見出し画像

『博士の愛した数式』(邦画)

視聴環境:U-NEXT

【内容】
家政婦と、80分しか記憶が持たない元数学者の交流を描く。
小川洋子の本屋大賞受賞作の同名小説を原作とした映画。

出演:寺尾聰、深津絵里

【感想】
前から気にはなっていて原作の小説を読まずに観ていたのですが、原作読んでいないので何ともいえないなあと、思いながら観ていました。
多分小説的な地の文を上手く映画のエピソードとして落とし込むために、映画的に色々工夫していました。成長した家政婦の子供が、学校の数学教師となり、その授業の中で、数式の解説を行うとか…
よくいえば、万人にわかるように作られていて、テレビドラマ的なわかりやすい作りで、ちょっと映画的ではないなあと思ったりしました。
こうした一般には知られていない知識を如何に映像作品として組み込んでいくのかというのは、難しいと同時にこうした原作ものの映像化の醍醐味だとも感じました。
この作品自体は10年以上前の作品だったりもするのですが、今作るならCGとかを使ってやったりするのかなあとも思いました。

こうした特殊な分野を、物語の重要な要素として使った物語というのは、まだまだ色々とやりようがあるのだろうなあと思いながら観ていました。

ただ、単純にこの映画を単体の作品として観た場合、登場人物の人物造形や演出などが類型的で、わかりやすく情緒的な展開になっていて、個人的にはあまり乗り切れない作品ではありました。
いかにもな情緒的な音楽演出や、寺尾聰の大味気味の演技も、個人的にはこの映画に乗り切れない映画と感じさせた原因なのかなあとも感じました。

数式に関する知識や性質を、情緒的なエピソードやストーリーテリングに活かしていくというのは、興味深いやり方だなあと感じた作品でした。原作を読まないと、ちゃんと評価出来ない作品だと感じました。

https://eiga.com/movie/1415/

この記事が参加している募集

#映画感想文

68,576件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?