マガジンのカバー画像

歌舞伎座

20
歌舞伎を見に行った感想です。
運営しているクリエイター

#長唄

歌舞伎・演目覚書②『京鹿子娘道成寺』

歌舞伎・演目覚書②『京鹿子娘道成寺』

私が歌舞伎座で初めて観た演目は、玉三郎の歌舞伎舞踊『娘道成寺』だった。憧れはあったものの、まだ、三味線を始める前の話で、結末、鐘供養に訪ねて来た白拍子(しらびょうし)が大蛇に変化し、鐘に取り憑くという程度の知識で、約一時間の演目がスタート。

お坊さんたちのリクエストに応え、烏帽子(えぼし)をつけて現れた白拍子花子(はなこ)が「中啓(ちゅうけい)の舞」でする、ハリセンみたいな形の扇を胸元でグッと握

もっとみる
三月大歌舞伎『身替座禅(みがわりざぜん)』で歌舞伎デビュー

三月大歌舞伎『身替座禅(みがわりざぜん)』で歌舞伎デビュー

着物や帯の織元さんと話すチャンスがあっても、着物の話をするには自信が必要だ。そんな私の言い訳は「三味線を習っているんですけど」。

そして、目の前に並ぶ、凝った柄の小紋(こもん)への言い訳は「着ていく場所が、三味線の発表会だけなもので。ウフフ…」

すると、北国の織元さんは笑って言う。

「私のトコは冬場、雪ばかりでしょう。着物で出かけようとしたら、近所のひとから『今日はお祝い事ですか』と聞かれて

もっとみる