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まちも人も、魅力や才能は「すでにそこにある」 | 代表インタビュー#1 今村ひろゆき

2014年春、シェアアトリエ「reboot」オープンからスタートした、合同会社 点と線と面。ソレイユ入谷ビル内で、個性あふれるユニークな3つの施設を運営しながら、私たちもこの施設に入居しています。

・新しい時代の “公民館” 的スペース SOOO dramatic!
・創る人のためのコワーキング&シェアアトリエ reboot
・「ベンチャー企業の成長と価値創造の支援」をコンセプトとしたシェアオフィス ベンチャーステージ上野

私たちの事業や活動、想い、これからの展望などを少しでもお伝えしようと、2回にわたって代表2名(今村ひろゆき・小林一雄)、それぞれのインタビューをお届けします。

今村 ひろゆき
『まちづくり会社ドラマチック』代表。
「いかす、つなぐ、しかもドラマチックに」をモットーに、カフェ・イベントスペース・コワーキング・シェアアトリエ・公共施設など全国8施設の「場のプロデュース・運営」、そこから派生する「イベント」「官民協働プロジェクト」の実施を通じ、地域を耕し、まちのユニークな人材がイキイキと活動する土壌づくりを実現。近頃は「担い手不足」「高齢化」「人口減少」をまちづくりの手法で解決するプロジェクトを推進中。4人家族、旅行、カレー、ケーキが好き。
▼まちづくり会社ドラマチック
https://www.drmt.info/

二足のわらじから、12年!

原点は浅草のシェアオフィス兼店舗「LwP asakusa」

ーー合同会社 点と線と面の代表社員でもありますが、まちづくり会社 ドラマチックの代表でもある今村さん。自己紹介をお願いします!
 
2010年 まちづくり会社ドラマチックを立ち上げました、今村です。
当時は会社員もしており、ドラマチックは週3日でやるという「パラレルキャリア」的にはじめ、今では対象とするエリアは首都圏・高知県など全国。
プロジェクトもコワーキングスペースやシェアアトリエ、公共施設の運営に加え、まちづくりプロジェクトなど同時平行で10個以上動いています。社員も増え、気づけば会社をはじめて12年が経ちました。
 
ーーでは、点と線と面としてのスタートは?

2013年頃、共同代表の小林さんからの一通のメールからはじまりました。
その頃、小林さんは台東区界隈で面白い事業をしている方々をリストアップして地図に落とし込んでいたようで、私の活動や事業も情報収集するなかで見つけてくれていたようなのです。
 
それからお互いのオフィスに行き合い、協議を重ねて、まずはコワーキング&シェアアトリエrebootからスタートしました。

「好き・やりたい」をカタチに。メンバーが集い出会うシェアアトリエ reboot

はじめて会った時、私は浅草で築55年を超える元サンダル屋さんをリノベーションしたシェアオフィス兼店舗の「LwP asakusa(ループアサクサ)」を運営していました。古い木造でほぼDIYでつくった場所で、手作り感満載の印象のスペースだったので、小林さんのようなピシッとしたスーツを着たビジネスマンが来たらドン引きするのではないかと思っていたら、むしろ気に入ってくださったようで、とても安心したというエピソードがあります(笑)
 
1年目はドラマチックが賃貸して2階でrebootを運営する形態だったのですが、2年目からは「もう一緒に会社を立ち上げませんか?」と小林さんが言ってくれて、一気に1階の現代の公民館SOOO dramatic!、4階ベンチャーステージ上野、数年後に7階のミーティングスペースreboot 7Fと運営する拠点が増えて今に至ります。

reboot 7Fは、シンプルで使いやすい多目的スペース

ーー今村さんが考える、それぞれのスペースの一言キャッチフレーズをお願いします

reboot:
あなたもまちもリブート(再起動)!メンバー間の交流で仕事が生まれるギルド型コワーキングスペース

SOOO dramatic!:
広がれ、ワクワクの輪。百人百色のイベント実現を後押しするイベントスペース

ベンチャーステージ上野:
さあ、次のステージへ!安心安全、刺激と情熱のシェアオフィス

毎年7月に行われる入谷朝顔市に合わせ、SOOO dramatic!ではクラフトビールイベントを開催

東東京の魅力と可能性


ーー点と線と面を立ち上げて、印象深い思い出や出来事は?

1階の路面で、壁も扉もないのにイベントスペースにするというあり得ないシチュエーションで、SOOO dramatic!をはじめることにしてしまったばかりに(笑)、まちの周辺へご挨拶にまわることにしました。
 
そこから町会の皆さんと交流が生まれ、地域のお祭りをお手伝いしたり神輿をかつぐ機会をいただくようになったり、お店と仲良くなり「good day入谷」を立ち上げ運営することになっていったのは印象的です。

小野照崎神社の例大祭では、坂本町会の法被を着て「そいや!そいや!」

小林さんなんて、水を得た魚のようにドンドン地域に関わり、町会もそうですが、(一社)東京中小企業家同友会の台東支部長になったり、私もご一緒して、台東デザイナーズビレッジの鈴木村長、co-lab墨田亀沢:re-printingの有薗さんと一緒に「Eastside Goodside (イッサイガッサイ) 東東京モノづくりHUB」を立ち上げ、東東京エリアの創業支援を後押ししたり、中間支援組織の横串をさすような事業をやっていくようになったり。

イッサイガッサイ東東京HUB主催のトークイベント「乾杯tonight?」

とにかく地域にどんどん広がっていったというのが印象的です。

2020年10月のgood day入谷は、快哉湯からオンライン配信

ーー新たな方向へどんどん広がる…まさに、点と線と面!

はい、台東区という地域の歴史やモノづくり産業、多様な人が住民、クリエイターや起業家など、たくさんの地域資源である点があり、それを線・面にしていく役割ができたらなと思っています。
 
ーー東東京で創業、活動することのメリットや、可能性はどのように考えていますか?

東東京は「まさか東京で?!」という人や人づきあい、事業、街並み、古い建物、安い家賃、歴史、産業があるのが面白く、それが「新しいヒト・モノ・コト」と混じり合い「温故知新」が生まれていくのが面白いので、そこが魅力であり可能性だと思います。

革とモノづくりの祭典「浅草エーラウンド」、今村は発起人メンバー

首都圏と地方を行ったり来たり!今どこに?(笑)


ーーさまざまな事業を展開していますが(プロジェクトに関わっていますが)、これまでに手掛けてきた事業について教えてください。

品川区の6階建ての空きビルをシェアアトリエにした「インストールの途中だビル」、千葉県習志野市で、まちの人たちが自ら学びと遊びの場のつくり手になり最高のローカルライフを送る後押しをする公共施設「フューチャーセンターならしの」、四国の西南のはじっこ「高知県宿毛市」で地域の交流と観光・産業振興をすすめる「宿毛まちのえき林邸」など、色々やっています。

ワクワク広がる、まちのコラボスペース「フューチャーセンターならしの」

ーー東京、千葉、高知を行き来する今村さん。わたしたちスタッフは「今村さんは、今日はどこにいるんですか?」って聞かれることもよくありますよ!地域も事業内容も、どんどん広がり変わってきていますね。

独立前の前職はコンサルティング業をしていたので、最初はその反発から、空き家や空きビルをクリエイターの拠点にする自主事業をしていました。そこへ次第に、地域の方々との関係ができ、「まちづくり事業」が自然とはじまり、いつの間にか「場づくり」と「住民や企業やクリエイター・行政と協働する事業」の経験がたくさん蓄積されていきました。

隅田川ジャンクションのゲストは、東東京エリアでユニークな活動を進める方々
人と人とをつなぎ、コトが生まれるイベント

そのノウハウを大手のデベロッパーさん、ゼネコンさん、鉄道会社さん、行政さんが注目してくれるようになり、「公共施設」や「沿線まちづくり」などを委託いただく仕事が増えていきました。
 
この数年は、首都圏の仕事の要望は多いのですが、今後の課題が多い地方都市での事業をいち早くしたくなり、「高知県宿毛市を含む幡多地域」での事業をはじめました。

高知県宿毛市にある「宿毛まちのえき林邸」
カフェと貸室からなる築130年を超える歴史的な住居建造物

社名=思い


ーー仕事をする上で、大切にしていることは何ですか?

「いかす、つなぐ、しかもドラマチックに。」です。
まちも人も、魅力や才能は「すでにそこにある」と思っています。新しくつくる必要はない。その魅力や才能をいかに生かし、つなぐかがドラマチックになり大切と思っています。
 
ーー最後に、これからの展望・野望をみなさんに!

今まで、僕らが「0・1」で新しい事業や施設を立ち上げ、地域協働で運営してきました。
今後は僕らのノウハウを提供し、新しい事業や施設を地域協働・コミュニティ協働で「0・1」を実現したい人たちを後押しする事業を1つ柱にしていこうと思っています。
 
その事業通じ、イキイキとして最高の暮らしを送る人たちを増やすお手伝いができたらと思っています。


▼今村が関わる会社/事業/プロジェクト

まちづくり会社ドラマチック

インストールの途中だビル(東京都品川区)

フューチャーセンターならしの(千葉県習志野市)

宿毛まちのえき林邸(高知県宿毛市)



▼今村が過去に掲載されたインタビュー記事