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島留学弁当(2021.12.10)

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【お品書き】

■飯物(下段左)
黒豆おこわ  黒豆 宮崎さんのササニシキ 山中ファームのもち米
〆鯵棒鮨  アジ 大根葉 ゆかり

■メイン(下段右)
味噌けんちん蒸  スズキ コショウダイ 豆腐 人参 卵 青梗菜 葱と豆乳のすりながし

■おかず(上段)
裏白椎茸  タラ 吉井先生の菊芋 山椒
鯖と葱の照り焼き
ふくさ卵  福井さんの干し椎茸 山芋 寺子屋の水菜 ムラーずファームの卵 ハギ肝
マグロ青菜巻  マグロ 春菊 大根葉
里芋塩麹ポテトサラダ  里芋 おかか ディル 塩麹
焼き大根田楽  大根 柚子味噌
間引き大根
梅干人参
紅白巻なます 黒文字甘酢 大根 寺子屋の赤蕪 干し柿 
みかんと小豆の白和え
菊芋かき揚げ
ゆずきんとん
黒豆蜜煮
鬼まんじゅう  さつまいも 紫芋 ごま 海士の塩
みかん餅  崎みかんママレード

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①今回のお弁当のテーマは?

長谷川:
テーマは12月になると、みんなでお鍋を食べたりとかするじゃないですか。鍋をお弁当でどんな風に表現できるかなって考えたのは1つあって。すき焼き風の鮪で春菊を巻いたものは、すき焼きを食べた時のお肉と春菊じゃないけど、お肉を甘辛く食べた感じを、お弁当に入れられるものでって考えたものだったり。

大根はお鍋であったり、おでんというか。大根の中に汁があるから、固形の中に保てるじゃないですか。そんな風にお鍋を食べている時の口の中を表現するのが1つのテーマでした。

前回の留学弁当もそうなんですけど、私はお弁当の中で「色」を献立を考える時の指針にしていて。12月の色ってなんだろうって思って、白と赤と緑が浮かんできて。白と黒のコントラストを入れたのも、白を目立たせたくて。緑・赤・黄色みたいのを入れ込みたいのはあったので、そういうので器選びとかはしていました。

あと、間引き菜大根とかは、成長しきった大根と比べて、すごい緑色が鮮やかになると思って、自分が思っていた以上に色が出て、お弁当に入れて良かったなと。間引き菜も今しか食べられない12月上旬だったから、まだぎりぎりあって、それを入れられて良かった。

恒光:なんで、緑・赤・白だったの?

なんでですかね。なんか、畑を見ていて白い白菜とか、緑色の葉物があったり、白と緑が目に入ってきて。あと、歩いていたらよく雑草とかで実がなっているものも、赤い実がなっていて、それで赤が12月って感じました。あとは、柚子の黄色ですね。

②試行錯誤したことはなんですか?

長谷川:
ぶっつけ本番が殆どなんですけど、ふくぎの甘酢を作ってみて、すぐに上手くいったというか、美味しいだろうなと思って作ったら美味しくて。あとは、白和えは最後まで具材を迷って小豆を入れたんですけど、結局あまり個人的には納得いかなくて、もう少し試行錯誤したかったです。

みかんを白和えをしたいっていう武田さんのアイデアだったんですけど、まだ締った感じじゃなくて。もっと、みかんの白和えで可能性があるんじゃないかって思いましたね。

本当は入れる予定だったのは、たまたま冷蔵庫の中にあった、腐りそうな大根と白菜をすり流しにしていたんですよ。すり流しを使えないですかねって先生に聞いたら、ゼラチンで固めれば弁当に入れられるんじゃないって教えてもらって、それで固めて弁当に入れてみたんですよ、小豆を入れて。そしたら、そういう風に使うって考えていた訳ではないので、ごま油が効きすぎてしまって、固めて冷やして食べたらごま油の香りしかしなくなって。これは、ちょっと無しだねってなりました。

冬野菜を一度液体にして、その後に固体にして食べてみるというのは、もっとやってみたかったですね。普段の授業では、ゼラチンで固めるっていうことはあまりしなかったですけど、もっとできたら良かったなと思いました。

里芋のポテトサラダは、前にツナを使った時のオイルを入れていて。ポテトサラダにツナって入っているじゃないですか。マヨネーズは一切入れていないけど、塩麴とツナのオイルでマヨネーズっぽくなったのは面白かったですね。ちょっと洋風になっちゃったんですけど。

恒光:メインに関してはどう?

長谷川:
これは三橋さんがネットで見つけてきた、けんちん巻きの毬みたいなものがあったので、それはメインにしてみていいんじゃないかってなりました。今回のメインは、いつもやっていることを、形を変えてやってみたというところです。

今回はメインよりもおかずの方を頑張ろうと思って。
水菓子も、前の仕出し弁当で作った鬼饅頭とか、あとはみかん大福とか。

恒光:どうして、おかずの方を頑張ろうと思ったの?

長谷川:
なんだろう。すごい敷き詰めたいと思って。品数をめちゃめちゃ増やしたいなというのはあって、色んなものが入っているというのを、ぱっと思い浮かんだのがそれだったので。プラスチックのケースを使ったりするんじゃなくて、食材で埋めきるというのをやってみたくて。色んなのをちょこまか作って、それで盛付が鬼のように大変で。

これも先生に、盛付に関して色んなフェードバックを先生からもらって、すごい勉強になりました。
本当はそんなに敷き詰めなくてもいいらしいです(笑)

③食べ手に味わってほしいことは?

長谷川:
大根とか人参とか味噌とか、お弁当という冷たい状態ではあるんですけど、冬野菜の甘みというか、身体をあっためる食べ物だったので、それを感じてほしかった。

ただ、パッと見てワァみたいなのは、季節を感じてもらえていたらというのはありました。はっきりした色というのを、12月から1月にかけて、6月に弁当をやった時とは違って、年末にかけてお祝いムードが高まっていく雰囲気というか。松葉と紅葉と椿をあしらいに入れてあるんですけど、自分は周りにある植物というか自然を入れるのがすごい好きなので、そこは最初から決めていました。

恒光:6月の留学弁当の時から、どう自分は変わった?

明らかに品数が増えているのと、あとはなんですかね。んー、盛付のことを考えてから仕込みをできるようにはなったかなと。

6月の時は作り切ることがゴールで。作り切ってから盛り付けるところがあったので。どのくらい松花堂弁当にスペースがあるのかとか、実際にこれって焼いたらどれだけ小さくなるのかというところを、多少は自分で埋められるようになったのかなとか。

あとは、1回作ったことがあるものをもう1度作るのもいいけれど。挑戦したいっていうことは変わりなくて、新しいことをやろうってことに変わりはないですね。

最後に一言。

もう味わって頂いたあとなんですけど、、(笑)。
これだけ立派な黒豆があったので、それは是非っていうのと。
先生が作ったお寿司も。これも大根の葉っぱなので、全体的に大根ずくしでしたね。

あと、盛り付けは難しいです!

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(2021.12.23 収録@島食の寺子屋校舎)