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入学後を視野に ③

水曜日ー中学生に

「先生、この塾、問題児ばっか集まってきてない?」

と、聞かれた。

ー斯くいう君もな。

というと、素直に認めて開き直り、笑っていた。

私たちに言わせると、問題のない子なんていない。
いろいろな子どもたちが様々な問題や悩みを抱えている。

問題がなさそうに見える子どもたちの方が、大いに問題があることも多く、学校などでは見過ごされ、対応に苦慮することの方が私たちにとっては「問題」なので、「問題児」として自覚している子どもたちは、逆に問題ないともいえるかもしれない。

目に見えにくい苦労を子どもたちがしていることがある。

ディスレクシアだけではなくて、HSP、集中力が続かない、様々なことが気になって落ち着かない、それが、特性によるものであれ、生活環境によるものであれ、静かなものであれ、騒がしいものであれ、様々な子どもたちがいる。

私たちにできることは何だろうかと考える日々が続いている。

そんな中、昨日、吉報が届いた。

以前寺子屋に通っていた生徒が、この12月から中学受験を志し、寺子屋に戻ってきた。長い間不登校で、準備期間も、私に小言を言われる度、難しい問題に出くわす度、逃げ癖が出たり、本番寸前に発熱したりと心配をしたけれど、昨日、見たこともないような明るい笑顔で「合格」の知らせを持ってきてくれた。

でも、受験は単なる通過点。

合格を手にしたその日から、今までの遅れを取り戻し、新しい学校への入学準備が始まる。

私自身、彼の受験に向けての短い期間の間、彼が自信を取り戻し、何か今必要なものに気づくきっかけになれば、と思い、できることし、言えることを、伝えるべきことを伝えてきたけれど、「合格」の報告をしに来た彼を見て、まだまだ私にもできることがあるという希望を改めてもらえたような気がした。

ー私は、これからも小言を言うし、きついことも言う。だけれど、それは、あなたにはできると信じているからで、信じていなければいろんなことを言わないし、しない。

そして、

ーときどき、へそを曲げたり、逃げたりしてもいいけれど、ここで私たちが待っていることは忘れないで。

と、伝えた。

問題児ばっかりが来る塾かもしれないけれど、こんな塾もあってもいい、というか必要なはず

と、自分に言い聞かせ、もう少しできることに励みたいと思っている。


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