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『ゴッホアライブ』体験してきた

兵庫県立美術館で開催している、ゴッホアライブ展に行ってきた。体験としてもビジネスモデルとしても、面白かったので簡単に書く。
(一部はメンバーシップ限定にしています)

他の人にもお勧めする?

します。1時間半程度で気分転換をするのに、とても良い。

前後の過ごし方はお勧めある?

ゴッホに関して調べたりは特には不要。(後述するように、場内に程よく情報をまとめているコーナーがあるので)

時間があるなら、美術館で併設している別の展示を見るのも良いが、安藤忠雄が設計した美術館本体やその周辺を少し散策するのも良いだろう。

海側に面したレストランはカジュアルスタイルなので、しっかりした食事を摂るよりは、ドリンクを片手に、ぼーっと風景を眺めるのが良さそう。

よりゴッホに溺れたくてやっちまった体験

別記事としてアップしたが、前々から狙っていたLEGOブロックを購入し、組み上げた。

少々高価だが、素晴らしい満足感があった。

ゴッホの繊細な色使いを再現しようというLEGOデザイナーの創意工夫に満ちていて、組み立てながらずっと楽しかった。ご予算とお時間に余裕がある方は、ぜひ挑戦していただきたい!!

展示の特徴

ざっと書き出すと以下点だと感じた。順に解説していく。

  1. 本人が描いた現物は一枚もない

  2. 五感を刺激する、いわゆる4D体験型

  3. 会場はかなりコンパクト

  4. インスパイアされた絵画もコラボ

  5. 程よいレベルと量の学び

  6. 著作権戦略がなかなかうまい

  7. リピートしたくなる仕組み

  8. 広がる仕組み

  9. 採算性を上げる仕組み

こちらはアルルの寝室のレプリカ。狭いスペースで絵画を再現するためにベッドの縮尺が変だったりする

1 本人が描いた現物は一枚もない

貴重なゴッホの描いた油絵も、スケッチも、サインすら、本当に一枚もない。つまりは、本展覧会はダミーや二次創作だけで構成されている。ここは1番の特徴だと感じた。

ダミーで展覧会を成立させるには、いくつかの条件があるのだろうけれど、絶対的に人気のあるコンテンツであること、ということは必須だ。多作で多様、そして時代を超えて愛されているゴッホだからこそ成立したところは大きいだろう。

2 五感を刺激する、いわゆる4D体験型

巨大スクリーン群に映し出される色彩鮮やかな動画、
オーケストラの豊かな音色、
時々ほのかに匂い立つアロマ。

本作は、映画館で言うところの4D型に近く、目と耳と鼻で感じるエンターテイメントだ。ちなみに上映時間は約40分。一部スペースは床に座り込めるが、立見もある。ずっと立っているのがつらい方は、空いているタイミングで入りたいところ。

スクリーン群には絵画がどんどん映されてるので、キョロキョロ見回そう

3 会場はかなりコンパクト

スクリーン群があるスペース自体もそこまで広くもなく、その周囲に作家の説明コーナーやお土産コーナーを配しているため、会場全体はかなりコンパクトな構成になっている。空間を上手に使っている。

4 インスパイアされた絵画もコラボ

有名な話ではあるが、ゴッホ(および同時代の作家たち)は、日本の浮世絵にかなり影響を受けている。そのことを示唆するため、動画の途中には、「花さくアーモンドの木」を始めとしたゴッホの作品の中でかなり浮世絵っぽい作品と、浮世絵をゴッホっぽいテイストに加工したもの、が出てくるシーンがある。

日本人としてはちょっと気恥ずかしくなる演出だが、海外ではこういうジャポニズムぽいものがまだウケるのだろうなあ。

「花咲くアーモンドの木」は浮世絵の影響を色濃く受けた一枚。

5 程よいレベルと量の学び

本会場に入る前に、ゴッホについて学べるコーナーがある。素通りしても良いし、じっくり読んでも良い並べ方にしており、マイペースに楽しめる。

ちなみに私はこういった説明文も好きなので、全て読むタイプだ。特に和文英文が並列してあり、かなりストレートに(同内容で)記載しているため、両方読んだりするのも面白い。浮世絵って、Japanese woodbrock prints っていうのか!とか、なかなか日常会話では出てこない単語を探すだけでも楽しめるのでは。

6 著作権戦略がなかなかうまい

徐々にビジネス寄りのことを書いていくので、ここからはメンバーシップ限定とします。

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