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島留学弁当(2022/2/18)

【お品書き】

【上段左】
だし巻き玉子
鰤こじょうゆ焼き 大根おろし
切り干し蕪巻き 青菜 豆腐味噌漬け
自家製柚子マヨのツナサラダ
豆腐と大豆のまめまめナゲット

【上段右】
人参とみかんの塩麹和え
大根餃子二種 梅酢 自家製ポン酢
鯖の唐揚げ 中華風甘酢ダレ
白菜漬けと焼き椎茸の和え物
大根辛子漬け
沢庵

【下段左】
白飯 神葉佃煮
わかめご飯

【下段右】
鮪のロールキャベツ
ふきのとう味噌

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①今回のお弁当のテーマは?

「家庭料理」です。
家でも出てくるような家庭料理を、私たちなりに寺子屋っぽくアレンジしました。お品書きだけを見たら聞き慣れたものなんだけど、味に工夫を加えています。

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②試行錯誤したことは何ですか?

武田:時間が経っても美味しさをキープすること。

例えば、焼き魚であれば、魚にこじょうゆをつけてとかシンプルなんですけど、お弁当に入れて食べてもらうとなったら、冷めた状態を食べてもらうことになるし。美味しいをキープするというか、その時に美味しいと思ってもらえるにはどうしたらいいのかというのを、すごい試行錯誤しました。

恒光:今までのお弁当の時にも、考えてきたんじゃないの?

三橋:より一層だよね。今回は試作をする時間が沢山あったからこそ、いっぱい作ってみて「もっとこうしたら良くなるかな」とか考える時間が長くて。

あと、一般的な料理にアレンジを加えようとしているから、果たしてそれがみんなにとって美味しいアレンジになるのかとか。油淋鶏とか今までやってみたことのないことをやってみたりもしたから、難しかったですね。

武田:最初、豆腐を使ったマヨネーズを作ろうとしていて、豆腐マヨを他の人に試食してもらう機会があったんですけど、白和えの酢バージョンみたいになったんですよ。それで、食べている人の反応が微妙だなって思ったから、ツナと和えたらまた違ったのかもしれないと思って。

でも、ツナとマヨネーズだともったりしてて重いから、爽やかさで柚子を足したいって思って。香りがいいのが柚子だから、柚子マヨにしました。

恒光:爽やかさを出す時は、いつも柚子の一択だね(笑)

武田:他の柑橘系は香りが弱いし、変に甘い。
甘夏も八朔もなんだか甘いんですよね。追熟しているのかな?

意外と4月頃に食べたのは酸っぱくて何に使う?って感じだったけど。
今は逆に酸っぱい方がポン酢とか料理にすごく使いやすいと思うようになった。

三橋:〆鯖とかに柑橘系をつけようとした時に、柑橘らしい酸っぱさがなくて、料理に合わないみたいな。フルーツじゃん、って。普通に剥いて食べれそうな感じ。

恒光:甘いなら甘いで、フルーツとして使うって選択肢はあった?

武田:そのまま使うとなったらゼリーとかになっちゃって、今ゼリーを食べてもらうには寒いから、しないかなって。本当はお菓子系をもっと試したいんですけどね。

恒光:恒光農園でできた胡麻で、胡麻団子を作ってほしいんだけどな。

三橋:胡麻団子なんてしたら、恒光さんの胡麻は一瞬でなくなりますよ(笑)
あの胡麻、すごい香りで。ちょっと入れただけで、胡麻の味しかしなくなる(笑)

恒光:そういうのって、どんどん言葉にして伝えた方が良いと思う。
食材を届けた側からすると、届けたものがどうだったんだろうなと心の中では思っているけど、なかなか聞きづらくて。

三橋:寺子屋農園の大根も甘くて美味しい。赤大根も白い大根も。

だから、シンプルにツナサラダは美味しいと思う。大根が美味しいから。
それに、フランクのところのブロッコリーも美味しいし、カリフラワーも美味しい。

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③食べ手に味わってほしいことは?

武田:「家で普段食べられるもののアレンジ」ですね。
全体的に簡単にできそうな見た目をしている。名前だと、ロールキャベツも家で食べるし、大根餃子はやる人はやるだろうし。ツナサラダとかも定番。

恒光:簡単に作れそうなものだとして、島食の寺子屋の自分たちにしかできないものでもある?

三橋:家庭でもできるけど、時間が経っても美味しいとか、食感の部分とかは試作して工夫しています。

武田:切り方の部分とか、家とかだとそこまで考えてはやらないと思う。
色も食感も味のバランスも。実際に盛り付けてみたら、思っていた以上に茶色だなとか。けっこう難しい。

三橋:あと、シンプルに野菜が美味しいのは椎茸とか大根とか。あと、人参とみかんの塩麴和えみたいに、みかんのこういう使い方あるんだっていうのもあります。

恒光:試行錯誤をしていて、「これ違うな」っていう時に分岐点があったら、そこから先にはどのように進んでいくの?

三橋:最初に食べて美味しいと思うかどうか。それからは、とにかく幾つかのパターンで作ってみては食べ比べというか。豆腐ナゲットとか、最初は全然違うものだったし。

レシピ通りにやったら、あまり美味しくなくて、こうしようああしようと。

恒光:次回が最後の島留学弁当になるんだけど。テーマは?

三橋:島留学生に向けた卒業制作。最後だから華やかに、卒業っぽく。1年間お疲れ様~って!

武田:次回がひな祭りが近い日だから、そのことも意識して!

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④最後に宣伝も兼ねて、現在進行中の企画を教えて下さい。


しゃん山で、漬物とおにぎりを販売します。

寺子屋に大根が沢山あるから、なにかに加工できないかというところから始まって。でも、美味しく作りたいんだけど、意外と時間がかかるなと思って。

調味液に付ける系の漬物が、食材に対してもったいないなと思い始めてから、違う方向性にしようと思い始めたら。

恒光:違う方向性とは?

三橋:そんなに味ついたものに漬けるのではなくて、そこまで味付けせずにできたらという方向性。

浅漬けとか難しいです。時間が経つと弱くなるかなっていうのがあるから賞味期限が短いし、ベストの納品タイミングが計りづらい。

気温も浸かり具合に影響してくるし、その辺の調整がやっぱり難しいなって。常にお店に出すとなったら毎日仕込めばいいけど、この日にベストの状態で出すとなったら、けっこう難しい。

恒光:先生には、漬物作りでどんなサポートをしてもらっているの?

三橋:出来上がりを見てもらって、浸かり具合の感想を先生にもらっている状況です。先生も今まで糠漬け・千枚漬けの2種類しかやってこなかったて。

恒光:それでは、おにぎり担当の武田さん。

武田:島の人は、さざえとか岩海苔とか、いわゆる島のおにぎり定番を食べたいんだなって感じることがあって。みんながこんなの食べたいのかなって私が推測しているものと、実際に島の人が食べたいと思っているものって、こんなにギャップがあるんだなって。

でも、しゃん山におにぎりを買いに来る人は、ずっと島に住んでいる人だけでもないよなって思って。島留学生だったり、仕事で来ているおじさんもいるなって思ったり。

岩海苔とかサザエのおにぎりが美味しいってのは分かるんですけど、よくあるじゃないですか既に。普通過ぎても面白くないと思う自分もいて。
魚の照り焼きのおにぎりとかであれば、ガツンとしていて8割方の人が美味しいと思うんじゃないかなと。そういうおにぎりにしたらいいのかなって。

なので、島の人の想いもいれつつ、「自分がこういうのがあったらいいな、みんなが食べて欲しいな」って思ったのを、入り交えてできたらなと思っているところです。

恒光:しゃん山での販売予定は2月22日!よろしくお願いします!

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(収録:2022/2/17@島食の寺子屋校舎)