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母と娘 ②

この夏、少しの間、母が動けなくなったー

急だったので、びっくりしている間もなく、私はできることを考えて、とにかく動くしかなかった。

数週間前に尻もちをついたお尻が痛いというので、かかりつけのお医者さんに診てもらったところ、レントゲンではほかにおかしなところはないから、もともとあった「変形性股関節症」の悪化で、前々から言われていた「手術」をしないと治らないと言われた。

80歳を越えての入院を伴う手術は、父が入院による認知機能の著しい低下で転倒して、それが原因で亡くなっているので、できれば避けたかったけれど、歩けないならもう避けようがない・・・と思って、大きな病院で詳しく検査をしてもらうことにした。

すると、骨折が見つかった。

結局、その骨折の治癒が先だから、手術はまた改めて・・・という話に。

原因がわかったら、対応が変わるーそして、それほど深刻ではないと言われたら、気が楽になる。

寝たきりに近い1週間ほど、母の認知機能もなかなか不安を感じるものだった。けれど、歩かせて構わないと言われたので、歩けるような補助になるものを姉と相談して買ったり、家の中にあるものを使ったりしている間に、彼女の認知機能も、ほぼ寝込む前と同じくらいに戻った。

少し前に内科の病気を診てもらった老人内科の先生が「きちんと歩いて、筋肉を維持できれば、認知機能の低下も遅らせることができる」と言ってくださっていたけれど、それを身をもって体験した気がした。

骨折の治癒には、もう少し時間がかかる。治癒した後に、また手術が待っているかもしれない。

大変だぁ~と思う一方、ちょっとした介護の予行練習期間をもらった気がしている。

「生きる」ということは、長く、つらいことの方が多い、年々そう思うことが増える気がするけれど、たぶん「生きている」ということは、自分にとってより自分の周囲の人にとってありがたいことで、「生かされている」間「生きる」ということが大切なのだなぁと、母に改めて教わる夏になっている。


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