ワンルームマンション経営:割に合わないという真実
ワンルームマンション経営に関して「割に合わない」という意見を耳にしたことがあるかもしれません。実際に、経営が期待通りの利益を生まない場合、そう感じることもあるでしょう。しかし、「割に合わない」とは具体的にどのような点を指しているのでしょうか?今回は、その主張に対して考察を深め、利回りの計算や時間効率の視点から分析し、「本当に割に合わないのか?」を見ていきます。
考え方①:月額収支に基づく投資の評価
まず、投資において多くの方が重視するのは「月額収支」です。一般的なワンルームマンション経営では、頭金10万円程度で始めるケースが多いです。一部の人は年齢やリスク回避のため、追加で頭金を投入することもあります。しかし、少額の手付金で始めた場合、毎月の赤字が発生することも珍しくありません。
例えば、手付金10万円でワンルームマンションを購入したとします。その後、毎月2万円の赤字が出て、固定資産税が年間8万円ほどかかると仮定すると、年間で約42万円の持ち出しになります。一見すると、毎月の支出がかさみ「割に合わない」と感じるかもしれませんが、このような単純な計算では全体像が見えてきません。
次に注目すべきは、元金の返済です。たとえば、購入金額が3,300万円、金利1.6%、35年ローンを組んだ場合、1年で約70万円近く元金が減ることになります。つまり、42万円の持ち出しに対して、70万円の資産価値が上昇しているという事実を見逃してはいけません。これは、単純な「収支」だけでは見えてこない利益部分です。団体信用生命保険(団信)により、生命保険としての価値も加わるため、実際には経済的に利益を得ている側面があるのです。ひねくれたと捉えないで下さいませ。
そのため、投資額や元金の減少を踏まえた総合的な視点で見れば、単に「月々の赤字」で「割に合わない」と言い切るのは早計かもしれません。
考え方②:融資額と月額収支の見合い
次に、3,300万円の融資を受けた場合の具体的な月額収支を再度考えてみましょう。手付金10万円、月々の持ち出しが2万円、固定資産税が年間8万円かかるとして、年間の持ち出しは先ほどと同じく約42万円です。この持ち出しに対して、先ほど述べた元金の減少が70万円あると考えると、トータルで見た場合、キャッシュフローベースでは差し引きでプラスになっている計算になります。
さらに、団体信用生命保険の価値を年間換算すると、死亡や高度障害時にローンが完済されるため、この保険は実質的に生命保険のような役割を果たしています。これを考慮すると、マイナスの持ち出しがあるからといって、経済的に損をしているとは限らないのです。むしろ、長期的にはプラスに転じる可能性もあるでしょう。
考え方③:時間と労力のコスト
経済的な数字だけでなく、もう一つ重要な視点は「時間」と「労力」です。不動産経営には、物件の選定、購入、契約手続き、管理、メンテナンス、テナント対応など、様々な作業が伴います。これらにどれだけの時間を費やしたか、その時間に見合うリターンが得られているかを考える必要があります。
例えば、物件購入時には交渉や書類作成、契約手続きなどに時間をかけることが必要です。また、購入後の管理やテナント対応にも時間を割くことがあります。これらの時間を時給換算で考えた場合、どれほどの「割に合わない」という印象が強まるかは個々人の感じ方次第ですが、不動産管理会社に委託することで時間コストを削減する選択肢もあります。
実際には、物件を持つことで得られる将来のキャッシュフローや資産価値の上昇も考慮しなければなりません。これらを総合的に見た時、単なる月額収支の数字だけで「割に合わない」と結論づけるのは難しいところです。
結論:「割に合わない」の真相は?
結論として、ワンルームマンション経営が「割に合わない」と感じるかどうかは、投資の目的や視点に大きく依存します。短期的なキャッシュフローを重視する人にとっては、月々の赤字や時間コストがネックとなるかもしれません。しかし、長期的な視点で見ると、元金の減少や資産価値の上昇、団体信用生命保険の価値など、投資全体としてはメリットが大きい可能性があります。
不動産投資は、リスクを管理しながら、長期的な視点で利益を得る手段です。「割に合わない」と思う前に、投資の本質を理解し、自分自身の目標に合った経営方針を考えることが重要です。
実際支払いのキャッシュフローで赤字でも実質という考え方があることです。
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