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TETSU.co/バレーボール・セミナー

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バレーボールのコーチングやテクニックに関する考察を発信します。実際に過去に行ったクリックで用いたマテリアル(資料情報)等もアップしたいと思います。
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2021年2月の記事一覧

バレーのスキルの習得を考えたとき

ディグの映像をご覧ください。実にいろんな取り方があるものです。 世界レベルともなると、サーブにしてもスパイクにしても、ステップを踏んで、構えて、ヒット・・・などという余裕はないくらいのボールスピードです。ですから、取りに行くというよりも、身体に当てる、当てに行く・・・当たったらより確実に返球できる身体の使い方・・・と言った方がいいかもしれません。 「型はめ」と結びついたスモールステップ指導私たちの周り(中学生など)の指導現場では、これまでの指導の研究の積み重ねの上で、いろ

「ブレイク」の意識をもたせる

「考え方」、「思考」についてですが、私も含めて、いかに中学生の考える機会を狭めてきたかと反省しています。アタッカーはセッターからの指示待ち、セッターは教わってきたパターンの選択のみ、ディフェンスは、セッターを見ることなく、何でもかんでも「0」のセッター位置にとりあえず返球、サーブの攻めとミスとの考え方、ブロックの修正力のなさ、 「とりあえず今はそれさえすればよい」が「それしかできない」選手をつくりだし、自分自身で限界を作ってしまうような状況にあったのだと思います。 バレーボ

「スパイク」は、しっかりと。

もう一度スッキリさせたいなと思うことがあります。 「はやく、はやく」などのような、スピード勝負や高速化から一度離れ、 「しっかり、しっかり」という方向に視点を変えなければいけません。 何が「しっかり」かというと、スパイクは、その選手の最高打点で十分に打て、そして打ち分けられる状態を作り出すということです。 それで、その必要性は、 ① 1点目から25点目まで同じ戦い方になるはずがない。いわゆる「スピード」があればあるほど良いとはならない。 ② ブロック(ジャンプ)VS

「特別視」をしないところから

これらの動画を見た時、どう思われるでしょうか? きっと、日本では身の回りでは見られないプレーばかりで、スゴイと思うはずです。 でもそれは、プレー自体や行っている選手の能力が「スゴイ」 というよりも、普段観たことがない、やったこともない、未知の姿ゆえの「スゴイ」なのだと思います。 骨格が違う、筋力が違う、遺伝的身体能力が違う、文化や気質が違う・・・ そんな思い込みや言い訳が、これまであまりにも当たり前になりすぎていやしないでしょうか? 観たこともないから「スゴイ」。でも身近

何をしたらよいかの考え方

もう一度、これまでの議論や論点を自分なりに整理しようと思います。 「○○という戦術がよい」とか「○○という考え方が合っている」とか言われていますが、それらは、やっている人や指導している人の正当性や有能性を評価するためのものではありません。 つまり、ゲームを有利に進めたり制する上で「必要なもの」であるという、戦術や考え方、プロセスの一選択肢・チャンネルの一つであるということです。 だから「スピードがもっと必要」だとか「高さやパワーをどうするか」というのは、 戦術とかコンセプト

バレーボールの攻撃と「はやさ」論について

バレーボールと「はやさ」について記事にします。 もう何度も話題にしていますが、なかなかいろんな意見が出ていて、人によって、その捉え方も様々ですし、正直、試合中継の解説を聞いても???となる点が多いので、あえて書こうと思います。 もう一度、「はやい」攻撃について、以下の点で考えてみましょう。 みなさんはどのような見解をお示しになりますか?   ① なぜ「はやい攻撃」が必要なのか? ② 「はやさ」 は何をもって 「はやさ」としているのか? ③ 「高さ」 VS 「スピード」 とい

スモールステップは、フィードバックや試行錯誤にこそ使え

運動でもなんでもそうですが、成果主義というか達成主義というか、逆に言えばいかに失敗を最小にしていくかという手法があり、そうなると、一つひとつの課題の難易度と、課題と課題の間の段階差を小さくしていきます。 結果、コツコツと課題にはとりくめるけど、細かく多数ある過程を踏んでいるうちに、全体像や真に目指している到達点を見失うことってよくありますよね。 例えば、英語なんかを学ぶ時も、きっとどの人も根底には話せるようになりたい、使えるようになりたいという、願望を持つのですが、学習過程

ブロックのシステムとか(memo)

◇ ブロックシステム における視点  リード(=シーアンドレスポンス)かコミットか ゾーンかマンツーマンか バンチかデディケートかスプレッド・・・か フロントするかステイするか マークした相手の動きを追いかけ、時にはブロッカー同士で場所をチェンジするシステムが マンツーマンブロックで、 ほとんどのチームで行われているマークを流動的に対応させるシステムが ゾーンブロックです。 (「セリンジャーのパワーバレーボール」A・セリンジャー/共著 J・アッカーマ

だからこそみんなで常に語りあわねば

脱・旧型日本バレーの兆しが最近では、現場レベルとか底辺の指導の場でも、ファースト・テンポ とか インダイレクトデリバリーなどの用語を会話の中で聞かれたり、質問をされたりすることが多くなってきました。これも、三島のミーティングやバレーペディアや、SNS、月バレなどの情報が広まった効果かなと思います。 しかし、そろそろさまざまな解釈が現場では派生しています。 一番、気ががかりなのは、結局、周りではハウツー的なニーズが強くて、「これをやればよい」「これをやれば勝てる」などのよう

とある練習の時に伝えたこと(オーダー)

・レセプションについて ・攻撃展開について ・ブロックについて 主にこんな話題で、かかわっていきました。その中で「オーダー」についてもちょっと話題にしたので、少しだけ書こうと思います。 「フロント・オーダー」というものと「バック・オーダー」というものとがあります。 違いはコートに入った時の選手の並び順、配列です。 これ、何が違うかというと、選手の並び、配列が違う・・・と言えばそれまでなんですが、全体像として、どういう違いが生じるのか・・・という点を見なければなりません

レセプション(サーブレシーブ)が・・・

レセプション(サーブレシーブ)の練習相手のサーブを受けて、セッターへ返球する技術を「レセプション」または「サーブレシーブ」と言いますが、まだまだ「サーブカット」とか「サーブキャッチ」という人も少なからずいるようです。でも、ルールの変遷やプレー特性を考えても、「カット」とか「キャッチ」はそろそろ淘汰されてもいいのかなと思います。 用語とは別に、特に小中学生を見ていると、レセプション(サーブレシーブ)は、なかなか難しいと感じている人が多いようです。本来は、レセプション(サーブレ

オーバーハンドパスの練習はここまでつなげるために

たしかにオーバーハンドでボールを飛ばすまでには時間がかかるかもしれないバレーボールの技術の中でも「オーバーハンドパス(セット)」というのは難しい側面があります。それは、ルールにおいて、ハンドリングに関する反則があることとも関係しています。キャッチボールやダブルコンタクトの反則によって失点につながってしまいます。 これらの反則を犯さないオーバーハンドのハンドリングをゲームで発揮するのは、ビギナーやキッズにとっては大変ハードルが高いものです。ですから習得までには長い目で時間をか

ミーティング資料作成メモ

【セッターづくりの視点】◇セッターの位置づけ  ①ファーストコンタクトからのボールをアタックへ つなげる  ②1点をもぎ取ることのできる、攻撃をさせる    ・アタッカーの最高打点で打ち切らせる    ・相手ブロックのマークを崩す    ・ファーストコンタクトのミスを修正する ◇セッターに求められる能力    ・オーバーハンドの制御力(パス力・コントロール・ハンドリング)    ・俊敏な動き(フットワーク、スピード、ダッシュ&ストップ)    ・方向転換能力(身体、ボール)

どのようにスキルアップを高めていくか

何事もそうですが、1から10や100にすることよりも、0(ゼロ)から1を生み出したり踏み出すことの方が、大変であり困難を伴うかもしれません。 そう考えると、バレーで今起こっている議論(#vabotterの話)というのは、大きいかもしれません。何が大きいかというと、それまで何十年も当たり前だと思われてきたものに、風穴をあけてきていること、そして何よりもその視点に気付けたことです。 ゲーム(試合)と個別のスキルバレーボールは、ひとつのスキルで競うものではなく、スキルとスキルの