【せたがや図鑑】 瀬田玉川神社
1.はじめに
せたがや図鑑・神社担当のみやびです。
今回は、東京都世田谷区瀬田にある瀬田玉川神社の禰宜 高橋知明さんから、神社のお仕事についてお話を伺いました。
2.神職に就いた経緯
――きっかけは大学受験に失敗したこと
実家も神社であり、普段から父の姿を見ていたため神職に興味はあったのですが、兄がいるため自分は実家の神社を継承できる立場ではないと思っていました。そのため、神社界をサポートできる職業に就きたいと考え大学受験をしましたが、希望していた大学に合格することはできず、國學院大學文学部神道学科へ仕方なく入学しました(笑) その後、國學院大學を卒業して全国の神社を包括している神社本庁へ入庁し、13年間勤めていました。そこで、実家が瀬田玉川神社である妻と出会い、結婚して婿として入り、現在18年目という感じです。
3.仕事内容(1日の流れ)
――常に祈りを忘れずに
禰宜の役割は主に宮司を補佐することです。まず、早朝から境内の掃除をし、その後、日供祭という神様へお供え物をする1日の始まりのお祭りを行います。これが毎日のルーティンです。9時~17時は、ご予約いただいた安産祈願や初宮詣、七五三などのご祈祷の奉仕や、御朱印やお守りの頒布など、参拝者の対応を行っています。他にも、新しくその土地に建物を建築し、そこに住むことを神様に報告する地鎮祭や、工事が無事に完了したことに対しての感謝の気持ちを神様に伝える竣工祭など、出張してお祭りを行うこともあります。
4.やりがいを感じるとき
――神職は人と神様との中執り持ち
やりがいは色々あります。神職の立場は、地域の人と神様との間に立って上手く繋げる役目(中執り持ち)です。様々な思いや悩みなどを持つ人々に対して、その都度、形や話し方を変えながら、より祈りの場である神社、そして神様を感じてもらえるように工夫しています。そのためには、自分も日々研鑽する必要があり、それがやりがいにつながっているのかなと思います。
他にも、安産祈願やお宮参り、神葬祭など、人々の人生の節目に関わる大事な行事に触れることがあります。それ故に、一回一回皆様にしっかりと祈りが届けられるように、真剣にご奉仕をすることを心がけています。そこで、皆様の表情を見ることができ、短い時間ではありますが人と人とのふれあいがあることが、やりがいにもつながっていると思います。
5.日々心がけていること
――「らしさ」は他人が決める
簡単に言うと、「らしさ」を失わないことですかね。様々な「らしさ」があり、それは自分ではなく人が判断することだと思います。「男らしさ」「女らしさ」のように、「神職らしさ」を見失わないように、そして皆様により「神職らしい」と思っていただけるように、日頃から行動していくことを心がけています。地域の人々と神様との中執り持ちとしての適度な距離感を保つことも大切だと考えています。
6.神社が果たす役割、存在意義
――地域の人々の心の支え、よりどころ
瀬田玉川神社は、約450年の歴史があり、昔からこの地域に住んでいる人々の心のよりどころであり、寄合いをしたりと溜り場的な存在でした。地域の人々は、年に1回のお祭りを楽しみにして、毎年協力してお祭りを創り上げてきました。そのような約450年続いてきた要素を今後も続けていくことによって、皆様の気持ちが豊かになることに繋げられるように、これからも守り続けていきたいですね。
また、神社にお参りすることによって、「よし、頑張ろう!」と思えるような不思議な力が神社にはあると思います。神社があり続けなければならない理由はそこにもあるのではないでしょうか。人の感情は時代によって波がありますが、神社は変わらずあり続けることによって、どんな時代でも皆様の心の支えになるような場所であり続けたいですね。
7.来訪者に伝えたいこと
――神社を知って、感じて欲しい
若い人に向けては、「神社とは何か」など、何か分からないことがあれば聞いて欲しいですし、こちらからも発信する必要があると思います。
また、伝えたいというよりかは感じてもらいたいので、来ていただいた際に、「何か気持ちが良いなぁ」「すっきりしたなぁ」と感じていただけるような場所であり続けたいと思っています。
8.おわりに
以上、第1弾である今回は、瀬田玉川神社の高橋知明さんに取材させて頂きました。ご協力ありがとうございました!
私が、なぜ神社の神職さんにインタビューすることになったのか、その経緯については次回の投稿でお話ししたいと思います。
それでは、また!