マガジンのカバー画像

バレーボールに思う/もっと知りたい

98
バレーボールについて何となく感じたこと、こむずかしいバレーボールの技術論や戦術論、コーチング論ではない雑感などを集めています。
運営しているクリエイター

記事一覧

もっとクールに。もっとエキサイティングに。バレーボールを信頼してほしい。

(写真FIVB) 私は(私たちは)、スポーツというものから、様々な恵みを与えてもらっています。楽しさや高揚感、ときめきや憧れ、感動や時には生きる財産や学び・・・。 そういったものは、一人一人の中にあるものとして、どれもがかけがえのない宝物になるものです。味わい方や感じ方、見方や楽しみ方は、人それぞれ違っていい。スポーツも、バレーボールもです。 感動や喜びというものは、いろいろなものから得られますが、スポーツ観戦のはらはらドキドキ感や、歓喜などは、他では代えがたいスポーツなら

進化が動き出す~女子バレーボール日本代表に躍動感も #FIVBパリ五輪予選

(写真FIVB) FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023 女子プールBが、東京・国立代々木競技場 で開幕しました。 バレーボール女子日本代表(世界ランク8位)の初戦は、古豪ペルー代表 (同29位)。セットカウント3-0のストレートで勝利しました。 〔日本代表 3-0 ペルー代表〕 ①25-9  ②25-19  ③25-15 第1セットのスタートは以下の通り(敬称略) OH:井上愛里沙、古賀紗理那 OP:林琴奈 MB:宮部藍梨、山田二千華 S:関菜々巳 L

「コーチzero」#01概論①~「バレーボールは分解しきれない」を認める

 フットボール(サッカー)素人な私でも、やはり2022FIFAワールドカップでは、連日観戦のとりこになってしまいました。と同時に、今回のワールドカップの期間ほどフットボールの情報に触れたことはないくらい、書籍やSNSからフットボールのいろんな分析を知ることができました。 フットボール(サッカー)を通して「バレーボールとは何か?」を問うてみる。 フットボール(サッカー)を通して、今もなお「サッカーとは何か?」を問うような考察やディスカッションが大変活発になされていることに圧倒

コートの中のイタリア

(トップ画像はサンタクローチェオフィシャルサイトのトップページ https://www.lupipallavolo.net/) ふとしたきっかけでこんな本を見つけたので早速買って読んでみました。出版は2011年とちと古い。折しも6億円宣言がでたところ、急いで読了しました。 全体としてはイタリアのバレーをとりまく政治経済地理歴史の各方面を紹介。東大経済学部卒の会計士が書いただけあって、データも充実。タイトルに反して「コートの外のイタリア」について書いてある。ちなみに刊行直後

女子バレー「劣勢・劣位的設定」からの脱却が始まってほしいという期待

(写真FIVB)  バレーボール日本男子代表の最近の躍進がめざしく注目が集まります。またバレーボール自体の進化、戦術や技術のアップデートも男子バレーが先行し、女子バレーが後追うような感じになっているのもあって、女子バレーの「今」というものにもみなさんの関心が及んできています。  日本女子のバレーボールの「今」をどう見たらよいのでしょうか? 勝てなかった要因は「優位」に立てなかったから 男子のトップカテゴリ―で繰り広げられている、バレーボールの今を見た時に、「眼に見えるやっ

結局「ニッポン・オリジナル」とは何だったのか?

(写真FIVB) 30年かかったことがわずか3~4年で動いた 今思えば、1990年代後期以降、日本の男子バレーボールは女子に比べ、オリンピックに出場できない大会が長く続いてきました。国際大会における結果と同じように、試合内容も何か観ている人には、世界との圧倒的な力の差を感じさせてしまうものが繰り返されてきました。そのたびに、悲喜こもごもいろんな感想やオピニオンが出てきたわけです。  昨年の東京2020オリンピックでは、29年ぶりに決勝トーナメントに進みベスト8(7位)に。今

シンガポールでバレーボール(2017)

2017年12月末。北海道ヤングクラブ連盟の国際交流事業として、北海道内のヤングクラブ選手の中学生たちとシンガポールに行く機会を得ました。シンガポールには長年バレーボールの国際交流に尽力されている、成田明彦先生がいらっしゃって、今回の国際交流が実現しました。成田先生はシンガポールでバレーボールの普及と指導にあたっておられました。  こうして、日本を出て、海外のバレーボールの風を直に感じる機会を得ました。ナショナルチームクラスの試合は、むしろ日本でも国際大会が開かれることもあ

メイド・イン・ジャパンのエキサイティングなバレーボール空間(ネーションズリーグ2022)

(写真FIVB)  世界の強豪16チームが参戦しているバレーボールネーションズリーグ。男子日本代表は、東京2020オリンピックでは29年ぶりに決勝トーナメント進出を果たし、その躍進を見事にマネジメントした中垣内監督から引き継いだ、フィリップ・ブランが新監督に就任。史上初のファイナルラウンド進出を果たしました。2024年のパリ五輪出場へ向けても世界ランキングが重要となることから、今大会で少しでも世界ランキングを上げておきたい日本にとっても、また一つ成果を挙げたことになります。

(バレーボール学会)バレーボールの⼀貫指導実現のための階層構造の検討

 2022年3月に行われた 日本バレーボール学会 第27回大会 で発表する機会を得ましたので、その発表内容をブログでシェアいたします。  私自身としましては、2018年3月に行われた、バレーボール学会第23回大会で発表させて以来の発表の機会となりました。 (前回の発表内容にも関係するのでリンクです↓)  4年前の実践・発表の内容の取組の基盤を再検証える考察となっています。   日本のバレーボールでは、なぜ技術指導の内容が何十年も変わらないのか。代表チームを筆頭に、世界のバ

誰の「思い通りになる」ためにやるんだろうか?(大人ではない)

(写真FIVB) ・みんなが ・楽しむ ・主体的に ・(大人は)怒らない ・試行錯誤の経験 ・失敗を恐れず ・オールラウンドなスキル習得 ・身体の成長と健康の保障(休養含) ・観察の大切さ  ここ数年で、日本のスポーツ指導についても、こういったことをみなさん、多くの人が大事で必要だと言ってくれるようになってきました。  しかし、日本のバレーボールの指導現場では未だに、「やる気あるのか?」、「だから勝てねーんだ」などといった高圧的な指導が多く見受けられています。なぜでしょ

東京五輪日本女子バレーを見ていて再度考えさせられる、「何ができるか」(長文失礼します)

(写真FIVB)  東京オリンピック2020、バレーボール日本女子代表チームの戦いが終わりました。結果は、予選ラウンドの戦績を1勝4敗(A組5位)とし、決勝トーナメントへの進出はならず予選ラウンド敗退で大会を終了しました。  今大会を迎えるにあたっては、自国開催の重圧、コロナ禍における調整の難しさだけでなく、大会自体の延期、選手の引退や故障による離脱、それらに伴うチーム編成戦略とプランニングなど・・・様々な障害や困難があったと思います。また世界からも評価されている、古賀選手

ここからが日本の男子バレーの新たなスタートとするために。(個人的東京五輪振り返り)

(写真FIVB)  オリンピック東京大会2020。バレーボール日本代表男子は、1992年バルセロナオリンピック以来、29年ぶりにオリンピック決勝トーナメントに進出し、準々決勝で世界ランキング1位のブラジルと対戦。セットカウント0-3のストレートでの敗退とはいえ、充実した内容と成果があるゲームで大会ベスト8(7位)で東京オリンピック2020大会を終えました。  選手のみなさん、チームスタッフのみなさん、その他運営やボランティアの方々、さまざまな形や立ち位置から日本の男子バレ

やっぱりバレーボールは素晴らしい!以上!(29年ぶり五輪予選突破記念)

(写真:FIVB) 2021年8月1日(日)東京五輪男子バレー予選最終日 日本 vs イラン   セットカウント3ー2 日本の勝利 ➀25-21 ②20-25 ③29-31 ④25-22 ⑤15-13 → 1992年バルセロナ五輪以来、   日本男子バレー29年ぶりの予選突破! うれしいです。本当にうれしいです。 なぜなら、みんな長い間あきらめずに待ち望んでいたから。 そしてその待っている間にいろんな苦悩や苦難や忍耐があったから。 こんなに日本の男子バレーで熱狂したの

日本男子バレー、眼に見えにくい「大きな差」という次のステージへ

(写真FIVB)   世界の男子バレーの強豪、イタリア、ポーランドそれぞれを相手に、日本の男子バレーは勝てませんでした。日本の男子バレーに新しい風と明るい光を感じ心躍っているだけに、世界の強豪と戦えるという期待感をもたずにはいられませんでした。  それはなぜか。確かに石川選手や西田選手が繰り出すハイパフォーマンスなスパイクやサーブで得点をもぎとる光景は、観る私たちに明らかに世界の中で勝てるという光明が見えます。その他の選手のがんばりも光る。何よりもブロックやオフェンスシステ