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小論文という試験科目が受験生に問うていること。

こんにちは。
オンラインてらこ家です。

来週から国立大学の一般選抜二次試験(前期日程)が始まります。
今年度の受験スケジュールは下記の通りです。

【前期日程】
試験日:2023年2月25日から
合格発表:2023年3月6日から3月10日

【後期日程】
試験日:2023年3月12日から
合格発表:2023年3月20日から3月23日

【前期日程】【後期日程】追試験
試験日:2023年3月22日から
合格発表:2023年3月26日から

出典:一般社団法人 国立大学協会
https://www.janu.jp/univ/exam/

一般選抜でも、大学・学部によっては小論文を課しているところがあります。後期日程であればなおさらです。
しかしながら、まともに対策しないまま本番を迎えて残念な結果に泣いている受験生が毎年本当に多くいるのが現状です。

小論文対策には時間がかかります。
正直に申し上げますと、共通テストが終わってからでは遅すぎるのです。
仮に、小論文が必要なのは後期日程のみだとしても、前期日程が終わるまで全く対策しないのであれば、もはや手遅れと言わざるを得ません。
例えるなら、華奢で体力のない人間が、わずか数週間程度のトレーニングを積んだだけで筋骨隆々になるなどありえない話です。

また、小論文対策=文章力を鍛えることだと思っておられる受験生や保護者様も少なくないようです。
確かにそれも大事なのですが、課題に即して発信できる要素が自身の中に備わっていなければ、いくら文章力があっても何も書けないのが小論文という科目なのです。

そもそも、小論文という試験科目は、受験生に何を問うているのか。

今回は、小論文試験の問うているポイントと目的についてお伝えしたいと思います。

自分自身の知見・体験の整理

まず大前提として、小論文試験に正解はありません。
なぜならば、小論文とは試験で課された内容(題/テーマ)に対して、受験生のものの考え方、捉え方、知見(アンテナ)の高さなどを推し量るものであるからです。

極端なことを言えば、与えられた課題やテーマに即した内容であるならば、何を書いても問題ないのが小論文です。
問われていることに対してどのような意見を持とうが本人の自由ですし、説得力の高い文章が書けているのであればなおさら問題ありません。

しかし、答案に書かれた内容”のみ”で、自分の人間性や知性そのものが判断されるわけですから、発信の仕方には注意が必要です。

また、小論文を書くからには、与えられたお題に対して自分なりの「論」を組み立てる必要があります。
最も訓練すべきはこの「論」の組み立て方なのですが、その土台となるのが「これまでの人生」です。大学受験に臨むまでの間、自分自身が体験したことのすべてです。

現役高校生であればおよそ18年、浪人生であればさらにプラス1~2年、自身の歩んできた道のりがある。何かをきっかけに考えたり感じたり、味わったりしたはずの、自分だけの体験がある。その体験を通して学んだことがたくさんある。

また、大学受験に臨むということは、大学でしか学ぶことのできない「何か」があるということ。

それらをまずは徹底的に洗い出すことから始めましょう。

そして、洗い出した素材を志望する大学・学部の出題傾向に即して整理し、どのようなお題が出ても活用できるようにすること。

これこそが、小論文を書くための鍵となります。

論旨と論拠を明確に

小論文という試験科目では、与えられたお題に対して「論」を組み立て、指定された文字数内の文章にまとめることが求められます。

また、論文を書くにあたっては、論を組み立てた後、その論に説得力を持たせるための「論拠」が必要になります。すなわち、その論が正しいことを示す拠り所となるべき客観的な情報・事実・データです。
その論拠についても、自分のこれまでの知見や体験に裏付けられたものが最も強い説得力を持ちます。

よく、インターネットやSNSを通してたまたま知る機会のあった(と思しき)情報のみを論拠としている答案を目にしますが、それだけではどうしても説得力に欠けます。もし、その情報が誤っていた場合は論拠にさえなり得ません。それどころか、論そのものが崩壊します。

その意味でも、自分自身の体験から生じた意見こそが、最大級の説得力を持つのだと思っておいてください。

ただし、それらを適切な文言(単語)で表現できるかどうかは別問題です。文章力以前の問題として、言葉を知らなければ文が書けません。

また、体験談を長々と書き連ねるのは却って逆効果です。
全体のバランスを踏まえて、どの程度「出す」べきか。その見極め能力も必要です。

私どもの「オンラインてらこ家」では、受講生の皆さんがそれぞれに持っている知見や体験を踏まえて、小論文のお題に対する思考法や発想法から鍛えます。そのうえで、第三者にとって読みやすい文章表現を国語的に分析し、適切な表現ができるよう導きます
それこそが「てらこ家スタイル」であり、他の小論文指導とは大きく異なる点であると自負しております。

ご興味あれば、下記よりお問い合わせください。


丁寧な筆跡

これはきれいな字を書くことではありません。
字を丁寧に書くことです。

丁寧に書くということは、いわゆる「トメ」「ハネ」「払い」に気を付けて文字を書くことにも通じます。

なぜ、これが大事なのか。
逆の立場で考えてみてください。

あなたが試験官で、答案が山のように届いて、これを採点する立場だったとしたら、乱雑に書かれている答案をしっかり読もうとするでしょうか。

おそらく、「雑だ」と感じた時点で、その答案を読もうという意欲は大きく削がれることになるでしょう。乱雑過ぎて解読困難な文字があった場合はなおさらです。読み手(試験官)に正しく読み取ってもらえないどころか、仮に書かれている内容がどんなに素晴らしいものであっても伝わりません。

そもそも大学入学試験の場合は、答案が何十枚、ところによっては何百枚規模であるわけですから。それらすべてに目を通すだけでも大変な作業です。
自分の答案をしっかり読んでいただくためにも、できるだけ丁寧な字で書くよう心掛けましょう。

なお、字の上手い下手と、丁寧に書くということは全く違います。
上手い字であっても中身がスカスカの内容では、当然、合格には至りません。
一方で、字はそこまで上手くなくとも、第三者に読んでもらおう、ぜひ読んでもらいたいと思っている人の答案であれば、文字にもその思いが表れます。それは読み手に確実に伝わるものですし、そういう部分も大学側は見ています。

「書かれたものですべてを判断する」とは、そういうことです。

自分なりに精一杯考えて書いたはずの答案。
それをきちんと読んでもらうためにも、字はできるだけ丁寧に書く。
これは受験で後悔しないための1つの方法であり、大学側に自分の思いを伝える方法でもあると心得ましょう。

最後に

本来、小論文対策とは志望先を決めた時点ですぐに取り掛かるべきものです。可能であれば、高校2年次の夏ごろから段階的に少しずつでも対策を行うのがベストです。

ところが、毎年のことなのですが、直前に特急対応の指導を求められることがよくあります。
もちろん、ご本人がこれまでに積み重ねてこられた努力の下地があれば、特急対応でも間に合う場合はあります。しかし、駆け込みで来られる受験生やその保護者様に限って、下地ゼロの状態から藁をも掴むような思いでお問い合わせをなさる傾向にあるようです。

冒頭でも申し上げましたが、それではもう手遅れなのです。

もちろん、私どもといたしましても、一人でも多くの受験生を全力でサポートしたいと思っております。単なる受験サポートのみならず、実社会でも大いに活躍してほしいの思いで指導にあたっております。

あと1週間あれば……
あと1か月あれば……

と、後ろ髪を引かれる思いで受験生の皆さんを送り出さねばならないのは心苦しいので、どうか、受験科目に小論文が課せられる場合は1日も早く対策を始めてほしいと願っています。

それでも、直前期にならないと対策する時間が取れない!余裕がない!とのお悩みを抱えておられる受験生が少なくないのもまた事実。
前述の内容とは矛盾しますが、どのタイミングで対策を始めようとも、何もしないよりはましだというのもまた事実。

オンラインてらこ家は、時間の許す限り、受験生を本気でサポートします。
小論文対策や文章力養成をご希望の方は下記よりお問い合わせください。


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