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『機動警察パトレイバー the Movie』(劇場アニメ)

視聴環境:U-NEXT

※ネタバレします。

【内容】
レイバーと呼ばれる人型ロボットが活躍する近未来の日本を舞台としたロボットアニメシリーズ『機動警察パトレイバー』の劇場版作品1作目。

レイバーの動かすOSにウィルスを仕掛けた天才プログラマーの足跡を追う刑事と、特車二課の活躍を描いた作品。


【感想】
アニメ監督の押井守の代名詞ともなっている作品の1つ。
初めて見た当時、映画公開が1989年で、その数年後、中学生の頃あたりに観た記憶があるのですが、当時PCもOSはMSーDOSが使われているくらいだったのに、そのOSにウィルスを仕掛けるとか…
今だったら全然わかりやすい設定とも思えますが、当時は個人的にはそこまでピンとこないくらいの感じでした。
延々と映し出される東京の河川敷の古い街並みと、その背後に聳え立つ高層ビルの対比…
当時のコメディー系のキャラ達が繰り広げる、程良い娯楽性…

とにかくキレッキレの頃の押井守の映像作品で、娯楽性も作品性が絶妙だったりします。
それまでとは全く違ったリアリティーのある設定のロボットアニメ…
アニメの綺麗さ以上に、一本筋の通ったコンセプトと、完成度…
新時代のロボットアニメ、というか新時代のアニメということを感じた作品でした。
その後、実写畑の監督などから、このシリーズをサラリーマンとしての警察というのを初めて描いた作品として参考にしたのだとか…

押井守には、この頃くらいの娯楽性と作品性を両立させた作品をもっと作ってくれたらなあと、思ってみたり…
当時の勢いとかを観ていて、押井守が今の庵野秀明的な感じになるのかあと思っていたのですが、わからないものですね。
『スカイ・クロラ』あたりまでは、海外からの評価による日本国内での再評価みたいなものがあったと思うのですが…
ジェームス・キャメロンやスピルバーグからの絶賛とか、『攻殻機動隊』のホームビデオがアメリカで馬鹿売れしたとか…

その後のパトレイバーのショートアニメや、押井守による実写版もあまり褒められたものではなく、色んな意味で失速していった経緯を、遠目になんとなく観ていて…
なんとも言えない気持ちになったりしました。

庵野秀明がエヴァのテレビアニメや最初の映画版が終わった後、作品的にヒットがない状態で、遊技機への版権提供とその大ヒットで知名度を上げて…
エヴァの再映画やその後の大規模なヒットといった流れを観ていると、時代性や育ち方などの違いを感じたりもして、興味深いなあと…

高校時代までバリバリの左翼運動に傾倒していた押井守と、学生時代に「愛国戦隊大日本」みたいな映像を撮っていたような傾向の庵野秀明は、結構対照的だなあとか…
(あんまりその種の評論とかって見掛けないのが不思議だったりもしますが…)

※生成AIで画像を作成してみました。

https://patlabor.tokyo

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