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人の話を聞くのは意外と難しい

みなさん、こんばんは。寺戸慎也(てらどしんや)です。

今は23時ちょうどなんですが、大体この時間帯にnoteを書いている僕です。

さて、今日は「聞く」ことについて、です。

傾聴が大事ということがよく言われるようになったり、「聞く力」という本がベストセラーになったりと、聞くことが重要視されています。なんでかは知りませんが。

でも、人って、他者の話を聞いているようで、聞いてないことが実は多いんですよ。今回は、聞けないメカニズムと、対処法を考えてみます。

自分の「価値観フィルター」を通して話を「解釈」している

人は、実は思うほど人の話を聞いてない」、と聞いてどう思いました?

「いや、聞いとるがな、しっかり」と思われた方もいるかもしれません。そうそう、耳ではしっかり聞いている方はほとんどだと思います。

でも、その人の話している真意だったり、その裏側にある背景を含めて、言葉をそのまま「受け取る」ことができている人は少ないのではないでしょうか。

なぜなら、人は、人の話を聞くときに必ずと言っていいほど「自分の価値判断」をしながら話を聞いています

たとえば、友人から悩み相談を受けるとき、「いや、私ならこうするな」とか「〇〇したらいいんだよ」と伝えたりしてしまってませんか?直接言わないにしても、心の中は常に自分が持っている価値観をもとに判断をしている。

これでは、実は「聞いている」のではなく、他者の言葉に「自分」を反映させているだけなんです。では、人の話を聞くというのはどういう行為なんでしょう。

価値判断を保留して、まっさらで受け取る

人の話を聞くためには、自分の価値判断を止める必要があります。

例として、上司との関係について考えてみます。上司の悩みというのは、どの仕事にもつきものですよね。

ある人が「A課長に全然評価されていないと思う」と言っています。

でも、実はA課長のほんとの評価以前に、A課長の言葉を通じて、自分で自分を評価している、つまり自分で自分が評価をできていないという現象がよく起こり得ます。

A課長の話を聞いているようで、実は「自分は評価に値しない」という「自己判断」を通してA課長の話を聞いているのです。

こんな感じで、ほんとに人の話を聞くという前に、自分の価値観が反映されてしまっていることはよくあります。

自分の価値観を知る=自己覚知

人の話を聞くために、判断を保留する必要があります。

でも、「判断をまったく機能させない」ということではありません。まず「自分がどんな価値観を持っているかを知る」ことです。これを「自己覚知」といいます。

自分の価値観を知るためには、感情をキーにします。普段人の話を聞いたり、ニュースを耳にしたりするときに何らかの感情が湧くはずです。

その感情にふたをせずに、まず検証してみる。検証を繰り返すことで自分はどういう価値観を持った人間なのかがわかってきます。

人の話を聞くときも同様に、自分の感情に注目します。決して、感情を殺すわけではありません。感情が湧いてきたらそれをしっかり捉えます。

そのことで今自分が「価値判断をしようとしている」また「価値観に沿わない話を聞いている」ということを察知することができます。察知すれば、それを保留することはさほど難しいことではありません。

人の話を聞けるようになったら

人の話を聞けるようになったらどんなことが起こるのでしょう。

まず、その人との関係性は良くなります。純粋のその人の声を聴くことができるので、ニーズをしっかりキャッチすることができるから、でしょう。

マネジメント層の方はこの「人の話を聞く技術」を高めていくと、非常に効果できでしょう。

また、対人支援職の方にとってもこの「人の話を聞く技術」は非常に有用です。

この話を聞いて、「人の話を聞く」ということの捉え方、解像度がグッと上がってもらえたらうれしいです。

では。


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