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隠岐島前高校弁当(2024.3.6)


【本日のお弁当 お品書き】

<<上段>>
●鰯蒲焼き
●鯖の唐揚げ甘酢和え(玉葱、生姜)
●飛龍頭(ビーツ、神馬草、椎茸、蕾菜)
●ふろふき大根 蕗味噌
●じゃが芋辛煮
●ポテトサラダ(玉葱、ブロッコリー)         
●蕾菜フライ
●沖鰆フライ タルタル
●アカモク和え(シマメ、大根)
●2色キャベツ土佐酢漬け
●出汁巻

<<下段>>
御飯 鯖フレーク
荒目青菜御飯


【島食の寺子屋 弁当製作インタビュー】

崎地区にある和食の料理学校「島食の寺子屋」が、初めて島前高校にお届けするお弁当。今回のお弁当に入っている食材のことであったり、高校生にお弁当から感じてほしいことを、鞍谷(くらたに)常勤講師と生徒の清水さんにインタビューしてみました。

鞍谷常勤講師(左) 生徒の清水さん(右)

高校生が食べるお弁当ということで心がけたことはありますか?

鞍谷講師:
いま海士町にどんな食材があるのかを知ってもらう為に、海士町の旬の食材を詰め込んだお弁当にしています。

日本料理というのは、メイン料理というものがないものなんですけど、今回は高校生向けということで、メインが何かとうのが、はっきり分かりやすいようにしてみました。見た目からもボリューム感を感じられるように。

ここ最近とれている食材で、今回のお弁当で特に入れようと思ったものはなんですか?

今回のお弁当には、旬の海藻であるアカモクと、季節的には終わりかけではありますが神葉(ジンバ)という海藻を入れています。あと、いま崎地区の定置網に沢山入っている鰯を使った料理もあります。

アカモクは茹でた瞬間に色が変わる

高校生活を送っていると、あまり海藻を食べる機会もそれほどないのかなと思ったりもするので。海藻類というのは食べ馴染みのないものですけど、栄養もしっかりあるので、高校生でも食べやすいように仕上げたつもりです。

島食の寺子屋生徒常勤講師として、お弁当を通して高校生に伝えたいことはありますか?

まずは、和食の基本である五味「塩味、酸味、苦味、甘味、うま味」がお弁当の中に入っているので、それを感じてもらいたいです。

あとは、献立を見ただけで「これあんま食べたくないな」と思っても、まずは一口は食べてみてほしい。食べてみて「意外と食べられる」となってくれたら嬉しい。

食べる前から、献立だけを見て「食べない」って判断するのは、料理を作ってもらっているという食べる側のマナーとして失礼なことなので、まずはきちんと食べることから始めてほしいですね。

お弁当盛り付けの様子

島食の寺子屋生徒の清水さんからもひと言

高校生は、これから大学生や社会人になっていく時期で、
これから自分の食生活を自分でも作っていく大事な時期だと思っています。

一人暮らしとかで、自分のご飯を自分で作るってなると、何を作るかというのはこれまで食べてきたものから生まれてくるはず。だから、食べているものってすごい大事だと思います。

ムラーズファームとのコラボダイニング

せっかく海士町に来て、季節のものとか自然がいっぱいある中で生活しているのであれば、季節の食材や食材の現場が身近にある環境から受け取れるものは受け取ってほしい。

今回のお弁当が、島の食材と触れるきっかけのひとつになってくれたら嬉しいですね。今回のお弁当に入っている鰯は、ここ最近毎日のように大量に入ってきて旬のものだし。自分の食事を少し注意して興味を持ってみると面白いのかもと。

清水さんが企画した、魚をおろすところから竹輪を作る体験授業

私自身は東京出身で、食べ物がとれる場所との距離が近い島の環境とは真逆の環境にいました。東京だと海外の食べ物もすぐに食べられるし、冬でもキュウリあるし。そういった東京での生活にモヤモヤしていて。生き物を食べている実感が湧かないというか。

こっちに来て、野菜を自分でとって食べるのも初めてで。「本当にこれ食べて大丈夫なのかな?」って思ったりする自分がいて。

校舎から歩いても車でも5分の崎定置網

だから、食材との距離が近いとか、季節の食材しか手に入らないとか。それを知ってて東京に行けば、「これは季節のものじゃないんだな」とか分かってものを見ることができるけど。

本当になにも知らずに行くとなにが旬って言われても、正直分からないし。そういったことをしっかりと分かったうえで、新しい生活へと進んでもらえるきっかけになってもらえると嬉しいです。

(収録:2024年3月5日 @島食の寺子屋校舎 授業中)