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留学弁当(2023/12/1)

離島で和食を学ぶ「島食の寺子屋」1年間コースに通う生徒たちが、自らお品書きを考えて提供する留学弁当。8月に実施して以来となる留学弁当。
離島キッチン海士で、数々の観光客の方々に料理を提供してきた9月10月を経て、成長した生徒たちのお弁当インタビューです!今回は菅原さんと津曲さんがお品書きを担当しました。

(左:津曲さん 右:菅原さん)

今回のお弁当のテーマは?

「三冬月の彩り御膳」です。

なぜ、そのテーマにしましたか?また、具体的にどのようなものですか?

菅原:
前回のメンバーの方々と同様に、段々と寒さが厳しくなってきた時に、私も温まるようなものにしたいなと思っていて。
でも、なかなかそれを食材で現わしたりとか、温かい状態で提供するのが、やっぱりお弁当では難しいなって考えて、何にしようかと考えていて。

その時に、生け花の授業を受けたりとか、あと、運転していたら色んな花がなっていたりして、視覚からの温かさも感じられるなって思って。彩りであったりとか植物を使って、今回は視覚からも温かさも感じられるものにできたらなと思ったのと。

あと12月1日というのが、秋でもないしすごく冬なわけでもないし、どういう風に季節を位置付けたらいいのかって迷ったところがあって。

今までだったら、紅葉とかイチョウとかだったりで、分かりやすいものが使えたんですけど、12月1日がどういうものなのかなと考えた時に、24節気と72候を調べたら、今が「小雪」という時期にあたるんです。

落ち葉が落ちる時期と、橘とか橙とかの果実の色が付いてくるちょうど境にあたる日だったので、秋から冬への移り変わりを今回の御膳で表せたらと思って、今回は橙を器に使ってみたりしています。

題名を考えているときに、「冬」って単語だけだときつく感じる言葉だなと自分で思うところがあって、「師走」も馴染みすぎるというか。
「三冬月」というのが、この10月11月12月の陰暦で冬の三か月を表すそうで。新鮮でいいなと思ったし、文字から得る印象とかがそこまで強すぎなくていいかなと思って、今回のテーマにしました。

津曲:
生け花の授業で、こういったことをお弁当に取り入れたいっていうのを菅原さんから聞いて。
確かに自分では気付かなかった花とかが、学校の外とかに咲いているし。
それをお弁当の中に取り入れるっていう発想がなかったので。入れてみてどうなるんだろうという楽しみがあります。

植物以外で食べるものはどんなものが入っているの?

菅原:
蓋を開けた時の驚きだったりとか、新鮮さがあったらいいなと思って。今回はお稲荷さんとサゴシの棒寿司を入れています。

思い入れのある一品は?

津曲:
酒粕和えかな。
今まで、こじょうゆ和えとか白和えとか、やったことのある和え物はあるんですけど、酒粕和えっていうのを本で見つけて。

やったことのない酒粕和えをやってみようと思ったのと。あと、酒粕が冬の印象を持たせられるかなと思って、新たな挑戦で酒粕を入れました。

あと、甘味は三個あって。
どら焼きと、豆乳プリンと、大福餅があります。
私たちの考えでは、甘いものが3個だと多すぎるかなと想定はしているんですけど、お弁当を食べ終わったあとでも、2時とか3時とかに食べられるように、下に天紙を敷いてあって、あとで取りだしてコーヒーと一緒に食べられるようにしています。

女性としては甘いものがあると嬉しいなと思って取り入れました。

食べ手の皆さんにひとこと。

津曲:
私はお稲荷さんの揚げを担当したんですけど、想像以上に大変で。今までだと、スーパーでお揚げを簡単に買えていたし、大きさも大きかったけど。まずは豆腐の水抜きをして、そこから揚げる温度とかも調整しつつ、2回の試作も失敗したりして。それを繰り返してやっとできたお揚げなので、思い入れが本当に深い!

失敗続きで、あとは本番分の豆腐しかないというギリギリのタイミングで試作が成功してホッとしています。ここ最近、登下校している時、ずっとお揚げのことについて語っていました(笑)

なので、ぜひ味わってください!

菅原:
今回は留学弁当シリーズ3回目になって、同じ弁当箱で形式も似通っているんですけど、その中でもちょっといつもと違うなとか、新しい感じがするなというのを、蓋を開けた時の驚きであったりとか、食べる時に美味しさとか楽しさとかを感じてもたえたらいいかなと思います。

(収録 2023.11.29@島食の寺子屋校舎 放課後)