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「スパイク」は、しっかりと。

もう一度スッキリさせたいなと思うことがあります。

「はやく、はやく」などのような、スピード勝負や高速化から一度離れ、
「しっかり、しっかり」という方向に視点を変えなければいけません。
何が「しっかり」かというと、スパイクは、その選手の最高打点で十分に打て、そして打ち分けられる状態を作り出すということです。
それで、その必要性は、

① 1点目から25点目まで同じ戦い方になるはずがない。いわゆる「スピード」があればあるほど良いとはならない。

② ブロック(ジャンプ)VSスパイクは(ジャンプ)は、1対1においては、本来はスパイクが優勢。それは、十分な助走と力強い踏切があるから。

ということになるからだと思います。

もしも、スパイカーの「最高打点」に向かって、「はやいスピード」での展開を生み出すためには、セットの球速が「速く」供給される場合のみが存在し、その状況のためには、助走開始を「早め」踏切りのタイミングを「早め」るしかありません。ダイレクト・デリバリーというのがこういう状態です。
それ以外は、助走距離や打点やパワーの発揮のいずれかが必ず犠牲になる。いわゆる「低イック」です。

いわゆる「スピード」「速さ」が通用するのは、スパイクに対峙するブロック側の高さが圧倒的に低い
(ネットから手が出るのがやっと)の場合か、そうでなければ、ブロッカー側の組織力や思考力が
未熟である以外はないと思います。
組織化されある程度のブロック力を備えた相手では、いくら「スピード」バレーをしてきても、まんまと相手ブロックに効果を持って行かれてしまいます。

ようやく身の回りでも、
「Aパス」がどうだとか、
「ファースト・テンポ」ってどうだとか、
「リード・ブロック」って必要なのか、
「はやい低い」はなぜやっているのか、
とか、ちらほら話題を耳にしたり目にしたりすることが昨年よりも出てきたように思えます。しかし、逆にそれぞれが、あたかも別々の話題として論じられているように思います。
もっと言えば、「ファースト・テンポにすれば勝てるのか?」みたいな断片的な観点になっているように思えます。
そういった、起こり得る混乱や新たな誤解を整理するためにも、

「スパイクはしっかり助走、最高打点で、しっかり打つ」

状態を、どんなテンポにおいても生み出してやることが、必要なことであり、それを起点に、ファーストタッチや、セッターの位置やセット法、攻撃の組み立てや、対抗すべきブロックの在り方・・・すべてが話がスパイラル的につながっていくと思うのですが。

シンクロ攻撃・・・とも言われていますけど、思考もシンクロしていかねばなりませんね^^

もちろん、あえて野球の見せ球のように、プッシュなどを覚悟で相手に「スピード」を意識させる、ことだって必要だと思います。ですが、それ「だけ」で勝ちきることは難しいでしょう。リスクも大きいですし、何よりも決定力に欠けます。
最初に書きましたが、1点目から25点目まで、同じ調子でバレーする必要もないし、同じ調子でやれば、それだけ相手に対応されますよね。大事なのは、手数、引き出し、オプションを多く持っているかです。


(2013年)