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小さなアオハル

3歳の娘のぽんちゅは、4月から幼稚に通っている。

園まで少し距離があるのと、まだ0歳の息子すけちぃがいるので、送り迎えはバスをお願いしている。

幼稚園が始まるまでは、通うことをそれはそれは楽しみにしていた。

初日は、あっという間に終わった。

が、2日目。

朝から幼稚園に行きたくない、バスに乗りたくないと大泣き、大暴れ。

いつも遊ぶ仲良しの双子ちゃんとは違う園、ママはいない。

プレ幼稚園は、私の出産後は連れて行くことが難しくなり、結局ほぼ通えず。
プレで唯一名前を覚えたお友達とも、別のクラスになっていた。

知り合いが誰もいない、ひとりぼっちという初めての環境が辛かったようだった。

娘をなんとか説得、どうしてもバスは嫌だというので、徒歩で片道25分ほどの距離を送り迎えした。

半日保育だったので、送って家に着いて、少ししたらまた迎えに行くという毎日。

はっきり言って、けっこう大変。

ようやく園バスに乗ってくれるようになったのは、1週間ほどしてからだった。

理由は単純。ぽんちゅに、友達ができたのだ。

隣の席で同じバスに乗っている女の子のあーちゃんだ。
まぁ、その裏には先生の配慮や私の必死のアプローチ(あーちゃんの名前を何度も言って覚えさせた)があるんだけど(笑)。

自ら喜んで、というわけではないが、それでも大きな進歩。ばんざーい!

それにしても友達の力は偉大。

次第に、幼稚園に通うことを楽しみにするようになり、バスや幼稚園で泣くことはなくなった。

そして、私は毎日、娘の幼稚園での出来事を楽しく聞いていた。

・・・

そんなある日、幼稚園から帰ってきたぽんちゅが、「今日はちょっとだけ泣いちゃったの」と伝えてきた。

「どうしたの?」
「男の子が嫌だったの」
「何かされたの?」
「されてない」

ぽんちゅは男の子が苦手。以前から、公園などでもなぜか男の子は避ける。
だから、ああ、いつものか、という感じだった。

だが…

「あのね、男の子が来なかったの」

んん?いつもと様子が違う…?

「男の子が近くに来て嫌だったんじゃないの?」
「ちがう。かっこいい男の子が横にこなかったの。ほかの女の子のところに行ったの」

え!まさか、3歳にして恋バナ!?

「かっこいい男の子がいるの?」
「うん」
「で、ぽんちゅの横に来てほしかったの?」「ちがう」

どういうこっちゃ!

それからしばらく、息子のすけちぃを放ったらかし、興味津々でぽんちゅを質問攻め。
いや、最初から、すけちぃは放ったらかしにされていたけれど(笑)。

で、結局のところ、ぽんちゅが泣いた理由はこうだった。

友達になったあーちゃんが、かっこいい男の子が横に来てほしいと思っていたのに来てくれなかった。
それが悲しくてぽんちゅは泣いた、と。

「あーちゃんがその男の子と仲良しになりたかったんだ」
「うん」
「で、あーちゃんがその男の子をかっこいいって言ってたんだね。ぽんちゅもかっこいいと思うの?」
「かっこいくない」

そうかー、ママがっくり。

「あーちゃんも泣いちゃったの?」
「泣いてない」

そうか、ぽんちゅだけ泣いたのか。
まぁ、そんなことで普通は泣かないわ(笑)。

「でね、ぽんちゅ泣いちゃったけど、あーちゃんヨシヨシしてくれなかったの」

そりゃそうだ。
残念だと思ってる時に、勝手に同情して泣いている友達の慰めまでできないよ。
泣いた時に頭を撫でるのは親くらい、のはず。

「ヨシヨシはしてくれるときもあるの?」
「してくれるよ」

なんと優しいお友達!
いいお友達ができてよかったね。

ぽんちゅの恋はまだまだ先になりそうだけど、
小さなアオハルにほっこりしたひとときだった。


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こちらは、たぬきの親子さんの企画【#友達との青春話】参加記事です。

青春話って、普通は自分自身の思い出話になると思うんですが、この企画を知った時に娘のエピソードが思い浮かんで離れなかったので、この記事で参加することにしました。

企画の趣旨からずれてしまっていたら、すみません!

娘の未来へ繋がる青春話ということで許してくださいね(笑)。



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