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進路についてのアドバイス 番外編?

昨日、「進路についてのアドバイス①」↑を書いたあと、この記事↓を見つけた。

そして、今日は、これを読みながら思い出したり、思ったことを書いてみることにした。

大学の社会的評価

私も生徒に話すことだ。知っておくことは大切だと思う。

私自身は、国立大学に通った。父と伯父も通った大学で、幼い頃から行きたかった大学だった。

受験生のとき、幸い我が家には経済的な条件がなかったので、私は国立と私立それぞれの第一志望を選び、1つだけ滑り止めの大学を受けようと考えていた。

でも、父に

「妥協するなら、大学は行かなくて良い。滑り止めは受けさせない。その代わり早慶ならいくつでも受けていい。浪人はさせない。」

と、言われた。

不満はあったけれど、私は父の条件をのみ、

国立と私立の第一志望1校ずつと慶應義塾大学を受験した。早稲田大学にも出願はしたけれど、試験日までに他の結果が出ていたので受験はしなかった。また、センター入試の結果が思いがけず良かったので、記念受験のつもりで東京大学文科三類の後期試験にも出願をした(倍率も35倍を越えていて、ボーダーが予想以上に高くて足切りされて、2次試験を受けることすらできなかったけれど 笑)。

そして、2月中に私大2つから合格通知が来たときの父の反応を私は今でも覚えている。

父は、その2つなら慶應に行ってほしかったため、とりあえず両方に入学金を振り込むことを提案した。私は、他が受かったら、慶應に行く気はなかったし、本当の意味での志望校は国立大学だったので、その提案を却下した。

外国語学部では難易度も偏差値の評価でも母校の大学と勝るとも劣らない大学だったけれど、私が私立の第一志望に挙げた大学は、父から見れば社会的評価が定まっていない得体の知れない大学だった。

一方、その私大の図書館でアルバイトをしていた兄は、その私大を推していた。父の考えが古いという人が兄以外にもいたので、父は私にいろいろな人の話を聞いてみることを勧めた。

何人かの先輩や大人に話を聞いた。

大学在学中に留学を考えているなら、私大に行くことを勧めるという人もいれば、公官庁などへの就職を考えているなら、国立だという人もいた。

私自身は、誰かの意見で私大にして後悔するぐらいなら、長い間憧れていた大学に進んで後悔する方が良いと思っていたので、最初の希望通り、国立大学に進学した。

その後、その選択を悔いることはなかった一方で、様々な考えがあることを入学前に聞いていてよかったとも思った。

そして、父がきっぱりと自分の意見を言いながらも、様々な人の話を聞くように促すような人であったことに感謝している。父が、私のすることに反対の立場を鮮明にしたのは、私が塾を再開させると言い出した時だけだった-
が、それはまた、別の話。

社会に出て、もちろん実力がものをいうところもあるけれど、実力を見てもらえるような環境に入るまでに大学の「社会的評価」がものをいうことがあることは、否めないと感じている。

この塾を続けるにあたって、私の母校の社会的評価は、私を大いに助けてくれたと思う。

国公立大学と私立大学

「私大を第一志望にする人いるんですね」と進学校に通う生徒に言われることがある。

大学によっての強みや伝統もあり、その私立じゃなきゃ学べないこともあるんだよ。その意味では、国公立大学と私立大学も一長一短。一方で、同じようなことが学びたくても、何かの科目がすこぶる苦手だったり、得意だったり、その人自体の得手不得手もあるでしょう。

と、応えるけれど、今の進学校の方針の影響もあり、こういう発言をする生徒は増えている。

都市部と地方

田舎の人と都会の人たちでは、日ごろ触れる大学の数も、選択肢に入れられる大学の数も大きく違う。

私は、田舎に長く存在する大学は、国公立か私立かに関わらず、偏差値や難易度とは関係なく、価値があると思っている。

伊勢志摩サミットのために三重県を訪れていた外交官の友人が、三重の大学に通う学生たちが、思いがけず優秀で驚いたと言っていた。

思いがけずって失礼な・・・と思いながら 笑

大阪府出身で、京都大学を出ている彼にとっては、志望校は、数多ある国立大学、私立大学の中から選ぶもので、大学名がある程度生徒の学力を表していると思っているかもしれないけれど、いろいろな事情で県外に出られない(出たくない)地方の優秀な若者たちは、地元の国立大学や私立大学に通う。その中でサミットのお手伝いをしたいなんていう若者は、優秀で当たり前だと思う。

と、伝えた。

私が通っていた中高一貫の女子校は、少なくとも当時は進学校とはいえない学校だった。

その学校に通いながら、それなりの進学先に進めたのは、そこにいた大人たちが、それぞれの自分たちの役割を果たし、自分たちの認識を私たちに丁寧に伝えてくれたからだと思っている。

私もそんな大人の1人でありたいと思う。



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