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賞に落ちたものたち

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タイトル通り、文学賞に応募して、結果が届いた作品。
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賛歌

賛歌

いつも通り定時の五時半に、私は席を立った。周囲の人に気づかれないように、細心の注意を払う。ジャケットを小さく丸めて鞄にしまい、いつも給湯室に置いて帰るマグカップを、大げさに両手で高く持つ。まるで喉が渇いたので、ちょっと飲み水をくみに行く人に見えるように。両脇をぴったり閉めて、なるべく自分の体積を小さくした。

よく考えれば、私は、誰にも侵されない定時で帰る権利を持っているし、いつもこの時間に帰って

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正夢

正夢

 ひどい夢で目がさめた。端的に言うと、夢の中で、最近入ってきた若い派遣社員を押し倒してしまった。あってはいけない夢だ。いけないという理由は、私はその人のことをうざったく思っていたし、まったく好意など抱いていない。何よりも、彼女は女だ。私も女だ。夢のでの行為は合意だったのか、それを思い出すのも辛かった。

 いつもより30分も長く布団の中に居座っている。とうに始業時間に間に合う最後の電車は行ってしま

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関係の終わり

関係の終わり

キヨちゃん、昨日はごめんね。

無理に私の実家に行こうって言って。。。こんなことになるとは思わなかった。

私のお母さんとお父さんがしたことは、本当に恥ずかしいことだし、

すごくキヨちゃんを傷つけたと思う。私も傷ついた。

本当はキヨちゃんから聞きたかった。ごめんなさい。びっくりして、言葉が見つからない。。。

キヨちゃんが帰った後、お母さんとお父さんと大げんかしました。

「全部、あかりのため

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卒業旅行

卒業旅行

 彼女と初めての海外旅行は、台湾だった。

 付き合って2年記念の旅行でもあり、大学の卒業旅行でもあり、私たちの関係が続かないということが決定的になった旅行だった。

 4年前、私たちは同じ大学の同じ学部に入り、中国語を履修していた。最初の授業でクラス全員と連絡先を交換した時から、お互いに意識していたと思う。私は彼女の連絡先を知りたくて、メールグループのリーダーになった。彼女のメールアドレスが書か

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