ前にあるベンチで待っていた。

お持ち帰りの寿司を取りに来る客も多い。雑談する姿を見ていると常連さんたちだ。

「えっ・・・閉店するんですか?」

レジのところに本日閉店の貼り紙。

お店の女将さんらしき人はケラケラ笑いながら話を続けていた。そんなやりとりが何回かつづく。

ようやくカウンター席が空き、待望のお寿司。
回転寿司だけど真ん中で大将がお寿司を握っている。
美味しそうなお寿司。大将の笑顔が眩しい。
常連さんらしき人が声をかけた。

「大将、閉店するんやね。辞めてどうするの」

「そうだなあ。寿司しか握れんけどな、体力あるから警備員とかかな~」
目がなくなるくらい笑顔で寿司を握っていた。

まるで映画を観ているかのようだった。
初めて入ったお店なのに愛着がわいてしまい、涙が出そうになる。
全然悲しそうな雰囲気はなく、いつも通りな気がした。お店の人の明るい振る舞いが、極上のもてなしだった。

別の日に店の前を通ったら、お店はなくなっていた。

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年内に作る映像の事を考えていたら、ふと思い出した。
どうやったら素敵に想い出が残せるのだろう。
しばらく悩める日々がつづく。

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